ポカラ(ネパール)-Pokhara-
ネパールが突然のロックダウンに入って数日間。
レストランが開いていないので、食事難民になりかける。
そんな中でも、食事を得る手段はあるもので…いろいろな方法で食事を得る日々を過ごす。
▼前回のお話し▼
ネパール、ロックダウン開始|ある日突然、街がシャッター街になる
牛に嫉妬するレベルの空腹状態を味わう
ネパールがロックダウンに入って3日目のお昼。
私はひとり、昼食を求めて街を彷徨っていた。
街は相変わらずのゴーストタウンで、人ひとり歩いていない。
大袈裟ではなく、まるで別世界に迷い込んでしまったかの様な気分になる。
そんな中、シャッターの奥から男性がひとり現れる。
その住人が、「牛」にビリヤニを与えていた。
牛も飢えていたのだろうか。
(通常時はどうしているんだろう??)
牛がむしゃむしゃとむさぼるビリヤニが、とても美味しそう。
ビリヤニ
インドと、その周辺国の国民食。スパイスとお肉の炊き込みご飯。
私は思わず、その牛に嫉妬してしまう。
牛に与える食料があるなら、私に恵んで欲しい…お金はあるから。
牛の食料を奪うほど切羽詰まってはいないけれど、そうなるのも時間の問題かもしれない。
最近読んでいる漫画が『7SEEDS(セブンシーズ)』やら『漂流教室』だったりするので、思考回路がそんな感じになっている。
もしかしたら、宿泊中のペンギンゲストハウスのメンバーの中でも、このままだと奪い合いが発生する事態になるのか!?
…なんて考えてしまったり。(←そんな事はあり得ません。)
これらは、思いがけず文明社会から切り離されて、少ない食料を工夫して使ったり育てたりしながら生き延びるおはなし。
しかもこの物語の中でも伝染病が流行ったりするので、いま読むとかなりリアリティがある。
無料でお弁当を配ってくれるレストラン|ムーンダンス
そんな状況の中、なんと無料でお弁当を配ってくれるレストランがあるという情報を得る。
ムーンダンス(MOON DANCE)というレストランだ。
お店の入り口で手の洗浄と消毒を済ませると、店頭にいる店員さんがお弁当を手渡してくれる。
こんなにありがたい事があるなんて!
これは政府の方針で、お店が政府に依頼されて提供してくれているのかな?
…と思って聞いてみたら、これはお店の善意でのものらしい。
今はみんなが大変で、営業中止で経営も苦しい中で、そんなボランティア精神を積極的に発揮してくれる事があり得るのか。
この御恩は、一生忘れません!
ロックダウンが開けたら、お礼に食べに行こう。
…と思ったものの、帰国直前に再びロックダウンが再開された事もあって、行くタイミングを作れなかった。(あんなに暇だったのに!?)
というのは言い訳です。ゴメンナサイ。
次回ネパール訪問時は必ず!!!
闇営業(?)のお店でこっそりと食事
ロックダウンでメイン通りのシャッターは全て閉まっているものの、路地に入れば食べ物を提供してくれるお店を見つける事ができる。
だけどそれも、堂々と営業をしているわけではない。
屈めば辛うじて中が覗き込める程度にシャッターを開けているお店に聞いてみたり、完全にシャッターが閉まっていても店主が通りがかって開けてくれたりと、こっそり中に入れてもらって食べる感じ。
当然、中に入った途端に再びシャッターは閉ざされる。
出入りのときだけ、開けてくれるのだ。
たぶん、これは違反なんだけどね。
だけど私たちは食事を取りたいし、彼等も少しでも収入が欲しいから、利害が一致しているのだ。