札幌で、ゴールデンウィークの低山登山!
今回は、焼山(西岡)~白旗山へ縦走。
クマが冬眠から覚めてくるこの季節。
人生で、こんなにクマを意識したのは、生まれて初めてかもしれない。
もくじ
西岡公園|出発地点(アクセス)とルート
■地下鉄南北線「澄川」から中央バス(澄73)で「西岡水源地」下車、徒歩1分
■地下鉄東豊線「月寒中央」から、中央バス(月82)で「西岡4条14丁目」下車、徒歩15分
出発地点は、西岡公園。
ここから「焼山~白旗山」と縦走して、「札幌ふれあいの森」へ降りるルート。
澄川駅から西岡水源地へは、バスで約15分。
西岡公園へは、徒歩約1分。
焼山~白旗山へ縦走
西岡公園管理事務所からスタートして、水源地の北西側を通って登山道に入っていく計画。
西岡公園からスタート!
11:15。
管理事務所でトイレを済ませて、出発!
この日は朝からどんより曇り空で、天気が好転するのを待っていたら遅くなってしまった。
夕方までに下山できるだろうか…。
最初は西岡公園の散策路になるので、舗装された遊歩道。
水源地沿いに登山道を目指す。
晴れた日は、水源地の向こう側に恵庭岳が見えるんだって!
晴れていないので、もちろん見えない。
晴れていれば、この水源地も青々と美しいんだろうな~。
西岡水源地の堤防を守る為に祭られている「不動明王」にご挨拶。
ゴールデンウィークの下界であっても、まだまだ殺風景な北海道の自然界。
緑が芽吹くのは、まだ少し先の様だ。
さすが、この辺は管理された自然公園なので、ところどころで説明が添えられている。
途中で木道を進むコースが始まる。
木道へは入らず、左の山道へ向かう。
出発が遅れてしまったし、こちらの方が所要時間が短いのだ!
春なのに、秋らしい赤い葉。
茶色い世界に、とても映える。
…行き止まり。(通行禁止)
どうやら、先程の木道を行くしかないみたい。。
…という事で、木道を歩きながら湿地帯をゆく。
少しながら、小さな春の訪れを感じる。
うん、もうちょっとで春だね!
春の訪れ、水芭蕉も。
こっちの方が立派!
…と思ったら、こんなに沢山!?
さっき、通行止めになっていてよかったな。
こっちのコースの方が、きっと面白い。
出発から約45分後の12:00頃。
ようやく山道に入る。
だけど、まだまだ管理された木道。
脇の水が、透き通っていて美しい。
登山道~焼山
12:10。
どうやら、ここからが本格的な登山開始らしい。
「マダニに注意」とか、「一人での入林はやめましょう」とか書かれている…。
怖や怖や。。
最初は、ちょっとした木の板の上を歩く。
マダニ怖い…。
そして、マダニに怯えながらの登山道。
厚かった雲が少し消えてきて、晴れがかって来た!
午前中から晴れてくれたら良かったのに…。
今年の北海道のゴールデンウィークは、まるで「自粛しろ!」と天が言っているかの様に雨続き。
コロナ禍でも山なら大丈夫かと思って来てみたものの、予想通り…いや予想以上に人がいない。
静かすぎる。
ガサガサ!
…という少しの物音に、「クマじゃないよね!?」とビクビクしてしまう。
先日行った「三角山」では、小さい子供からお年寄りまでが気軽に訪れるほどの山だったにも関わらず、多くの人がくま鈴を鳴らしながら歩いていたことに驚いた。
北海道の山では、クマ対策をするのが当たり前なのだ。
【札幌近郊・低山登山】三角山~大倉山~奥三角山を縦走&おまけの荒井山(4月)
私はまだ、くま鈴を持っていない。
その上、登山者が全くいない静かな山道。
怖すぎる…。
丸太が並べられているだけの、ナチュラルな休憩処が可愛らしい。
立ったまま少しだけ休憩をして、先に進む。
人様の登山記を拝見していると、「〇〇が綺麗に咲いていました」なんて記述が多々あるのだけれど、なんで皆さん、植物にそんなに詳しいんだろう。
最初の目的地の「焼山」と、次の目的地の「白旗山」への分岐を左へ行けば、焼山までは10分ほど。
クマを恐れながら歩いていると、色々な足跡がそれっぽく見えてくる。
私の足跡はほとんど付いていないので、人間程度の体重では、ここまで深く土にめり込まないという事。
もっと体重の重い者の足跡かと思うんだけど…。
どうみても山頂ではなさそうな場所に、山頂表記。
あっち(→)が山頂だよ!という案内かな。
山菜取りが問題になっているみたい。
麓の看板にも、「自分で食べる分だけ持ち帰りましょう」みたいな注意書きがあった。
食べられる植物とそうでないものと、見分けられる能力があるのは素晴らしい。
私も身に付けたいんだけど、たぶん無理かな。
ここから登って数分で、1つ目の目的地に到着。
焼山(261.8m)山頂!
