大好きな雪解けの香りが徐々に訪れようとしているこの頃に、冬支度を始めようとしている秋の大雪山系でのトレッキングのお話。
(この記事を書き始めたのが、なんと雪解けの頃だったとは。いつの間にやら、日本中が猛暑に喘いでいる夏真っ盛りの時期に。。)
大雪山系は「北海道の屋根」とも呼ばれている、広大な山塊。
大雪山系についての説明は、以前「旭岳(あさひだけ)」に登ったときに書いたので参考までに。
今回は、大雪高原沼巡りトレッキング。
下記グレードマップの、「ヒグマ情報センター」のところ。▶http://www.daisetsuzan.or.jp/wp-content/uploads/2019/06/guidemap_all.pdf
「旭岳ビジターセンター」のところから繋がっている感じが、なんとも広大でロマンあふれる感じ。(私の脚では、とても1日では行けませぬ。。)
大雪高原沼巡りは、遊歩道の整備されたトレッキングルートになっていて、しっかり登山!をしなくても、お気軽に大雪山の紅葉を楽しむことができる。
「大雪高原沼巡り」と「銀泉台~赤岳登山」、そしてマイカー規制
大雪高原沼巡りのスタート地点、「ヒグマ情報センター」に通じる道は、紅葉のハイシーズン(9月下旬~10月上旬頃)はマイカー規制をしている。
手前の駐車場に停めたら、そこからはシャトルバスで向かう。
ここの駐車場からは、他に「銀泉台」に行くことができて、銀泉台~赤岳へと登山をすることができる。
実は前年、私の母と旅のパートナーのワタルさんの3人で銀泉台に挑戦していた。
母が「銀泉台、銀泉台」と何年も言い続けるので連れて行ってあげたのに、いざ登ってみると「ここじゃない!思っていたのと違う!」と。。
お気軽トレッキングのイメージだったのに、しっかり登山で心も体も疲弊した母は、途中でリタイアして引き返したのであった。(めでたし、めでたし。笑)
凄~く広大で素晴らしい景色だったのに、もったいない!
(この時の話は、いつか書くかもしれないし、書かないかもしれない。)
よくよく調べたら、母が行きたかったのは、銀泉台ではなくて「大雪高原沼巡り」の方だった。(銀泉台って言ったじゃん!!!)
という事で、今度は母と私の2人で再トライ。
ところで、私たちが訪れた日はマイカー規制の最終日で、翌日は規制が解除になる。
ヒグマ情報センターの隣にある「大雪高原山荘」に宿泊予定の私たち。
私 「今日、ここに車を止めてシャトルバスで宿に行ったらさ、明日はシャトルバスも出ないし、どうすればいいんだろ!?」
母 「宿泊者なんだから、このまま車で行っていいんじゃないの?」
私 「いやいや、ダメでしょ」
母 「ゲートの人に聞いてみましょう」
私 「交通整理の人が、宿泊者情報なんて持ってるわけないじゃん!」
そんな私の話を無視して、ゲートの警備員さん(?)に尋ねる母。
なんと、警備員さんは宿泊者名簿を持っていて、名前を伝えたらそのままマイカーで侵入してokだった。
なんと!
母 「あんたは、固定概念を捨てなさい」
私 「…(何も言えない)」
ヒグマ情報センターでのレクチャーと沼巡りルート
大雪高原沼巡りルートへは、ヒグマ情報センター内を通って裏口から入る。
その前に、情報センターの方からヒグマの状況や、コースの利用方法に関するレクチャーを受ける。
とりあえず、本日はヒグマの目撃情報はなさそう。
朝、ヒグマ情報センターの監視員が巡回してヒグマがいない事が確認されたら、入山可能になる。
入山可能時刻は、朝7時から!
遊歩道を使ってのお気軽トレッキングのはずだけれど、一緒にレクチャーを受けている方々は、しっかりとした登山装備に身を包んでいた。
トレッキングとはいえ、大雪山の山の中に入山するわけだからね。
油断は禁物!
