ー世界はきっと、美しいー
札幌近郊の山

北海道で山オンナデビュー!旅に出れないので、その情熱を山へ向けてみる

旅に出れずにあり余っているこのエネルギーを、山に使おう。

せっかく北海道にいるのだから、(そしていつまでもいられるとは限らないのだから、)北海道の山を満喫しよう。

去年、ネパールでのロックダウン中に決めた、「死ぬまでにしたい100の事リスト」の23番は、「趣味は登山です」と言えるレベルになりたい、だったり。

人生で死ぬまでにしたい100のことリスト(前編)バックパッカー編

とにかく今年は、今までの様に「年に2~3回程度」とか、「旅に出た時のみ体験するミーハー登山(富士山とかヒマラヤとかキリマンジャロとか)」を脱するには絶好の条件が揃っているのだ。

遅ればせながら、山ガール山オンナ(?)デビューです!

北海道の山は、本州の山にはない独特の難しさがあるらしい

北海道の最高峰は、大雪山・旭岳で、標高は2,291m。

標高だけで見ると大したことはなさそうだけど、ここは北国北海道。

北海道の山は、1000m足した本州の山と同様の気候らしい。

北海道の2,000m峰は、本州でいうところの3,000m峰と同等の気候という事。

(本州の山って一括りで言っているけど、本州のどこが基準なんだろうね。広すぎる…)

そんな北海道での登山。

本州の山の感覚で訪れると、後悔する事に…。

北海道の山には山小屋がない

本州だと、日帰り可能なレベルの山であっても、山小屋があちこちにある。

宿泊可能だったり、宿泊はできずとも食事ができたり、水や軽食を購入できたり。

最低限の荷物で出発しても、要所要所にある山小屋までたどり着ければ何とかなったりする。

だけど、北海道の山には、そんな有人の山小屋がないらしい。

あるのは「避難小屋」という、文字通り緊急時に避難する為の掘立小屋。

もちろん、管理人などいない。

最低限、雨風だけは凌げるよ!というもので、それを当てにして登るものではない。

泊まりの場合は、基本的にはキャンプ。

日数分全ての食料やキャンプ道具を背負って登るのだ。

なので、北海道では本州とは違って、「水場」の情報が重要になる。

自然界の水場から、自分で水を入手しなければならない。

しかも、北海道の水は生では飲めない

北海道の川には、キツネが持つエキノコクスという細菌が混ざっている可能性が高いから。

だから、煮沸ろ過をして飲むのだ。

日帰りならなんとかなるとしても、1泊以上するなら、キャンプのスキルが必須になる。

そんなのした事ない!

1泊以上の登山は、私にはまだまだ先の事になりそうだ。。

(だけどこれを乗り越えれば、アコンカグアにも登れるね!)

北海道の山には、トイレがない!

山小屋と同じく、トイレもないらしい。

登山口にはあるかもしれないけど。

ではどうするのかというと、青空トイレになる。

だけど、その青空トイレによって、使い終わったトイレットペーパーや排泄物で山が汚れているのが問題になっているらしい。

その為、「携帯トイレ」がマナーなのだとか。

(これも、アコンカグアと一緒だね!)

たまにバイオトイレがあるらしいのだけど、供給が追い付かず、糞尿が溢れかえっている悲惨な状況なのだとか…。

トイレはなくとも、「携帯トイレブース」という見慣れないものが存在する。

携帯トイレを使うためのブース。

便座があって、その下に自分で持ってきた携帯トイレを置いて済ませるのだ。

そして、登山口には「携帯トイレ回収ボックス」という親切なボックスがある場合もあるらしい。

どれも、本州ではあまり馴染みの無い物だ。

そんなもの、使った事ない…でも北海道の山オンナを目指すなら、乗り越えなければいけない壁だ。

北海道の山はアクセスが悪い!

公共交通機関がなくて、マイカーかタクシーに頼らなければならない山も結構あるんだって。

自然界にお邪魔しに行く意識が高まりそう。

北海道の山にはヒグマがいる!

