バラナシ -Varanasi-
昨日いつもより多めにスクワットをしたからか、朝起きたら筋肉痛になっていた。
何でだ…。ヒマラヤでは、準備運動なしに24日間歩き続けても一度もならなかったのに。
ヒマラヤで足筋の弱さを実感した私は、あれ以来スクワットを日課にしている。
もくじ
ローカルなお店の選び方
最近脂ものばかり食べていたので、今朝は普通にトーストでも食べようとカフェを目指す。
すると途中で良さげなローカルレストランを発見してしまった。
美味しいインドカレーなどが食べられそうじゃない?
私がお店を選ぶ基準は3つ。
①ローカルのお客さんがそれなりにいる事
回転率の低いお店は、古い食材を使っている可能性があるから。
②店員にやる気があって、きちんと働いている事
寝っ転がったまま接客をしていたり、暇そうにスマートフォンを触っている人のお店は絶対に入らない。
③人柄が鬱陶しくない事
呼び込みが激しいところや日本語を投げかけてくるところは、目も合わせずスルー。
そして、まずは興味ありげに近づいてみて、その時の相手の態度で最終判断を下す。
これは、飲食店でも売店でもなんでもそう。
旅行会社やリクシャーを選ぶ時も、②③は一緒。
そんな基準に合致していたので、朝食はここに決めた。
しかしメニューがね、、、パン系かライスしかない。
え~?カレーは?
注文方法がよくわからなかったので、店員と相談しながら「ウッタパン」というものを注文。
出てきたのは、お好み焼きの様なルックスのもの。
あぁ、一緒に食べるカレーはセットで付いてくるんだ。
日本だと好きなカレーを選んであとはナンとライスの2択だったりするけど、ローカルだと逆なんだね。
好きなパンを選んで、カレーは選択権なし。
現地でも中流のお店では選べたけど。
ウッタパンは、サクサク要素なしの食べ物だった。美味しい!
朝食後はガンガーに行ってみるも、ボートの客引きが鬱陶しいので早々に退散。
やっぱりガンガーは夜の闇に紛れて眺めるのが一番いい。
インドの典型的な詐欺トラブル
お昼頃、いつものラッシー屋さん「ブルーラッシーショップ」に行く。
座るやいなや、日本人の男の子2人組に声をかけられる。
「僕たち、トラブルに遭ってお金が無くなってしまって困っているんです」
「情報交換などしたいので、Lineとか教えてもらえますか?」
いやいやいや、怪しすぎるでしょ。
いま会ったばかりの見ず知らずの人を、「日本人だから」という理由で無条件に信用したりなんて私はしない。
だって日本で同じことを言われたら、絶対に無視するよね。
それに、「海外で日本人が日本人を狙う詐欺」というのも、悲しい事ながら存在するのだ。
「インドの電波は受信してないので、IDを教えてくれればWiFi繋いだ時に連絡しますよ」と答える。
話を聞いていると、どうやらデリーに到着したばかりの人がよく遭う、旅行会社がらみの典型的な詐欺に引っかかったみたいだ。
- ニュー・デリー駅から、宿に向かうためにタクシーやリクシャーに乗る
↓ - しかし、途中で「〇〇な理由で今はそのエリアには入れない」などと言われる。
(彼等はスモッグで町が封鎖されていると言われたとか)
↓ - 政府関連の旅行会社(と名乗る場所)に連れていかれる。
↓ - そこで、あれよあれよと高額なツアーを組まされる。
↓ - しかし高額な割には大したツアーではない。
↓ - そして今、ツアーの一環としてバラナシに辿り着いている。
あぁ、これはね…凄く有名なやつだから、知っていれば避けられたと思うんだけど。
知らなければ「そうなのか」と思ってしまうのかな。
それに、騙された「かもしれない」と言う。
いや、確実に騙されていると思うんだけど。
しかし彼等はまだ大学生。
私も大学生の時にバックパッカーでインドなんて来たら…もっと身動き取れなくて途方にくれていたと思う。
悪いのは騙される方じゃなくて騙す方だ。
う~ん…彼等はたぶん、本当に「騙されて困っている気の毒な大学生」なんだと思うな。
私が逆に騙されている可能性は、、、低そうだ。
ガンガーに行きたいのだけど、行き方がわからないから連れていってくれないかと言われる。
それくらいなら、宿へ戻る方向と一緒だし構わないので了承。
別れ際に、逆に私のLine IDを教えて欲しいと言われる。
ま、いっか。話した感じ、彼等は詐欺師ではない。(たぶん)
この後は、色々とやるべき雑務がある。
インドでSIMを使う事の盲点
まずは、インドの通信会社Airtelと契約してから48時間が経過したので、「アクティベート」という作業をする。
SIMカードを入れ替えて電波をキャッチし、指定の番号へ電話して本人確認が完了すれば使える様になる。
私がダラダラと、「食べ歩き」と「ガンガーを眺める」しかしない日々をこのバラナシで送っていたのも、万が一このアクティベートができなかった時に、契約したショップを頼らなければいけないと思ったから。
しかしね…根本的な問題。
私のiPhone、なんとSIMロックが掛かっていた。
