カイロ(エジプト)-Cairo-
早朝、恐らく3時頃。
ロビーから聞こえてくる怒鳴り声で目が覚める。
なんだろうこんな時間に…めちゃくちゃ怒ってるよ。
言い合いをしているわけではなくて、一人で怒っている。
時折、他の人の声も聞こえるけど。
そして、何かを激しく投げつけるような音もする。
物に当たっちゃいかんよ!
怒鳴り声は、収まったかと思えばまた始まり…の繰り返しで、しばらく続いていたと思う。
なんだったんだろう。
朝、顔を洗うために鏡をみて驚く。
顔に赤い点が5~6個ついていた。
多分、蚊に刺されたんだと思う。
ひどい顔…こんな顔じゃあ、しばらく誰ともデートなんて出来やしないじゃないね。
エジプト(カイロ)でエチオピアビザ申請
昨日は、7時間30分もかけてスーダンビザを取得した。
エジプト(カイロ)でスーダンビザ取得!7時間30分も拘束されてしまった…
今日は、スーダンの次に訪問予定のエチオピアビザに挑戦しようと思う。
エチオピアビザはスーダンでも取れるみたいなんだけど、シングルビザしか取れない可能性があるという事なので、ここエジプトのカイロで先に取ってしまおうと思う。
それに、アフリカの様な「いつでもビザが取れる」と保障されていない不安定な地域では、「ビザは取れるときに取る!」というのが鉄則。
まぁ、東アフリカではそこまで気にする必要はないとは思うけど。
(中央アフリカ、西アフリカでは、本当に「取れるときに取る」が大原則みたい)
2日間連続で通ったイッ・ドッキ(Dokki)駅に、今日もまた向かう。
イッ・ドッキ駅(El Dokki)
地下鉄レッドライン/アッ・サーダート駅(Sadat)から約3分
そして、開館時間10分前の8:50に到着する。
昨日のスーダン大使館前では、既に20人くらいが待ち構えていたのだけど。
本日のエチオピア大使館前には、誰もいなかった。
そして、開館時間5分前の8:55にゲートが開いて、「どうぞ」と中へ誘導される。
早いっ!
中に入ると、警備員室で目視での荷物チェックがあって、携帯電話は没収された。
建物の中に入ると、さっそくデスクに座った職員と面談。
スーダン大使館はカウンター方式だったからお役所感があったんだけど。
今回のエチオピア大使館は、普通に仕事をしている大使館オフィスにお邪魔している感じ。
穏やかなエチオピア大使館職員と面談。
大使館 「エチオピアは、観光で行くのですか?」
わたし 「はい、観光です。」
大使館 「どれくらいの期間を考えているのですか?」
わたし 「3週間くらいの予定です。」
大使館 「スーダンから行くのですね、帰りの飛行機は予約していますか?」
わたし 「(ギクリ)バスで、ケニアに向かいます。」
大使館 「ケニアのあとは、どこに行くのですか?」
わたし 「バスで、南アフリカを目指します。」
大使館 「エチオピアでの滞在先は、予約していますか?」
わたし 「(再びギクリ)…予約はしていません。」(←正直)
大使館 「エチオピアでは、どこに行く予定ですか?」
わたし 「名前を忘れました…携帯電話にメモしてあります。」(携帯はガードマンが没収中)
大使館 「その顔の赤いのは、なんですか?」
わたし 「これは…たぶん蚊に刺されました。」
(んんっ??最後の質問は必要か!?笑)
そんなこんなで、無事に申請用紙をもらう。
申請用紙には、エチオピアでの滞在先や訪問予定の場所を書く項目もあったのだけど、空欄で提出しても何も言われなかった。
1ヵ月のシングルビザでいいか?と言われたのだけど、マルチプルビザが欲しかったので3ヵ月ビザで申請。
3ヵ月のマルチプルビザ、70ドル。
(1ヵ月のビザ代は忘れたけど、もう少し安い)
シングルビザ
出入国は、1度まで。期間内であっても、再入国不可。
マルチプルビザ
期間内であれば、出入国に制限なし。
それにしても、昨日と今日で合計220ドルも使ってしまった。
残りのドル紙幣、かなり少ないんだけど大丈夫かな。
ドルを引き出せるATMって、どこにあるんだろう。
都会のカイロで、今のうちに補充しておきたいんだけど。
後日、カイロで無事に米ドルを入手!