本州の山にいるのは、ツキノワグマ

ツキノワグマは、北海道には生息していない。

北海道の山にいるのは、ヒグマ

ヒグマは逆に、本州には生息していない。

先日、北海道登山の第一弾として、標高300m程度の低山に行ってきたのだけれど、そのレベルの山でさえ「クマよけの鈴」を鳴らしながら歩いている人が半数以上いて驚いた。

どうやらクマ対策をしながら入山するのが、この地では常識の様だ。

ヒグマは人を食べないし、木の実などを食べて生活をしている。

ヒグマも人が怖いので、自分の存在をヒグマに知らせながら「出会わない」様に歩くのが最も大切。

あとは、人間のザックには食料が入っている!とヒグマに学習させない対策が必要。

キャンプ地でテントの中に食料を置くのも危険なので、食べ物を仕舞うための「フードボックス」というボックスがあるキャンプ地もあるのだとか。

北海道の山…私には難易度が高そうだ。

北海道の山の標識は親切ではない!

〇〇はこっちですよ!

〇〇まではあと何メートルですよ!

そんな標識が、北海道の山にはほとんどないらしい。

本州だと、分岐には必ずと言っていいほどあるのに。。(←あくまでも私が体験した山に限るけれど)

確かに、先日訪れた標高300m程度の低山でさえ、標識が無くて困る場面が多々あった。

オンラインアプリを入れていたおかげで、迷わなかった様なものだ。

地図を読む能力も、鍛えて行かないと…。

北海道の山には、人がほとんどいない!

北海道では、有名な山のベストシーズンでさえ、ほとんど人とすれ違わないんだって。

それは、危険な面でもあるけれど。

人に出会わない、静かに山を感じる山行ができるのは、むしろ魅力的とも言える。

北海道の山選び|〇〇名山

北海道で山を始める!

とは言っても、どう選べばいいものか。

九州と四国を足したのと同じくらいの大きさの北海道。

素敵な山も無数にある事だと思う。

そんな時は、人様にお勧めされた山から始めよう。

うん、そうしよう。

日本百名山|北海道の9座

有名な日本百名山

これは、深田久弥という小説家により書かれた本のタイトル。

彼が、選んだ百名山のうちの9座が、北海道にある。

これは是非目指そう!

  1. 利尻山(1,719m)
  2. 羅臼岳(1,660m)
  3. 斜里岳(1,547m)
  4. 阿寒岳(1,499m)
  5. 大雪山・旭岳(2,291m)
  6. トムラウシ(2,141m)
  7. 十勝岳(2,077m)
  8. 幌尻岳(2,053m)
  9. 羊蹄山(1,898m)

百名山以外の名山50|北海道

「ただ私はそれらの山を眺めただけで、実際に登っていないという不公平な理由で除外したことは、それらの山に対して甚だ申し訳ない」

深田久弥さんは、日本百名山のあとがきで、入れたかったが未踏の為に割愛した山が少なからずあると心残りを記していた。

その後、50名山の紀行を、百名山以外の名山50として出版。

なんと、その50の内の11座が北海道!

(割合多くない…!?)

という事で、これもぜひ紀行文を読んでから訪れてみたい。

  1. 礼文岳
  2. ピヤシリ岳
  3. 音更山
  4. 石狩岳
  5. ニペソツ山
  6. 暑寒別岳
  7. 芦別岳
  8. ニセコアンヌプリ
  9. チセヌプリ
  10. 駒ヶ岳
  11. 大千軒岳

日本二百名山、日本三百名山

日本山岳会が、深田久弥さんの日本百名山に、200座を加えたのが日本三百名山

深田クラブが、深田久弥さんの日本百名山に、「日本三百名山の中から100座を選んで加える」という方針で選定したのが、日本二百名山。

(日本二百名山は、99座を選んだ上で、三百名山以外から荒沢岳1座を入れて完成。)

そんなのもあるのね。

北海道には、日本二百名山が9座(百名山を除く)。

日本三百名山が7座(二百名山を除く)。

新版 北海道百名山、北海道の百名山

北海道の百名山なるものもあるらしい。

新版 北海道百名山は、山と渓谷社の選定。

北海道の百名山は、北海道新聞社の選定。

82座が重複しているので、2つ合わせると118座が選ばれている事になる。

札幌の50峰

札幌50峰は、札幌文庫48「札幌の山々」にて紹介された山のリスト。

気軽に登れる低山なんかも多数含まれているし、全て札幌の山なので、ここから選ばせてもらう事が多くなりそう!

