ポカラ(ネパール)-Pokhara-
明日のホーリー祭に参加する為に、汚れてもいいスカートを買いに行こう。
そう思って外に出てみると、すれ違った欧米人が「ハッピーホーリー♪」といいながらカラフルな粉をかけて来た。
え!?
ホーリー祭は、明日の予定では!?
▼前回のお話し▼
ツーリストバスに乗って、カトマンズからポカラへ(ロックダウン前)
ホーリー祭とは
ホーリー祭は、インドで年に一回行われているヒンドゥー教徒の祭り。
トウモロコシを原料にして作られたカラフルな粉をお互いにぶつけまくるという、クレイジーな祭りだ。
この日はカーストに関係なく粉をかけていいので、下位カーストの人が上位カーストの人に鬱憤を晴らすチャンス!…という面もあり、かなり荒れるらしい。。
カースト制度
ヒンドゥー教徒の、厳しい身分制度。
その身分は親から子へと受け継がれ、決して覆る事がない。
職業すらもカーストによって決められており、例えばトイレ掃除の身分に生まれたら、一生トイレ掃除。
現在はカースト制度は廃止されているけれど、身分差別の意識は実質的にはまだ残っている。
ガンジス川の沐浴や火葬で有名なバラナシでは、クレイジーすぎて宿から外出禁止を言い渡される事もあるレベルなのだとか。
粉に混ざって、う〇こや石なども飛んでくるらしい。
外は危険なので、屋上に上がって隣の宿の屋上に向かって粉を投げる「屋上vs屋上」の対決を楽しんだと、南アフリカで出会った日本人夫婦が言っていた。
それはそれで面白そう…。
だけど、コロナウィルスの影響で、私たちがアフリカを出る数日前の2/27に、突然インドのアライバルビザが発給停止となったのだ。
さらばアフリカ大陸!突然のインドのアライバルビザ発給停止で、インド入国を断念
ホーリー祭は隣国のネパールでも開催されているため、インド行きは諦めてネパールへと行先を変更。
ネパールのホーリー祭は、インドのクレイジーな祭りとは異なり、かなり穏やかな祭りなのだという。
インドでは日ごろの鬱憤を晴らすかの様に激しく粉を投げつけ合うのに対して、ネパールでは優しく顔に塗りつけ合うんだって。
国民性の違いが、よく現れている。
2020年、コロナの影響でホーリー祭は開催中止!
インドに引き続きアライバルビザが発給停止となったネパールに、滑り込みで入国。
アライバルビザ発給停止のネパールへ滑り込み入国!アブダビ乗り継ぎで懐かしのカトマンズへ
しかし、カトマンズで情報収集をしたところによると、今年2020年のホーリー祭は、コロナウィルスの流行の影響で、政府から開催中止が言い渡されたらしい。
せっかくここまで来たのに…!?
まだ感染者が全国でも数人レベルのネパールだけれど、そこまで警戒しているのだ。
国としては中止だけれど、「個人レベル」で楽しむ予定という噂。
個人レベルで楽しむ、ネパールのホーリー祭
ホーリー祭は、明日3/10のはずなのだけれど、外に出て早々に粉をかけられる。
どうやら、ポカラのホーリー祭は本日開催されるみたいだ。
町によって違うのかな…??
本日からアンナプルナのトレッキングルートへ自転車で向かう予定だったタクミ君。
予定を調整すれば、明日の出発でもギリギリ間に合いそう!という事で、タクミ君も一緒にホーリー祭に参加する事になった。
ペンギンゲストハウスには日本人が数人宿泊していたものの、みんなホーリー祭には興味がない様子だった。
タクミ君とワタルさんと私の3人で、街に出る。
私は、ホーリー祭用のTシャツをカトマンズで250ルピー(約250円)で購入済。
タクミくんもホーリー祭のデザインのTシャツを買おうとすると、200ルピー(約200円)と言われる。
カトマンズよりも安い!