13:10、出発してから約2時間だ。
木々に囲まれているだけの、眺望のない山頂。
焼山~札幌台
ここから折り返して、10分前の分岐を白旗山方面へ向かう。
ここで、登山道に入って初めて、
登山中の夫婦に出会う。
ここまで、誰にも出会わなかったのだ。
コロナ禍で登山を始める人が増えているという話もあるけれど…北海道は通常期でも、有名な山でさえ人に出会わないのが特徴らしい。
山の数に対して、登山人口が圧倒的に少ないんだね。
さすが広大な大地、北海道。
途中で、ゆっくりと沢の方へと降りていく。
ちょっと油断すれば落ちてしまいそうな、細くてぬかるんだ道。
マダニやクマに加えて、蛇にも注意しなければいけないらしい。。
怖っ…!!!
焼山を出発してから40分後の13:50。
三部川分岐点に到着。
ここは、とても広い広場になっていてベンチもある。
多分、車も通れるんじゃないかな??
大きい道沿いに下界へ降りるなら、ここがラストチャンスなんじゃないかと思う。
ここから先は、焼山エリアと白旗山エリアエリアとを結ぶ、長い林道に入る。
ベンチに座って、1コ目のおにぎりを頬張る。
有難い事にトイレもあるので、休憩にはぴったりの場所だ。
休憩を済ませて、先へ進む。
林道沿いを、黙々と歩く。
こんな風景の中を、誰にも会わずに一人で歩く。
ひとり気ままな山歩き♪…なんて楽しく歩くことができればいいのだけれど、私にはクマさんの恐怖の方が勝ってしまった。
ヒマラヤやキリマンジャロなんかよりも、ずっとずっと怖い。
いや、ヒマラヤには豹(ヒョウ)がいたはずで、クマとは違って人も襲う肉食動物だから、今思えばそっちの方が怖いはずなんだけど。
一緒にいたネパール人が、「下の方で豹の声が聞こえたよ」と崖の下へ耳をそばだてていた事を思い出す。
何で怖くなかったんだろう…。
久々に見た、フキノトウ!
これも食べられるんだよね…??
茶色い枯れた木々の林道が、松の木林へと変わる場所に来た。
ここから先、何か今までとは違った雰囲気を感じる。
まるでおとぎ話の世界へと通じている様な。
それは美しい物語ではなくて、もっと鬱々とした…不穏な世界へと通じている感じ。
そんな松の木林に誘われて、歩みを進める。
そこで見つけた、動物の糞。
これは…クマの糞では!?
クマは消化器官が弱く、食べたものをそのまま糞と一緒に出すらしい。
クマは木の実を好んで食べるので、木の実が混ざっているのがクマの糞の特徴だと聞いた事がある。
そう思ったら、周りの足跡も全部、クマの足跡に見えてくる。
こんなに深く刻まれた足跡は、きっと人間の体重では出せないはずだ。
…と、その時!
ガルルッ!!!
確かに、獣の唸り声を聞いた。
風の音なんかじゃない、獣の威嚇する様な声。
それは、私の立ち位置よりも、少し斜め上辺りから聞こえたような気がする。
クマって、木に登るんだっけ…!??
一応、視界にクマがいないかどうか、ゆっくりと辺りを見回してみる。
幸い、それらしき姿はない。
斜め上の木々を、確かめる勇気はない。
現在地を確認すると、なんと登山道を外れていた事に気づく。
先程の松の木林へは、入ってはいけなかったのだ!
不穏な世界へと通じている気がしたのは、あながち間違いではなく、クマのテリトリーへと通じているのを予見していたのか。
先程の唸り声は、自分のテリトリーの侵入者への、警告だったのか。
ゆっくりと、来た道を引き返す。
怖い怖い…。
松の木林の個所は、真っすぐに進まず左折が正解だった。
よく見たら、こちらの方が広いではないか。(なぜ見逃した…。)
普通の林道へと軌道修正。
クマに存在を知らせる様、無意識に鼻歌を歌いながら進む。
迷子の迷子の子ネコちゃん~♪
坂道を登れば、札幌台。
焼山を出発してから約2時間後の15:00。
札幌台(291m)に到着!
木々の間から、少しだけ眺望を拝める場所。
ここで、休憩。
2個目のおにぎりを食べる。
札幌台~白旗山
ここから月寒台というところに立ち寄ってから白旗山を目指す予定だったのだけれど、既に15:00を過ぎている。
夕方までには下山したいので、月寒台は省略して白旗山を目指す事に。
眺望を左手に、まっすぐ降りる。
そして、楽な道を少し歩く。
大きな葉に小さな花。
そのアンバランスさが可愛い…これは、何だろう。
美味しい山菜のヨモギと、猛毒のトリカブトは、見た目が似ていて間違いやすいらしい。
これは、どっちだろう。
そんな事を考えながら、この日一番の急坂を上る。
これは、雪が積もっていたら難しかったかも。
先日の、「大倉山~奥三角山」へ向かう難所と同じだ。
雪があるかないかで、危険度は大きく異なるんだね。
札幌台を出発して、約35分後の15:50。
白旗山(321.5m)に到着!