〇〇名山について

特に日本百名山を目指す人に対して、「他人が選んだ100座を目指して何がいいんだ」と批判する人が少なからずいるけれど。

私は、入り口としてはいいと思う。

むしろ、初心者なので何を選んでいいかもわからないし、「オススメ」ならばぜひ登ってみたい。

そして、北海道だけでもこれだけの名山が紹介されているので、しばらくは山選びに困る事はなさそうだ!

さて、北海道にいる間に、どれだけ訪れる事ができるだろう。

登山素人な私の登山歴

山は好きだし、機会があれば喜んで登る。

だけど、「登山が趣味」と言えるレベルではないし、完全なる素人。

そんな私の、ささやかな登山歴。

初めての登山|弥山

10年程前のこと。

広島・島根へ2泊3日の旅に出た。

それが、私の初めてのひとり旅。

バックパッカーならぬ、リュックサッカー旅。

広島の厳島神社がある宮島に、弥山という山がある。

ロープウェイで途中まで登って、そこから興味本位で頂上まで登ってみた。

1人で慣れない山道をゼイゼイ言いながら登った先に見た光景が、今でも忘れられない程に美しかった。

丁度夕暮れ時。

瀬戸内海に浮かぶ島々が、夕暮れの太陽に照らされて浮かび上がる情景が、本当に美しくて、涙を流しながら眺めた。

山に対する憧れの様なものが芽生えた瞬間。

東京近郊の低山

それ以来、年2~3回程度、それもお手軽な低山だけれど、山に行く様になった。

高尾山とか、丹沢山地とか。

たまに日帰りの縦走もしてみたり。

富士山

2014年に富士登山に挑戦して、高山病で見事に玉砕!

翌年にリベンジで登頂。

結局山頂で高山病を発症して、お鉢巡りは出来なかったけど。

この2度の高山病発症の経験があったからこそ、後に挑戦するヒマラヤトレッキングやキリマンジャロ登山を完遂できたのだと思う。

富士登山|記事一覧

ヒマラヤトレッキング

初めてのバックパッカー旅の時に、ヒマラヤトレッキングに挑戦。

エベレストベースキャンプや、エベレストを臨めるポイント(カラ・パタール、ゴーキョ・ピーク)を巡る24日間の行程。

最高到達地点は、5,550m。

だけど要所要所にロッジがあって、毎日個室に宿泊。

食事も出してもらえるので、登山技術は不要。

ヒマラヤトレッキング|記事一覧

この山旅は、私にとってはとても大きな意味を持つ経験だった。

「私のアナザースカイは、ヒマラヤ山脈!」と言っても過言ではないほどに。

キリマンジャロ登山

2度目のバックパッカー旅でアフリカ大陸を縦断した際に、タンザニアでキリマンジャロ登山に挑戦。

キリマンジャロは、アフリカ大陸最高峰で、山脈に属さない「独立峰」としては世界最高峰。

標高は、5,895m。

現時点での、私の人生の最高到達地点

毎日テント泊だったのだけれど、全てポーターたちが設営してくれて、食事も出してくれた。

至れり尽くせりで、こちらも登山技術は不要。

タンザニア登山|記事一覧

まとめ|北海道で山オンナデビュー

旅の代わりに山へ…なんて言うと、山に失礼なのかな?

だけど、旅行と山行って、どこか似ている気がする。

どこへ行こうかって考えて、どのルートで巡ろうかって計画を立てて。

考えている時間が、実は一番楽しかったり。

当日はトラブルだらけだけれど、それを克服することで、少しだけ強くなれた気がしたり。

知らない土地を1歩踏む度に、自分の中の世界が変わる気がしたり。

山へ出かける事は、新たな旅に出かける事の様に思える。

…なんて、素人の私が行っても薄っぺらい!

POSTED COMMENT

  1. NK より:

    次の計画に向けて着々といろいろ練られてるようで素晴らしいです。
    自分はこの1年での唯一の県外旅行が、
    隣県との境界にある山の登山口付近へのドライブです
    (たぶん隣の県には20mぐらいしか入ってないし、山にも登ってない・・・)

    ところで、旅行計画をいろいろ考えた中での質問ですが、
    ユナイテッド航空のマイルで発券する場合は、日本国内線で24時間以内の
    乗り継ぎを含む旅程も同マイルで行けるので、北海道に行ったことがない
    自分としては、無駄に千歳で乗り継ぐ旅程も考えてるのですが、
    例えば千歳15時間ぐらいの滞在(一泊)の場合、どういうものが
    おすすめですか?

