サニパス(レソト) -Sani Pass-
朝5時、アラームの音に起こされる。
3月のサニパスの夜は、フル装備で着込んで毛布を頭からかぶり、更に毛糸の帽子までかぶっても尚、極寒だった。
耐えられない…。
今日は、偶然このサニ・マウンテン・ロッジ(Sani Mountain Lodge)に集った日本人4人で、朝日を見に行くのだ。
「天空の王国」の異名に相応しい、素晴らしい絶景を見る事ができるだろうか。
▼前回のお話し▼
マレアレアからサニパスへの移動②|2日目は、アフリスキーからサニパスへ
「天空の王国」で見る朝日|絶景スポットは、サニパスの崖の上
朝食代わりに、軽く紅茶とクッキーを頂く。
(インスタントのコーヒーと紅茶が、キッチンに無料で置いてある)
陽が出る前のこの土地の朝は、予想以上にとても寒いのだけど、紅茶の暖かさに癒される。
空は既に、ほんのりと明るくなり始めてきている。
絶景が見えるというその場所は、レセプションがある建物のすぐ近く。
ドミトリー棟から、10分ほど歩く。
レセプションを少し過ぎた、崖の上。
こ、これは…。
「天空の王国」の名に恥じない、美しい渓谷がそこにあった。
時刻は5:50。
ほんの5分ほどで、同じ場所でも景色が変わってくる。
崖沿いに歩いて行けば、また違った角度からの景色が楽しめるらしい。
という事なので、歩いてみる。
朝の光に照らされた渓谷の、なんと美しい事か…。
男たちのシルエットも、カッコいい。
鈴の音と共に、遠くから何かが近づいてくる。
朝靄の中から、羊を引き連れた羊飼いが姿を現す。
なんてカッコいいんだ…。
そして朝日は、ゆっくりと昇っていく。
陽が昇り切ったあとも、しばし余韻に浸る男たち。
6:30頃には、美しい渓谷が完全に朝を迎えた様子を見せてくれる。
うん。
レソトは、まさに「天空の王国」だったよ。
「毛布の民の国」レソト王国
お昼ごろ、改めて付近を散策。
渓谷の方角から、「毛布の民」が登ってくるのが見えた。
レソトの男たちは、皆この様に毛布をまとった出で立ちをしている。
全土の標高が1,400m以上もあるレソト。
この様な、あたたかい衣装が伝統的となるんだね。
ほら、あちらにも。
毛布を悠々と着こなすその姿の、なんとカッコいいことか。
「毛布の民」の国、レソト王国。
なんて素朴でカッコいい土地なんだろう。
サニパスの風景
ここは、ドランケンスバーグ山脈の渓谷の上。
南アフリカ共和国との国境沿いにある、小さな村。
明日は、レソトを発って南アフリカ共和国へ戻る予定。
ここサニ・マウンテン・ロッジのすぐ隣にある出国ゲートを通ったら、後はひたすら渓谷を下りていく。
その道の名が、サニ・パス(Sani Pass)という峠道。
上から見下ろしていると、たまにノロノロと車が通りかかるのが見える。
相当な悪路なのか、歩いた方が早いのではないかと思えるほどの安全運転。
その上、対向車が来てもすれ違えないのではないかと思う頼りない道幅。
どうするのだろうか。
ちなみに、サニ・マウンテン・ロッジは、こんな立地。
レセプションがある建物のテラスから目と鼻の先に、渓谷を見下ろせるスポットがある。
そりゃあ、人気の宿になるわけだね。
レセプションの近くにある部屋は、伝統家屋を模した可愛い建物♡
私たち貧乏バックパッカーが泊る様なドミトリー棟は、こことは天と地ほどの違いがあるのだけれど…。
しばし、渓谷とは逆の方向へ歩いて行ってみる。
雲行きが怪しすぎるけれど…。
こちら側では、ローカルたちの素朴な生活様式を垣間見る事ができる。
伝統的な三角屋根の家屋も、とても可愛らしい。
いいなー、レソト。
のんびりとしていて、素朴で、何より辺り一面が絶景で。
もう何泊か、のんびりと滞在したくなる。
だけど、ここサニパスの夜は、私には耐えがたいほどに寒い。
サニパスの絶景と、素朴でのんびりとした生活と。
それらをもう少し堪能したい気持ちよりも、早く暖かいところに脱出したい気持ちの方が上回ってしまったので、明日は予定通りに出国する事にする。
北国出身なのにね…情けない。
レソト旅行記・完
▼次回は、レソト旅行まとめ記事▼
【まとめ】7日間のレソト旅|費用・ルート・ダイジェスト