開拓に訪れた屯田兵が「白旗」を立てたのが、名前の由来。
広めの山頂。
おにぎりはもう無いので、行動食のお菓子を食べる。
おにぎり、3コ持って来ればよかった。
白旗山~ふれあいの森
ここからは、ゴールのふれあいの森へ向けて下山するのみ。
可愛らしい鳴き声が聞こえて見上げると、キツツキがいた。
木をつついていたし、キツツキだよね…!?
途中で、先程とは違う糞を見つける。
形は人間のものに似ていて、だけど色は焦げ付いた様に真っ黒。
写真を撮ろうとして、その手を止める。
人間のものだったら、嫌だな。。
そう思い、スルーして2mほど歩くと、また同じような糞が落ちていた。
同じ人間が2回?
いや、違う人間が、偶然に同じ場所で?
どちらも、非現実的だ。
あとで「クマの糞」で画像検索をしたら、こちらの方が似ていた。。
事前には知らなかったのだけれど、展望台があったので立ち寄ってみる。
晴れの日には、きっと美しい山並みが望めるんだろうな。
よく見たら、薄っすらと立派な山。
あれは、何山だろう。
この展望台は、「展望四阿」というらしい。
黙々と、下りの道を急ぐ。
これを降りきったらゴールか!?
…と思ったら、まだ少し続くみたい。
この道を少し行くと、下界らしい風景に出会う。
もう、ほぼゴールだね。
そして、ふれあいセンターでゴール!
16:35。
白旗山を出発して45分。
登山開始からは、5時間20分。
ここまで、出会った登山者は1組!
ふれあいの森からの帰路のバスを探す
ふれあいセンターの前の車道へ出てみる。
逆方面へのバス停は見つけられたものの、駅へのバス停が見当たらない。
キョロキョロとしていると、1台の車が徐行して停まった。
窓を開け、運転手が声をかけてきた。
「乗っていく?」
これは、海外ならよくありそうな光景だ。
「いえ、大丈夫です。バス停を探しています」
「バス停は、かなり遠いと思うよ~。じゃあ、バス停まで乗っていく?」
ただの親切な人か、それとも何か企みのある人か。。
そういう咄嗟の判断は、海外を旅していると、よく迫られる。
そして、相手を善人と判断して、(半分)信用する場合もよくある。
だけど、どうして治安のよい母国で、それができないんだろうと不思議な気持ちになる。
彼が善人か悪人かはさておき、「知らない人の車には乗らない」という、杓子定規な判断を躊躇わずにする。
「いえ、バス停の場所だけ教えて頂けますか?」
「バス停の場所なんて意識した事ないから、場所はわからないな~」
え!?
では、先程の「バス停まで乗せてくれる」という申し出は何だったのか!?
場所知らないんかいっ!笑
…と、心の中で盛大に突っ込みを入れて、笑顔でお礼をいう。
「ビジターセンターで聞いてみます、ありがとうございました♪」
ふれあいセンターで聞いてみたら、「目の前の駐車場沿いを行けば、東屋がある」と教えてくれた。
すぐ近くじゃないか!
「バス停はかなり遠い」と仰ったのは、いったい誰だったか…。
広い駐車所。
その先に、情報通り東屋とバス停があった。
やれやれ。。
次のバスは16:51、本日の最終バス。
現在時刻は16:50。
ギリギリじゃないか…。
そして、この便数の少なさよ!
「西岡公園」から焼山~白旗山へと縦走した場合、そのまま「ふれあいの森」へ降りてくる方が早いのに、西岡公園へと引き返す人がほとんど。
逆ルートの場合も然り。
それは、このアクセスの悪さが原因なのか。
きっと車で来てるから、登山口と下山口が一緒じゃなきゃダメなんだな。
定刻から少し遅れて到着した最終バスは、約45分かけて地下鉄東豊線「福住駅」に到着した。
バスで45分…最終バスを逃していても、歩ける距離じゃなかった。
危なかった。。
帰宅後、急いで「クマ鈴」をネット注文。
これで、本日の様な恐怖を感じながらの山行とは、おさらばと信じたい。
西岡公園から、焼山~白旗山への縦走ルートとコースタイム
↓(2時間)
焼山(261.8m)
↓(1時間50分)
札幌台(291m)
↓(35分)
白旗山(321.5m)
↓(45分)
ふれあいの森
休憩も含めた総時間は、5時間20分。
訪れた山は2座!
2座とも、「札幌50峰」に選ばれている山。
札幌50峰は、これで5座目。
北海道で訪れた山は、これで6座目だ。