そして、このコースのルール。
沼巡りルートはぐるっと時計回りに一周をする事もできるのだけれど、遊歩道が整備されているトレッキングルートは半周まで。
多くの人は、半周したら来た道をそのまま引き返す。
そのまま進む場合は、渡渉のある本格的な登山道に入る事になる。
この沼巡りには時間制限があって、まず全ての入山者は15時までにヒグマ情報センターまで戻って来なければならない。
それに間に合う様に、各地点での下山時刻も決まっていて、半周ルートの終着点「大学沼」は、13:30までに下山を開始しなければならない。
それ以外の地点の下山開始時刻、コース案内、各区間の所要時間などの詳細は、下記をご参照ください。
https://www.env.go.jp/park/daisetsu/data/files/daisetsu_numa_01.pdf
さて、レクチャーを受けたら、さっそくヒグマ情報センターの中へ。
こんなのに出会ったら…。
層雲峡の入り口にある最後のコンビニ
ちなみに、超余談だけど、ここに至るまでのルート上で最後のコンビニと言われていた「セイコーマート」で水や食料を調達するのが鉄板!(層雲峡の入り口にあって、ここを過ぎると何もない)
だったのだけれど…残念な事に、この翌年の2023年7月24日に人手不足の為に閉店してしまった。(スキーの高梨沙羅選手のご実家のご経営)
ここ以前のコンビニって、街とかになったちゃうのかな!?(←調べる気なし)
峠に入る前に調達すべし!
ヒグマ情報センターの前に自動販売機はあるけど、水やお茶やスポーツドリンクなどの登山に嬉しい飲み物は売り切れだった。(ジュースはある)
ヒグマ情報センターからの一周コース
8時20分、トレッキング開始!
入山前に、靴を洗う。
大雪山は、携帯トイレを積極的に推奨していたりと、環境保全を大切にしている。
青い空にそびえる真っ白な白樺の木がカッコいい。
入山から間もなく、既に紅葉の美しさが辺りを包んでいた。
入山から30分程で、川に差し掛かる。
温泉の、立派な噴火口が!
ここの噴火口を見下ろすスポットは、1週回って戻ってきた時に見る事ができる。
1週ではなく半周で引き返す場合は、ここから少し寄り道してもOK。
遊歩道が整備されている、沼巡りコース。
沼にたどり着かなくても、十分見ごたえのあるトレッキング道。
熊のうんちも、発見次第記録される!
もう無いけど…。
出発から1時間20分後の9時40分。
ようやく、1つ目の沼「土俵沼」に到着!
鏡張りの沼が美しい。
すもうの土俵に似ているから土俵沼と名付けられたらしい。
土俵沼から5分程で、「バショウ沼」。
1ヵ所目の土俵沼にたどり着くまでは遠かったけど、ここからはポンポンと沼が現れる。
数分で「滝見沼」。
そして、今までの素朴な沼とは異なり、大きな解放感のある沼にたどり着く。
紅葉の大変美しいスポット「緑沼」。
(…と書かれていたけれど、ほぼ緑やね。。笑)
この付近の森林は、アカエゾマツとダケカンバ。
標高1,300m~1,600mの間に分布する種類らしい。
沼巡りコースでは、食事ができるポイントは決められていて、ここ「緑沼」と、この先の「大学沼」「高原沼」の3ヵ所のみ。
私たちは、緑沼でランチタイム。
ランチタイムが終わったら、出発!
出発して間もなく、携帯トイレブース。
携帯トイレブースは限られているので、念のため済ませておく。
緑沼まではポンポンと沼を巡る事ができたけれど、緑沼から先は少し疲れる山道に入っていく。
煙の吹き上がる場所が出てきたら、すぐそこに「湯の沼」。
お湯が沸き出ているのだけれど、触っても熱くはない。
湯の沼から10分程で、「鴨沼」。
鴨沼から20分程で、2ヵ所目の携帯トイレブース。
そして、「エゾ沼」。
エゾ沼の横を通るトレッキング道。
静かだし、湖みたいで素敵な場所。
振り返ってエゾ沼。
エゾ沼いいなー。
好きだなー。
エゾ沼から間もなく、「式部沼」。
そして、2ヵ所目の食事スポット「大学沼」。
ここで、おやつ休憩。
大学沼は、沼巡りコースの折り返し地点。
多くの人が、ここを終点として引き返していく。
皆の会話を聞いていてもね、「この先は沢渡りが…」なんて不吉なセリフがあちらこちらでなされている。
ここまでは、グレード2「高原温泉の魅力に触れる初級~中級コース」。
ここからは、グレード3「険しく渡渉のある上級登山コース」。
上級登山コースとなっ!??
登山上級者でもなんでもない私たちだけれど、どこからそんな自信がくるのか…迷わず先へ進む。
登山者が急に減り、とても静かなトレッキング道となる。
大学沼出発から5分ちょっとで、「高原沼」。
…遊歩道どこ行った!???
