-Sani Pass to Pietermaritzburg-
昨夜も寒さに凍える夜を過ごし、そして再び早起きをして朝日を見に行く。
寒い中の早起きは辛すぎるけれど、せっかくここまで来て、そして恐らくは二度と来ない国。
早起きの一時の辛さくらい、たまには耐えようか。
朝日を見て荷造りをしたら、今日は再び南アフリカへ戻るのだ。
▼前回のお話し▼
天空の王国レソト!絶景・サニパスの崖の上から見る朝日
サニ・パスの崖の上から見る朝日(再び)
今日も昨日と同じ場所からの景色なのだけど、昨日とは全く違う風景。
同じ場所、同じ時間でも、日によって違う風景に出会えるのは素晴らしい。
陽が登ると、暗闇の中にあったドランケンスバーグ山脈が姿を現す。
なんだか、神々しい。
今日は、このドランケンスバーグ山脈の渓谷を通って、はるか向こう側にある南アフリカ共和国へ戻るのだ。
絶景だらけだったレソトの旅も、これで終わり。
なんだか寂しい。
レソトからヨハネスブルグを目指すルート
ここサニ・パスからは、最終目的地のヨハネスブルグ(Johannesburg)を目指す。
犯罪発生率が非常に高く、旅人に恐れられている超凶悪都市のヨハネスブルグなんて行きたくないのだけど、私たちは3日後のフライトに乗らなければならない。
ケープタウンに戻るのでは効率が悪いし、ヨハネスブルグから乗る方が航空運賃が安いのだ。
(何故かどこ行きの航路も、ケープタウンよりもヨハネスブルグから乗る方が安い場合が多い)
ヨハネスブルグへは、ピーターマリッツバーグ(Pietermaritzburg)という町からインターケープ社の長距離バスが出ているので、今日はピーターマリッツバーグを目指す。
ここサニ・パスからピーターマリッツバーグへ行くには、まずアンダーバーグ(Underberg)という町まで行き、ミニバスを乗り換えるみたい。
レソトの通貨(ロティ)は南アフリカでは使えないので、レソト国内で使い切っておく。
南アフリカの通貨(ランド)を使っていたつもりでも、お釣りでロティが紛れ込んでいる場合もある。
サニ・パスからアンダーバーグへ|ミニバス
8時に、宿のすぐ横にあるレソト側のイミグレーションオフィス(出入国管理局)に行く。
なんか、凄く適当にスタンプを押してくれた。
そんな感じでいいのか??
レソトの出国スタンプは押してもらえたけれど、南アフリカ共和国の入国スタンプはここではないみたい。
イミグレーションオフィスのスタッフに「ピーターマリッツバーグに行きたい」と伝えると、「アンダーバーグまで行きなさい」と言われる。
そして、なんとミニバスに電話をして、席を予約してくれた。
ミニバスはモコトロンから来るから、ここで待っていても満席で乗れない可能性があるみたい。
だから、事前に席を確保しておいてくれたのだ。
アンダーバーグ行きのミニバスの運賃150ランド(約1125円)は、電話をしてくれたオフィスのおばちゃんに払う。
ここは、ただの幹線道路。
ここが国境だなんて、言われてもピンと来ないよ。
トイレに行きたくなったら宿に戻るという、全く国境らしくない過ごし方をしながら、ミニバスを待つ。
40分で来るよと言われたミニバスは、1時間30分後の9:30に到着した。
そしてミニバスに乗って、ドランケンスバーグ山脈の渓谷沿いを通るサニ・パス峠をゆく。
そう、この土地を町の名前の様にサニ・パスと呼んでいたけれど、南アフリカ共和国に至るまでのこの峠の名前がサニ・パスなのだ。
右側に見える細くうねる土の道を通って、ここからは見えないほど遥か遠くの南アフリカを目指す。
ミニバスは、歩いた方が早いのではないか!?と思えるほどの速度で進む。
それに、かなりの悪路で激しく揺れる。
いや、悪路だからのろのろ運転なのか。
こんな悪路の移動は、アフリカ大陸旅で初めてだ。
私よりも訪問国数の多いワタルさんに聞いても、こんな悪路は初めてだと言う。
途中でミニバスを降りるように言われ、しばらくは峠を歩いて下る事となった。
やはり、歩いても余裕で間に合うくらい、ミニバスの速度は遅い。
悪路過ぎて、少しでも車の重さを軽くする為に降りたのだろうか?