    メインの目的地が北海道のケース等まだいろいろ可能性を考えてるだけの段階で
    実際にはコロナの状況的に実現しない可能性もかなりありますが、
    ハードな旅行にも詳しそうなちせ様のご意見など可能であれば聞いてみたいです。

    • tabi-kurage より:

      NKさま

      また読んで頂けたなんて嬉しいです、ありがとうございます!

      県外へ行くのも大変な世の中ですよね。
      アフリカでコロナのニュースを知った時は、まさかこんなに長引くとは思わなかったです。

      そして、北海道歴6ヵ月(ネパール帰国難民歴と一緒!笑)の私に、そんな質問をされますか?笑
      しかし、絶対に私より相応しい人がいると思いつつ、私なりに考えてみました。

      15時間のうち、観光に使える時間がどれくらいかにもよると思いますが、時間の融通が利くのは、JRで「札幌市内」まで行くプランかと思います。
      「札幌駅」までは、片道40分程度です。

      ただ、「ぜひ行って欲しい!」と強くお勧めできるスポットを、私はまだ知りません。苦笑

      新千歳空港から、札幌を通り越して「小樽」まではJRで片道1時間30分程です。

      小樽運河沿いのレンガ倉庫街が美しいです。

      …が、じっくりと見て回る時間がなければ、駆け足になってしまうかもです。結構広いので。

      もしも時間とお気持ちがあれば、レンタカーを借りられるのは如何でしょう?

      新千歳空港から約100km、1時間半ほどで、「地球岬」という岬に行けます。

      地球の丸さを実感できる美しいところの様で、私はまだ行ったことがないのですが、ぜひ行きたいスポットの1つです。

      岬での滞在時間自体はそんなに長くないでしょうし、往復する時間+αくらい確保できれば!

      「地球岬」について検索してみて知ったのですが、「室蘭八景」というものがあるそうです。(地球岬は室蘭市です)

      時間が余れば、2つ、3つと巡ってみるのも楽しそうです。

      もしくは、新千歳空港と室蘭市の間に「登別市」があるので、戻りがてら立ち寄るのもいいかもです。

      1万年前の噴火でできた爆裂火口跡の「地獄谷」(未だに噴煙や硫黄臭あり)、日本では珍しい9種類もの泉質を持つ「登別温泉」、約70頭のヒグマがいる「クマ牧場」なんかが良さそうです。

      もっと近場であれば、「支笏湖」が車で約40分です。

      周囲を山に囲まれた、日本最北の不凍湖です。

      水質検査で何度も1位に選ばれたほどの透明度らしいです。

      立ち寄れるスポットは1つ2つでも、「北海道でドライブをする」という事自体が、素敵な経験かと思います!

      なんだかブログ記事並みに長文になってしまいました。苦笑

      しかも、もうとっくにご存知の情報の可能性も…汗

      北海道マイスターになるべく、精進して参ります。

  2. NK より:

    軽い気持ちで質問したら予想をはるかに上回る情報を含む回答いただき
    恐縮しております。
    自分と比べると視点の取り方が豊富で、北海道の知識のみならず、旅に対する
    感性の豊かさを感じるとともに大変参考になりました。

    確かにレンタカーというのはポイントになるかもですね。ずぼらな自分は
    あまり考えていなかったのでご紹介いただいたころの情報を自分なりに
    考えてみます。非常に参考になりました。

    自分が考えてたのは、とりあえず札幌に行くのかな?それとも千歳で近くだと
    何があるんだろ?近くに知り合いが行ってた大学があるので寄ってみようかな
    ぐらいでした。

    • tabi-kurage より:

      NKさま

      いつも色々と教えてくださり知見の広い方と存じますので、こちらも期待を裏切らない様にと張り切ってしまいました…笑

      札幌だと気軽に行けますし、「どこからでも山が見えるなー」とか「道路が広いなー(路地レベルでも広いです)」とか「思っていたより栄えているなー」とか、そういった風土の様なものを感じながら街歩きをするのも、気軽でのんびりとしたショートステイとなっていいかもしれませんね。

      もしも夜までいらっしゃるなら、札幌市内にある「藻岩山」は新・日本三大夜景に選ばれた素晴らしい景観らしいです!(現在ロープウェイは運休中ですが)

      トランジットとはいえ、初の北海道を楽しんで頂ければ嬉しいです★

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