明日の15時にまた来てくださいと言われて、引換証をもらう。
所要時間、なんと20分。
早っ!
エチオピア大使館の方が、丁寧に色々聞かれたけどスムーズだった。
スーダン大使館は、たいして確認されなくて雑だったけど、めちゃくちゃ時間がかかった。
真逆の対応すぎてびっくり。
むしろ事前情報によると、スーダン人はとても穏やかで旅人大絶賛の素晴らしい国民性で。
対するエチオピア人は、ウザいし冷たいとの事だったのに。
大使館職員の対応に関してだけで言えば、むしろ逆なんだけど。
なんにしても、9:30には解放されて、自由になった。
翌日、無事に問題なくビザの受け取りも完了。
↑問題なさすぎて…ビザ受け取りの記述は、わずか7行!(リンク張ったくせに、なんの参考にもならない。)
早々に本日のミッションも終わったので、今日はエジプト3日目にして初めての「観光」をしてみよう。
この3日間、気づけばビザ取りの手続きしかしていない。
時間がたっぷりあるのでピラミッドへ…ではなく、今日はイスラーム地区に行ってみようと思う。
カイロのイスラーム地区でのんびりお散歩
ここにあるイスラーム建築の600もが、世界遺産に登録されているんだとか。
イスラーム地区は6つの地区にわかれていて、南北4km、東西2kmの広範囲にわたる。
イスラーム地区の一番南西にある、イッ・サイイダ・ゼーナブという駅からスタート。
イッ・サイイダ・ゼーナブ(Saylda Zeinab)
地下鉄ブルーライン/アッ・サーダート駅(Sadat)から約3分
駅から出ると、独特なイスラーム音楽が大音量で流れていて、お香の香りが漂っていた。
エジプト人は全体的にイスラム教徒だと思うけど…ここは、特にその色が濃い地域の様だ。
よくわからないけど、モスクが見えた。
本当は、見どころがたくさんあるからそこへピンポイントで行くのが普通なんだろうけど。
特別に見たいものがあるわけではないので、雰囲気を感じながら、のんびりお散歩をしようと思う。
色とりどりの商品が並ぶエリアを通り抜ける。
そして、いきなり誰もいないシャッター街。
カイロに、こんなにも人がいないエリアがあるのか。
これぞ行き止まり!と言える高い壁に突き当たる。
だけど脇の階段から、上に登れる。(←行き止まりでも何でもない)
路地をお散歩。
明らかに、観光地ではなくて地元民の生活空間。
人々が私に注目をしているんだけど、客引きに声をかけられたりなんかは、一切ない。
路地をさ迷う事、およそ40分後。
巨大なイスラーム建築が3~4棟も立ち並ぶ開けたエリアに出た。
これは、ガイドブックにも乗っているやつ。
ガーマ・スルタン・ハサン(The Mosque of Sultan Hassan)
世界最大級のイスラーム建築なんだって。
これ以外にも、立派なモスクが立ち並ぶ。
こんな巨大なモスクの間を歩いていると、まるでアラビアンナイトの世界にいるみたい!
…とまでは思わないけれど、それでもアラビア世界にいるんだなーと実感する。
ここはアフリカであって、アフリカではない。
アラブ文化の国、エジプト。
また少し路地を歩く。
すると、ブルーモスク(The Blue Mosque)に着いた。
全然ブルーじゃないじゃない!