現地SIMを使う予定なんてなかったから、確認なんてせずに出国してしまったのだ。
仕方がないので、新しいスマートフォンをゲットすべく携帯会社を訪ねる。
しかし言語が日本語未対応だった。
日本語が打てないんじゃあ、全く意味がない。
もう…諦めよう。
SIM代650ルピー(1,170円)と、この為に費やした時間を損した。
勉強代として受け止めよう。
そして次回長期旅行の機会には、日本でSIMフリー携帯を入手してから出国しよう。
後から知ったことだけれど、「日本語入力」未対応のスマートフォンでも、専用のアプリをダウンロードすれば日本語入力ができる様になるみたい。
ガヤー行きの鉄道チケット
そうと決まれば、私はもうこのバラナシという町に用はない。
明日のガヤー行きの列車のチケットを予約すべく、旅行会社を探す。
駅で予約した方が絶対に安いのだけど、駅まで行く交通費と時間を考えれば多少の手数料も仕方がない。
それに、バラナシまで一緒に来たダニエルとシェアナでさえ、駅では買えずに旅行会社を頼ったのだ。
私がスムーズに予約などできるわけがない。
【陸路国境越え】スノウリ国境を越えて、徒歩でインドへ(ルンビニ→ゴーラクプル)
宿の目の前の旅行会社を訪ねる。
明日は10:00発か16:00発。
10:00発にトライしてみて、取れなかったら16:00発にするかと言われる。
しかし16:00発の到着時間は21:00頃。
そんな時間に到着するのは嫌なので、10:00発が取れなければバスで向かう事にした。
所要時間およそ4時間のスリーパークラスで500ルピー(900円)。
明日の朝8:00に結果を聞きにくるようにと言われる。
宿に戻ってまた庶務をこなし、夕食を食べるべく宿を出る。
すると目の前の旅行会社の中から声が掛かる。
覗いてみると、なんと明日10:00発のチケットが無事に取れたという。
よかった…!
シヴァ・カフェ&ジャーマン・ベーカリー(Shiva Cafe & German Bakery)
バラナシで美味しいお店と言えば、軽食屋さんしか見つけられなかった。
満足できる夕食を一度も取っていないので、最終日の夕食は無難に「旅行者向けのカフェ」で取る事にした。
「シヴァカフェ」という、ガイドブックにも載っているお店。
このお店には、イタリアンやタイ料理、なんと日本食まである。
私はインド料理の中からお勧めを聞いて、「Malai Kofta with Rice」115ルピー(207円)を頼む。
何だか全くわからないけど。マライコフタ…?
出てきたのは、見た目も何だかわからないものだった。
何だかわからない塊が4つほど沈んでいる。
だけど、これは柔らかい味でとても美味しい。
沈んでいる物体も、少しモチっとしていて美味しい。
あぁ、毎晩ここでもよかったな。
もっと早く来ればよかった。
「with Rice」しかないのが唯一残念なところだけど。
バラナシ最後の夜に思う事
夕食後、ガンガーを眺める為にいつもの場所へ行く。
すると、既に昨日の彼がまるまって寝ていた。
もしかして、昨日私の腰に身体を押し付けて寝ていたのは、「俺の縄張りだぞ、どけよ」という圧力だったのか。
「懐かれてる~、可愛いな~」なんて思った私は、とんだ己惚れ物だったのではないか。
しかしね、昨日は腰と腰を合わせるスタイルだったのに、今日は私の腰に頭を押し付けてくるよ。
これは己惚れても仕方がないよね。
・・・
最後の夜なので、昨日から通っているチャイ屋さんに行く。
今日もこのチャイ屋さんは、私に優先的にチャイをくれる。
他の人はグラスに半分ほどなのに、グラスいっぱいに注いでくれる。
客の一人に「今日は2回目だし、昨日も2回来たよね」と言われる。
それを知っているあなたも、そうとう入り浸っているね。
・・・
バラナシを歩いていると、鬱陶しい人にたくさん出会う。
まだ一都市目だから、他の町がどうなのかは知らないけれど。
だけどこの5日間で、「インド人=鬱陶しい国民性」ではない事に気づく。
鬱陶しいのは、「観光客をターゲットにしている人たち」。
「ローカルをターゲットにしている人たち」は、心地よい空間を作ってくれる人が多い。
「呼び込みの激しいお店」はやはり居心地も悪いし、「ローカルなお店」は適度な距離間で過ごしやすい。
「リクシャーワーラー」は乗せる事しか考えていないけれど、「普通の通行人」は親切に道を教えてくれたりする。
観光客として歩いていると、やはり「鬱陶しい」が強く印象付けられる。
それは仕方がない事だ。
だって最も多く接する現地人が、鬱陶しい彼等なのだから。
そして「インド=鬱陶しい国」という印象を持って帰国する。
インドに行ったことがない人は、その衝撃的な体験談の数々を聞いて、まだ見ぬインドの印象が根付く。
「鬱陶しい一面」も「穏やかな一面」も、両方ともインドの顔だ。
「○○人=○○な国民性」と一括りにするのは、半分正解で半分間違い。
その事に気づけてよかったと思う、バラナシ最後の夜。