なんだか本格的な登山道になってきたぞと思いながら、黙々と歩く。
実は先ほどの高原沼までは、大学沼から近い事もあって、そこまでは進む人がちらほらいたのだけれど、ここからは本当に誰もいなくなる。
10分程で、名もなき沼。
なんで名前載っていないんだ!?
普通に美しい場所だけど!?
ここから先、三笠新道。
白雲岳に通じているのだけれど、7月以降はくまの出没が頻繁なため立ち入り禁止。
さすが、熊の生息する土地、大雪山。
そして、最後の沼「空沼」。
沼巡り、これにて終了!!!!
ここから先は、沼巡りでも何でもない、ただの登山道。
遠くで煙がモクモクと。
生きているんだなー。
本格的な登山道とはいえ、ほぼ「下り」メインだからと高を括る。
これは登りだったら辛いなー。
川が出てきて、少し身構える。
沢渡りは、いつ出現するのか!?
なんかねー。
川は渡るんだけど、沢渡りはないみたい。
飛び石を使って歩けばいいの。
もう!みんな大袈裟なんだから!
…と思ったんだけど、母曰く「時期によっては川が増水して沢渡りになるのではないか」という事。
なるほど!
それは身に覚えがある。
6月に旭岳に登ったときなんて、沢渡りのオンパレードで、かなり肝を冷やしたのだ。
【大雪山系】旭岳|6月の旭岳温泉コースは雪原×雪解け水の渡渉で一苦労
雪解けの、氷の様な冷たさの水に足を入れた時の感覚は、未だに忘れない。
そんな話をしながら歩いていると、いつの間にか遊歩道になっていた。
スタートから30分後に通った川の噴火口を、上から見下ろすスポットに戻ってきた。
「のぞき地獄」。
そして、途中まで通った遊歩道に合流し、14時にゴール!
入山から5時間40分。
折り返しの大学沼を出発してからは、2時間30分。
充実したトレッキング旅だ。
この後は、お隣の大雪高原山荘に宿泊し、翌日は「緑岳」登山に挑戦するのだけれど、その話はまた次回。(いつになる事やら…。)
▼次回のおはなし▼
大雪高原山荘|1年で123日しか営業していない秘湯の宿!大雪高原沼巡り&緑岳
まだ子育てに手のかかる時期とは思いますが、お久しぶりの投稿はまた結構なボリュームで、エネルギーも凄いなと改めて感心しています。
海外旅行メインのブログの時は、比較的小柄なお嬢様キャラっぽいのを勝手にイメージしていたので、登山にもかなり真剣に取り組まれていることを改めて実感し、反省している次第です。
子供がもう少し大きくなるまでは過去記事中心かもと予想しておりますが、乳児料金は国際線は2歳まで、国内線は3歳まで無料のケースが多いことを利用した旅記事もそのうち出てくるかもと謎予想を置いておきます(笑)
NKさま
久しぶりの投稿にも関わらず、ご訪問頂きありがとうございます!
わたくし、確かに身長は低目ではありますが、お嬢様キャラではございません!なぜにその様な印象が…!?汗
登山は北海道に来て真面目に始めようと思っていましたが、結果としてこの旅が最後の登山となりました。あと数年はお休みです。
飛行機を使った旅行、いいですね!行きたいです!
ご期待(?)に添えるかは分かりませんが、ボチボチ道内旅行は再会していきたいなと思っております。
そういえばどうしてそういう印象がというのは、自分の妄想によるものが大きい気もします(汗)
キリマンジャロで食事が多すぎエピソードが強調されてたので、少なくとも大食漢ではないことが、小柄なイメージにつながったのはあるかもしれません。
あと特定のエピソードではないですが(読み返してみても思い出せなかった)全体的に活発ですが、イケイケ系のような感じは受けなかったので、良い育ちをされてきたのかなというのがお嬢様キャラ説の素のような気もします。
NKさま
文章から、そんな印象を受けて頂いていたんですね…!
過去の細かいエピソードまで記憶していただいていて、、恐縮でございます。
キリマンジャロのごはんは、一般的な日本人であれば男性でも多いと感じるのではと思う程の量だったんですよ!
私が極めて小食だったというわけではない…はず!
「全体的に活発だけどイケイケではない!」というのは当たっています。笑
でも残念ながら、お上品とかおしとやかとかではなく、育ちも良いわけではないです。(むしろ真逆)
ご期待に沿えず(?)申し訳ございません。