「なぜ歩いているの?」とレソト人に尋ねたら、「よくわからないよ!ハハ..笑」って。
レソト人もよくわかっていない状況の中、みんなで素直に歩く。
ここは、ドランケンスバーグ山脈の渓谷沿い。
ドランケンスバーグ山脈は、レソトと南アフリカ共和国にまたがる山脈で、ユネスコの世界遺産にも登録されている。
それも、「複合遺産」なんだって。
世界遺産は「自然遺産」「文化遺産」「複合遺産」の3種類に分かれていて、「複合遺産」は約1000件ある全世界遺産の中で、たったの30件台と非常に少ないため珍しいのだ。
ドランケンスバーグ山脈の自然環境に加えて、サン族の壁画などの考古遺跡が評価された為なのだとか。
複合遺産
「文化遺産」と「自然遺産」の両方の性質を備えた遺産。
両者のそれぞれの登録基準のうち、1項目ずつ以上が適用された物件。
※世界遺産に登録されるには、ユネスコが制定した登録基準を満たす必要がある。
それにしても、まだ南アフリカ側の入国審査を受けていない。
受けていないのに、ミニバスはどんどん進んでいく。(遅いけど)
南アフリカ側のイミグレーションオフィスは、峠を降り切った場所にあるのだろうか。
…と思っていたら、ミニバスは出発から1時間30分後の11:00に、ようやく南アフリカ共和国側のイミグレーションオフィスに到着した。
出国から入国まで1時間30分も移動するなんて…こんなに長い緩衝地帯が、他にあるのだろうか。
(もしかしたら、世界一長い緩衝地帯なのでは…!?)
無事に入国審査を受けて、約1週間ぶりに南アフリカ共和国に戻って来た。
だけどまだまだ、峠の途中。
また更に車を走らせ、南アフリカ共和国側のイミグレーションオフィスに到着から40分後の11:40分に、下界に到着した。
美しい高山の国レソト。
「天空の王国」と言われているだけあって、ここまで来たら遥か彼方の世界の様に思える。
昨日までは寒さに凍えていて辛かったけれど、もう行く事もないのかと思うと淋しい。
ここからは道も舗装されているので、今までと同じ車とは思えない程のスピードで走る。
そして12:00に、アンダーバーグに到着。
レソト出発から、2時間30分。
アンダーバーグからピーターマリッツバーグへ|ミニバス
アンダーバーグ(Underberg)のミニバス乗り場で、ピーターマリッツバーグ(Pietermaritzburg)行きのミニバスに乗り換える。
運賃は、110ランド(約825円)。
乗客が集まるまで出発はしないので、1本10ポンド(約75円)のソーセージなどを食べながら、出発を待つ。
待つ事40分後の13:40に出発。
そして、わずか1時間後の14:40分に、無事にピーターマリッツバーグに到着。
ピーターマリッツバーグは、さすが先進的な南アフリカ。
大きなスーパーが隣接して2件もあった。
スーパーのハシゴをして、夕食の食材を入手。
宿までウーバーを使おうと思ったのだけど、何故かうまくマッチングできず…仕方がないので、徒歩数十分先の宿まで、歩いて向かう。
宿の名前は控え忘れてしまったのだけど…予約サイトで安かった1人153ランド(約1147円)の宿に宿泊。
さて、明日はいよいよ、超凶悪都市のヨハネスブルグだ!
更新のペースが上がりましたね(笑)
ちなみにtwitterもチェックさせていただいているためネパール情報はそちらからです。
自分もそこまで詳しいわけではないのですが、国境間が長いところの一例としては、カシュガルーウルグチャット(中国側出国手続き)ーイルケシュタム(キルギス入国手続き)ーオシュのあたりもあるかなと。両国境間が120㎞ぐらいあるらしく、車をチャーターするしかないためいろいろ大変との話も聞きました。景色はいいらしいので、自分もいつかチャレンジしてみたいと思っていたのですが、とりあえずコロナが収まるまではまだ当分かかりそうです。
ちせ様の旅行記もこれからまたいいところに入ってきそうなので、楽しみにしてます!
NKさま
更新を楽しみにしていますと言われてしまうと、調子に乗って更新してしまうのです。(←単純..笑)
twitterも見て頂いていたんですね!ありがとうございます。
そんなに長い国境があるんですね…サニパスは運転が遅すぎて時間がかかったけど120㎞もないと思うので、記載いただいた区間の方が長そうですね!
世界はまだまだ知らない事だらけです。
中国や中央アジアも素晴らしそうですよね。私もぜひ行ってみたいです。
NKさまも、コロナが落ち着いてからご旅行に行ける様になるといいですね!