と思う土色のモスクなんだけどね。
ブルーモスクの本家は、トルコのイスタンブールにある。
オスマン朝時代に、トルコから赴任してきた総監督のイブラーヒム・アガがホームシックになって、ブルータイルの名産地であるトルコのイズニックからタイルを取り寄せたんだって。
そして、ブルーモスクに似せた内装にしたのだとか。
入り口から覗いてみたら、神社で言うところの神主さんの様な人(イスラム教では何と呼ぶんだろうか)が、入っていいよと手招きをしてくれる。
少し遠慮がちに、敷地内に入る。
敷地内の壁の扉を見つめていたら、中に入れてくれた。
そしてこれは、内装の写真と思って撮っていたんだけど、あとから調べたら、たぶん右の白いのはイブラーヒム・アガの棺だと思う。
中で眠っているのかな。
故郷の青いタイルが敷き詰められている部屋の中で。
だから、なんとなく厳かな雰囲気だったのかな。
時刻は12時。
丁度、礼拝の時間の様だ。
この礼拝堂の中の壁も、青いタイルが敷き詰めれらている。
覗いてみたら、また神主さん(的な人)が、入っていいよと合図をしてくれる。
また遠慮がちに、靴を脱いで中のベンチに座る。
代表者の声に合わせて、立ったり座ったり、お辞儀のポーズをしたり、土下座のポーズをしたり。
ベンチに座ってそれを見ている私は、完全に異教徒だ。
せめて邪魔をしないようにと、写真などは自粛。
イスラム教徒たちは、熱心に祈りを捧げ続けている。
あまりの熱心さに心打たれて、何故だか涙が出そうになってくる。
彼等は、一体何を願っているんだろうか。
それとも、仏教徒のそれと同じく、何も願わず無の境地なのだろうか。
いや、何か必死に祈っている様に感じる。
彼らの祈りのその先にあるものが、どうか「平和な世界」でありますようにと、私も見知らぬ神にこっそりと祈る。
10分ほどで、お祈りの時間が終わった。
だけどすぐに帰る人は、ほとんどいない。
ベンチに座って余韻に浸る人、歓談をする人、そして終わってもなお自主的に祈りを捧げ続ける人…。
私も更に10分ほど余韻に浸ってから、礼拝場を出る。
すると、神主さん(的な人)と一緒に、英語が話せる人が声をかけてきた。
「この人は神主さん(的な人)です。チップを払ってください」みたいなことを言われる。
まぁ、いいものを見せてもらったし、私もそうした方がいいのかなーと思っていたから別にいいのだけど。
相場がわからず、5ポンド(約35円)を渡してみると、少なすぎると文句を言われた。
50ポンド(約350円)だと。
え、それはエジプトの物価から考えたら高くないか?
20ポンド(約140円)を払って納得してもらった。
イスラム教徒のマナーは、異教徒の私にはわからない。
このチップが正当な要求だったのか、それともタカラレタだけなのか。
でも、そういえば他のイスラム教徒は払ってなかったよなー、なぜ異教徒の私が払うのだ??
なんて思いながら歩いていたものの、せっかく感動した気持ちを台無しにしたくないので、考えるのはやめる事にした。
声をかけてきたスナック屋さんで、立ち止まってみた。
別に客引きとかじゃなくて、ただの挨拶だったんだけど。
カートの中を覗いてみたら、スナックをひとつくれた。
美味しいっ!(食べかけの写真だけど)
これは何かと聞いたら、これは「ターメイヤ」だと教えてくれた。
これがターメイヤか!
コシャリと同様にエジプトの定番料理という事だから、食べてみたかったやつだ!
1個タダでもらって去るのもなんだし、もう少し食べたかったので値段を聞いてみた。
そうしたら、「サンドイッチ?」と言われる。
う、うん…よくわからないけど、じゃあサンドイッチにしようか。
サンドイッチは、エジプトのパンに挟まれて出てきた。
中に、野菜とターメイヤが入っている。
サンドイッチとコーラで10ポンド(約70円)。安っ!