少し検討する為に店を離れると、店主が慌てて「150ルピー(約150円)でどうだ!」と後ろから叫ぶ。
どこのお店もそんな感じで、必死にたたき売りをしてくる。
そうだよね、このTシャツは、今日を逃すと売れなくなる。
それにコロナの影響で、きっと予想していたよりも売れ残ってしまっているのだ。
最終的には、100ルピー(約100円)くらいになった。
町のいたるところで、カラフルな粉が売られている。
赤、青、黄色、紫、オレンジ、ピンク…。
きれいだ。
私たちも粉を買って、お互いの服や顔に塗り合う。
すれ違うネパール人や外国人観光客も、「ハッピーホーリー♪」と笑顔で言いながら、優しく顔に塗ってくれる。
噂通り、ネパールのホーリー祭は穏やかなお祭りだ。
政府からは開催中止と言われているものの、粉はあちこちで売られているし、多くの人が互いに粉を塗り合っている。
それでも「個人レベル」で楽しんでいるだけというていなのだ。
普段は、もう少し激しいのだろうか。
粉から守るためにカメラを宿に置いてきてしまったので、祭りの様子の写真を撮れなかったのが心残り。
タクミ君は、私よりも立派なカメラを、しっかりと持ってきている。
サブのデジカメでもいいから、持って来ればよかったな。
一体なんのためのサブなのか!
仕方がないので、昨日撮った犬の写真。
犬もホーリー祭に備えてか、おでこにネパール・インド人特有の赤い点を付けている。
これは、ヒンドゥー教徒の「第三の目」を意味しているんだって。
ポカラの遊園地|ポカラディズニーランド
夕方、ポカラにある遊園地に行く。
その名も、ポカラディズニーランド。
もちろん、正式なディズニーランドではない。
だけど入り口にはしっかりと、「ポカラディズニーランド」の名が、刻まれている。
ここの名物は、観覧車。
この観覧車の何が凄いかって…それは「観覧車はゆっくりと景色を眺めながら1周だけ楽しむのも」という固定概念を覆す、斬新な発想力だ。
ネパールでロックダウン前に乗った観覧車。観覧車を絶叫マシーンとして使うという斬新な発想力!「観覧車はゆっくりと景色を眺めながら1周だけ乗るもの」という固定概念を覆される。
この遊園地の名は、ポカラディズニーランド pic.twitter.com/hFvmY5nz1V
— 宇田里 ちせ@14日間の隔離生活中 (@Utar_Cise) August 21, 2020
観覧車が、観覧車とは思えないスピード感でくるくると何週も周るのだ。
乗らなくても、見ているだけで面白い。
もちろん乗ったけど。
普通の観覧車はゆっくりと周っているから、次々と来るゴンドラに順番に乗る。
この観覧車は、もちろん動いている間に乗り込む余裕はない。
だから、1度停止して乗り込む。
1組が乗り込むと、少し動いて別の組を乗せる。
少しずつ動かしながら順番に乗客を乗せていき、乗り終わったところで高速回転が始まるのだ。
面白すぎる…。
タクミ君と2人で高速観覧車を堪能。
ワタルさんは、クールさんぶってるので乗らない。(←悪口!?)
射的もあるので、こちらは3人で遊ぶ。
そこで、小学校低学年くらいの少年に出会う。
無邪気にホーリー祭の粉を塗ってくる少年が可愛すぎる。
彼の分も払ってあげて、4人で射的を楽しむ。
少年と一緒に、バイキングに乗る事になった。
このバイキングは、日本で乗るのと同じ仕組み、同じスピード…のはずなのだけれど、期待を裏切らないネパール。
なんと、最後列の席は「立ち乗りOK」なのだ。
座っていても怖いのに、立って乗るの!?
少年が、慣れた様子で立って乗る。
危ないよっ!?
タクミ君も、少年と一緒に立って乗る。
一応、少年が落ちない様に気を使ってあげていたみたいだけれど、そんな心配は無用の様だ。
恐るべし、ネパールボーイ。。
少年が、「次はあれに乗りたい」とせがむので、所定の四角いエリア内を自由に走るタイプのゴーカート(?)に乗る。
これも、日本にもあるアトラクション…のはずだけれど、ルールが日本とはまるで違う。
まず、入場は1チームごと。
時間内は、私たち4人で独占なのだ。
そして、スタッフが1人参加してくる。
なんで!?
…と思っていたら、スタッフが運転する車が、凄い勢いで体当たりしてくるではないか!
どうやら、「安全に配慮して運転するほのぼのアトラクション」ではなく、「相手にぶつかって突き飛ばし合うクレイジーアトラクション」だったみたいだ。
ネパールのポカラディズニーランド。
日本の遊園地の常識を覆す、面白すぎるテーマパークだった。