-Pietermaritzburg to Johannesburg-
昨日レソトから南アフリカ共和国に戻って来た私たち。
今日は、アフリカ大陸の中でも屈指の治安の悪さを誇るヨハネスブルグへ移動する。
「世界最恐都市」とも言われていて、インターネット上には数々の都市伝説が列挙されている。
例えば、ヨハネスブルグで強盗に遭う確率は150%なんだって!
150%というのは、1度強盗に遭った人の半数が、再び強盗に遭うからなのだとか。
本当かな…??
他にも数々の逸話があるものの、真偽のほどは確かではないので、ここでは省略。
▼前回のお話し▼
【陸路国境越え】大絶景のドランケンスバーグ山脈!サニ・パスを越えて(レソト→南アフリカ)
ピーターマリッツバーグからヨハネスブルグへ|インターケープ社の長距離バス
何故そんな恐ろしいヨハネスブルグへ行くかというと、明日ヨハネスブルグから出発するフライトに乗る必要があるから。
レソトを西から東に抜ける行程の中で、再びケープタウンに戻るのでは効率が悪い。
それに、どこへ行くにも、何故かケープタウンよりもヨハネスブルグから出ているフライトの方が安いのだ。
同じくレソト周辺の町からヨハネスブルグへ行った旅行者のブログなどを見ると、長距離バスを降りてから次の目的地までの乗り換えのわずかな時間が怖い…などという印象を受ける。
「インターケープ社のバスは比較的安全な鉄道駅の敷地内に停まるから安心」と知人に教えてもらったので、インターケープ社の長距離バスで向かう事にした。
そのまま、お金のある人しか乗らない地下鉄に乗って、近くの比較的治安のよいエリアや空港まで、1度も外に出ずに移動できるのだとか。
私たちは、ヨハネスブルグ市内にある宿を予約しているのだけれどね。。
インターケープ社のバスは1日に複数便運航されていて、いつもの通り夜行バスもある。
私たちは、あさ9:40発-16:35着のバスを予約。
所要時間が約7時間という中途半端な距離。
夜行バスだと、夜に乗って朝に着く。
治安の悪いヨハネスブルグには、朝にも夜にも着きたくない。
かといって、ピーターマリッツバーグを早朝や夜に発つのも避けたい。
…という事で、この朝発-夕刻着の時間を選択。
運賃は120ランド(約900円)。
運行スケジュールや運賃は、インターケープ社HPにて確認
https://www.intercape.co.za/
出発の30分前までにオフィスに行き、チケットと荷物タグを受け取る。
今回はスリープライナーではないからか、席が自由席だった。
2階席は満席、1階席も窓側は全て満席だったので、1階席の通路側を確保。
バスは、南アフリカの広大な大地を走る。
「あぁ、これで3ヵ月間を過ごしたアフリカ大陸の旅も終わりかー」と感慨にふけたりなどしたいのだけど、通路側ではそんな気持ちも半減だ。
バスは、17:20にヨハネスブルグに到着した。
予定より、45分遅い到着だ。
ヨハネスブルグで感じた治安|地元民が歩いていない町
着いたところは駅になっていて、バスを降りたらすぐに建物の中に入る事ができる。
情報によると、ここの2階から出ている地下鉄(2階なのに地下鉄?)は裕福な人しか乗らないので、安全に近隣の町や空港までも行けるらしい。
ちなみに、この地下鉄で行けるローズバンク(Rosebank)やサントン(Sandton)という町が、治安が良いエリアらしい。
富裕層が中心に暮らしている町なんだって。
ローズバンクやサントンに宿泊して、観光バスで車内からヨハネスブルグを見学するのが、安全にこのエリアを楽しむ方法。
私たちはスケジュールの関係で明日には出国をしなければならないので、本日は宿泊のみだけれど。
このバス乗り場直結の建物には、いくつかお店も入っている。
バーガーキングでハンバーガーを食べる。
32ポンド(約240円)。
ウーバーを呼ぶべく、建物の外に出てみる。
そこは、意外にも人々が普通に過ごしている一見平和に見える場所だった。
もっと、1歩でも外に出れば命が危険にさらされる、恐ろしい場所なのかと思っていたよ。
油断は禁物だけれど、駅の入り口からウーバー乗車までの区間を歩く程度だったら、命の危険はなさそうだ。
ウーバーに乗って宿を目指す。
車通りはそこそこあるものの、人がほとんど歩いていない。
こんな夕方のいい時間帯なのに…地元民が誰も出歩かない町。
ここは、南アフリカ共和国で最大の人口を誇る町なんだよ!?
