まだまだ山には雪が残っている5月の北海道。
今回は、小樽にある人気の低山「塩谷丸山(しおやまるやま)」へ!
JR駅からも徒歩20分程で、山頂までの標準コースタイムも約1時間40分と、気軽にさくっと登れるお山。
同じ低山でも、今年4月に登ったスリリングな「八剣山(はっけんざん)」や、ひたすら急登の「硬石山(かたいしやま)」とは大違い。
札幌駅から、最寄りの塩谷駅までのJR|ICカードが使えない!?
塩谷丸山の最寄り駅は「JR塩谷駅」。
札幌からJRに乗って1本!簡単簡単♡
…なんて思っていたら、北海道の洗礼を受ける事に。
JR札幌駅から、小樽方面行きのJRにICカード(PASUMO)で乗車。
北海道のローカルICカードは2種。
- SAPICA(さぴか)→地下鉄専用。JRでは使えない。
- KITACA(きたか)→JR発行。地下鉄でも使えるが、地下鉄路線の定期券は作れない。
という…なんとも汎用性の低いカードなので、私は未だにPASUMO愛用中。
ところが、小樽駅から乗り換えたJR車
内で、「ICカードは小樽から先は使えません」とのアナウンスが流れるではないか!
目的の塩谷駅は、小樽駅からわずか1駅。
こんな知名度の高い小樽の1つ隣が、もうICカード圏外とは思いもよらなかった。
ちなみに、札幌→小樽は35分、小樽→塩谷は10分。
北海道、札幌からちょっと離れるだけで、こんなにも違うのか…。
いかに経済やインフラが札幌に集中しているのかが分かる。
この電車は、車掌さんに直接切符を手渡すスタイルらしい。
私はおずおずと「現金でもいいですか?」と尋ねる。
すると事情を理解してくれて、「札幌駅から乗車、塩谷駅で下車」の証明書を作ってくれた。
これを、札幌駅で見せればいい(札幌駅で往復分精算)という事で、無賃で下車。
なんとかなったけど、手間を掛けさせてしまった。
今後は、ICカード圏をしっかり確認してから出かけなくちゃ。
レトロな無人駅「塩谷駅」
お隣の小樽は観光客いっぱいで賑やかだというのに、ここ塩谷駅は素朴な無人駅。
トイレをお借りして、線路を眺めながらおにぎりを食べる。
のどかだ~。
塩谷駅から塩谷丸山の登山口へ|路上駐車にご注意を
塩谷駅から塩谷丸山の登山口(JR塩谷駅コース)までは、徒歩約20分。
登山口付近の細い道には、路上駐車の車が何台も停まっていた。
これ、結構この地域で問題になっているみたい。
人気の山ゆえに、週末になると路上駐車の車も多く、「週末は住民が車で出かけられない」という事態にまでなっているらしい。
並列駐車の車が邪魔になって、民家から車を出すためのスペースが確保できないんだって。
一応駐車場らしきスペースはあるものの、そこに入れずあぶれた車は路上に停まる。
近隣住民に迷惑をかけてまで行う登山って何!??
…と切実に思うので、どうかやめてあげて欲しい。
JR駅からのアクセスも良いのだから、公共交通機関で来るか、それが無理なら駐車場を確保できるくらい早起きしてくるべし。。
下山後、再びここを通ったら、朝の時点よりももっと多くの車が停まっていたけれど、全台見事に「赤い違反切符」が貼られていた。
地域問題になりすぎて、警察がパトロールする様になったのかな。
マナー違反の代償は大きいという教訓やね。
塩谷丸山定番コース|JR塩谷駅コース
塩谷丸山の定番コース、JR塩谷駅コースから山頂を目指す。
登山客に声をかけて、リーフレットを配りながら説明をしている男性がいた。
私も声をかけられる。
塩谷丸山の山頂に風力発電を建てる計画があって、それに反対する為の案内分(リーフレット)と、WEBからの署名のお願いみたいだ。
市民に愛される美しい山の景観が損なわれるのと、その工事により土砂災害の恐れがあるとの事。
その意見も凄く共感できるし、だけど風力発電への取り組みの大切さもわかる。
難しい問題だ。
…と思ったけど、偶然この記事を見て感じ方が変わった。
▶経産省 電力を北海道から首都圏へ 日本海に海底送電線を整備
火力発電や原子力発電などから置き換える為の再生可能エネルギーなら大切な取り組みかなと思ったけど、首都圏のエネルギー不足を補うために北海道の土地が利用されるのは腑に落ちないなー。
それよりも、省エネや人口過密の解消に力を入れる方が大切なんじゃないかと思う。完全なる素人目線だけれども。
気を取り直して、出発。
駐車スペースからの道を少し行くと、登山道。
登山ポストもある。
10:50、出発!(←遅っ)
4月の山は未だ茶色い世界だったのに、5月下旬にもなれば美しい新緑の世界になるのか。
珍しく天気もいいし、道のりも穏やかだし、気分のいい森林浴。
…なんて思って油断していたら、まぁまぁな坂道。
それも、季節と天気がいいのが災いして、暑くて汗はダラダラだし、コバエが体中に纏わりつくし、結構辛い。
こんな初心者向けの簡単な山なのに、疲労感を激しく感じて「今日はもう引き返したい」という衝動に何度も駆られる。
別に何かの記録を狙っているわけでも、誰かに誇りたいわけでもない。
ただの趣味なのだから、辛く苦しい気持ちに耐えてまで続ける必要性なんて無いんじゃない??
…なんて真剣に考えていたら、樹林帯を抜けて開けた土地に出た。
次の登り坂の麓まで歩き、岩場に座っておにぎり休憩。
こんな簡単な山でバテるなんて、もしかして「シャリバテ」では?と少し思って。(たぶん違うと思うけど)
シャリバテ…シャリ(炭水化物)不足の状態で激しい運動をする事により、血糖値が下がり、動けなくなる(バテる)事。ハンガーノックとも言う。
そして少し元気になって先に進む。
あの岩の上が目指す山頂!
ロッククライミングも出来るらしく、写真では分からないけど、あの岩壁を上っている人がいた。
凄いな、テクテク登山道で弱音を吐いている場合じゃない。
振り替えると、美しい眺望。
おぉ~!
これは…晴れていれば美しい青のコントラストが望めるのでは!?
晴れていると思っていたのに、いつのまにかモヤが掛かっている…残念。。
しかし気分が上がって来たので、頑張ってラストスパート。
12:40、塩谷丸山に登頂!
ここからは、360度の景観が望める。
…はずなんだけど、霧の中にぼんやり見えるだけ。
う~ん、残念。
少し先に、見晴台があるので行ってみる。
ここは、先程のロッククライミングの岩の上。
風が強すぎて長居は出来ない。
ランチ休憩を取っている人も、僅かな岩陰にちらほらいる程度。
その僅かな岩陰は定員オーバーなので、私はランチを諦める。涙
ここからは、「天狗山」「遠藤山」への縦走路も伸びている。
いつか行ってみたいなー。
そして、帰りは同じ道をとんぼ返り。
登り:1時間50分
下り:1時間
まぁまぁコースタイム通りかな。
塩谷丸山は、難しい道のりもなく気軽に登れる低山なのに、晴れていれば絶景を見る事ができる素晴らしい山。
人気の理由が分かるな~。
また晴れている時に再訪しよう。