お店の写真を撮らせてもらった。
そうしたら、さっきまで一緒に食べていた客らしき人が、こっちに来て撮りなよと言ってターメイヤをすくってくれた。
優しい!(写真ブレてるけど。)
そして、こっちも撮りなよと更にカウンターを案内してくれた。
さらに、またターメイヤを一個くれた。
なんて優しいんだ…。
やっぱり、ローカルなお店は最高だ。
言語でのコミュニケーションはいまいちチグハグになるのだけど、そんなの関係ないくらいに素敵な時間をくれる。
気分よく歩いていたら、また声をかけられたので覗いてみる。
何を作っているのかと聞いたら、元気よく「シュー!(靴)」と答えた。
たまたま通りかかった人が、「こっちからのビューの方がナイスだよ」と後ろからのアングルを勧めてきた。
奥の機械で「プレス」するんだって。
更にティーを振舞ってくれようとしたので、流石にお断りした。
「大丈夫です、ありがとうございました!」
「ウェルカムだぜー!」
いやん…♪好きすぎる…♪
ただ靴工場を見ただけなのに、なぜこんなに幸せな気分になるんだろうか。
それはひとえに、ローカルたちの人柄の賜物なんだろうな。
巨大な門の前に着いた。
中を覗いてみたら、素敵な世界が広がっていたので入ってみる。
値段表記がアラビア語のみ。
完全に、ローカルたちの生活空間なんだろうな。
ムスリム女性たちの、黒い衣装も売られていた。
イスラーム地区、来たはいいけどどうやって帰ろうかと思っていたのだけど。
このまま宿まで1時間くらいで着きそうなので、もうこのまま歩いて宿へ向かおう。
大通りは煩くて排ガス臭いだけなので、路地を通って帰る。
色とりどりの布に囲まれた世界が、エキゾチックで美しい。
布のシャワーを浴びながら歩いていると、すれ違う人のほとんどが声をかけて来たり手を振ってきたりする。
私も微笑みを返したり、たま~に手を振り返したりする。
客引きじゃなくて…ただただフレンドリーな人たち。
チャイナチャイナ言われてるけどね。
悪意は感じないから別にいい。
路地を抜けると、広いバザールが続く。
ここはここで、ローカルたちの買い物の場。
あぁ、楽しかったなイスラーム地区あるき。
特に見どころ巡りをしたわけではないから、ブロガーとしては失格なんだけど。
もっとこうね、「イスラーム地区のあるきかた!」てきな感じで、見どころを巡る紹介記事を書く方が世の為人の為なのだけど。
だけどこれが私の旅スタイルなんだから、仕方がない。
旅ブロガーを目指すのは、諦めよう。
宿に戻ったら、くしゃみと鼻水が止まらなくなった。
ちょっと外の世界に長居しすぎたみたい。。
ローカルなコシャリ屋さんで夕食
今日もプラプラと夕食を求めて街を歩く。
外のテラス席がローカルで賑っている良さげなお店があったので、入ってみる。
メニューはあるかと聞いたら、やはりアラビア語のメニューを渡される。
「アラビア語は読めないよ~笑 お勧めは?」
「コシャリ!?」
「お、お~け~。じゃあ、コシャリぷりーず!」
「ミディアム!?ラージ!?サラダ!?デザート!?」
「す、すも~るコシャリぷりーず。ノーサラダ!ノーデザート!」
なんかお互い大した英語喋ってないのに、アラビア語スピーカーと日本語スピーカーが通じ合った瞬間。
ほんとうにさ、言語力って二の次で、会話しようとする心が一番大事なんだね。
スモールのコシャリは、なんと10ポンド(70円)だった。
安いっ!
渡されたコシャリは、持ち帰り用だった。
私はここで食べたいのに。
ウェイターに、ここで食べていい?と、店内の空いているテーブルを指さして聞いてみるも、首をかしげてどこかへ行ってしまった。
ダメってことかな。
いったん店を出るものの、なんとなく宿では食べたくない。
諦めきれずに今度はテラス席を覗いてみたら、少年ウェイターが「座っていいよ」と言ってくれた。
よかった!
そして、何か付け合わせの様な小皿まで置いてくれた。
だけど持ち帰り用になっているから、トマトソースやその他のものが袋に入っている…。
これはどうやって食べようかと迷っていたら、大人のウェイターが「ちょっと待っててね」と言って袋を回収していった。
そして間もなく、お皿に温めた状態で持ってきてくれた。
少年ウェイターが置いてくれた小皿は、どうやら付け合わせではなくてコシャリのトマトソースに混ぜるスパイスだったみたい。
そして、奥の小瓶に入っているのが、たぶん酢。
今日も自分でソースをアレンジして、食べてみる。
美味しい♪
だけどスモールサイズを頼んだのに、私的にはラージサイズと言える量。
頑張って食べたけど…3分の1だけ残っている状況で一旦休憩。
私は、腹8分目くらいのところで気持ちよく終わりたいタイプ。
お腹いっぱ~い、もう食べれない~状態は、あまり好きではない。
だけど食べ物を残すのは、なるべく避けたいとも思っている。
特に海外では。
既に腹10分目まで食べていて、どうしようかと迷っていたら、少年ウェイターが「もう片付けていい?」とタイミングよく来てくれた。
迷うことなく、「ありがとう!」と言って片づけてもらう。
残しちゃってゴメンナサイ。
さて、明日は何を食べようか。