そんな巨大な大都市で、夕方に人の気配が全くないというのは、どう考えても異常だ。
海外でその街の治安を計るときは、「地元の人々が出歩いているか」が1つの目安となる。
例えばエジプトのカイロでは、夜でも賑やかで人通りも多かったから、日没後も安心して外出ができた。(深夜は知らないけど)
同じ南アフリカでも、ケープタウンはダウンタウンでも夜は賑やかだった。
治安が悪いと言われているエリアだったけれど、その代わりに警備員がたくさんいて一晩中見守ってくれているし、飲みに出る人が多くて人目があるから、逆に安心と言う人もいる。
そう考えると、このヨハネスブルグという都市は、やはり噂通りに大変治安の悪い都市なのだろう。
宿に着き、屋上や部屋のバルコニーから「高みの見物」をする。
こうやって眺める分には楽しいんだけどな…絶対に外には出たくない。
…と思いつつ、ちょっと勇気を出してお酒を買いに出る事にした。
宿のスタッフに「お酒を買いに行きたい」と伝えると、「2軒となりのバーで買える」と教えてくれた。
そして、わざわざ付き添ってくれた。
2軒となりの建物に行くだけなのに付き添いだなんて…やはり、よほど治安が悪いのだろう。
実際に恐怖体験をしたわけではないのに「治安が悪い」と言ってしまうのも如何なものかと思うのだけれど、油断禁物の都市であるという事だけは、旅人の第六感として断言できる。
アフリカ大陸縦断記・完
さて、こんな終わり方になってしまったけれど、南アフリカ共和国の旅はこれで終わり。
と同時に、3ヵ月に及ぶアフリカ大陸縦断の旅も、これにて終了。
長かったような、短かったような。
コロナウイルスの大流行という、前代未聞の予想外の出来事が起こってしまったけれど、旅が途中で中断にならずに済んだのも不幸中の幸い。
女一人旅で紆余曲折をしながら、アラビア世界の「北アフリカ」と、ザ・アフリカンな世界の「東アフリカ」を旅した。
途中で、癖の強すぎるロシア人のおじさんと、その癖を全く気にしない飄々(ひょうひょう)としたタイプの日本人青年と出会い、「南部アフリカ」で3人旅をした。
日本から遠く離れたアフリカ大陸を、エジプトから南アフリカまで陸路で縦断をした。
その事は、人に誇れるものでも武勇伝でも何でもなくて、今後の人生で「対外的には」何の意味も成さない。
いやむしろ、「変な女」と思われて、マイナスの影響がある可能性の方が高い。
旅に出なければ代わりに得たであろうものもきっとあって、旅に出なければ失わなかっただろうものも確かにある。
いつか、人生がうまくいかなくなったときに、「あのとき旅にさえ出なければ」と旅に責任転嫁するかもしれない。
それでも、やっぱり旅に出てよかった。
そう思いながらニッコリ笑って死ねる様に、これからの人生をどう生きるか。
この旅が良かったのか悪かったのか、それは今後のわたし次第。
…と総括などしてみたけれど、アフリカを出ても「旅」はまだ少し続く。
それも、日本出国時には、全く予想もしていなかった形で。
ただ旅に出ただけなのに、まさか「海外で帰国難民生活」を送る事になるとはね。
人生、何があるかわからない。
アフリカ縦断の旅楽しく読ませて頂きました。
ヨハネスバーグまでどんなふうに旅したのか気になっていました。
これでいくとホーリー祭に行ったのでしょうね。
でもインドのロックダウンには巻き込まれず良かったです。
インドよりネパールの方がいごごちが良さげなので。(笑)
sakaeさま
ありがとうございます!
インドのロックダウンには巻き込まれたなくて良かったです。
仰る通り、ネパールはとても居心地がいいです。
他の国で帰国難民になる事に比べれば、かなり恵まれているのでは?という気持ちで過ごしています。
そんな生活もそろそろ終わりそうですが…。
縦断の旅、長い間読んで頂きありがとうございました!
アフリカ大陸縦断記、お疲れさまでした。
実は自分が読み始めたのは途中からでしたが、興味惹かれて、
最初のほうに戻ったり他の旅行記のほうも読ませていただきました。
客観的な情報だけではなく、その場の心の揺らぎのような部分の記述もあるのが、個人的にはかなりリアリティを感じられてよかったと思います。
その後の部分なども、もしお時間があるようでしたら楽しみにしています!
NKさま
ありがとうございます!
他の記事も色々読んで頂いていたんですね。
感情丸出しで恥ずかしい面もありますが…そう言って頂けると照れますが、大変嬉しいです。
ありがとうございます。
またお時間ありましたら読んで頂けたら嬉しいです。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします!