マチャメゲート(1,800m)→マチャメキャンプ(2,835m)
今日から6日間、キリマンジャロ登山に出かける。
キリマンジャロは、標高5,895mで、アフリカ大陸最高峰の山。
そして、山脈に属さない「独立峰」としては、世界最高峰。
セブンサミッツと呼ばれている、「7大陸最高峰」の1つに、挑戦するのだ。
- アジア大陸:エベレスト(8,848m)
- ヨーロッパ大陸:エルブルス山(5,642m)
- 北アメリカ大陸:デナリ(6,190m)
- 南アメリカ大陸:アコンカグア(6,962m)
- アフリカ大陸:キリマンジャロ(5,895m)
- オーストラリア大陸:コジオスコ(2,228m)
- 南極大陸:ヴィソン・マシフ(4,892m)
▼前回のお話し▼
アフリカ大陸最高峰|キリマンジャロ登山のツアー会社を探す
カメラ破損…モシでカメラ屋さんを探す
出発は9時の予定だったのに、8時30分にガイド率いる一同が迎えに来た。
早すぎるよ…まだ、準備中なのに。
「準備が終わってからでいいよ!待っているから!」
なんて言われても、待たれているかと思うと焦ってしまう。
のんびりマイペースに準備をしていたのに、焦ってパッキングをしてしまった為に、大切なカメラを落として壊してしまった。
なんという事だ…。
キリマンジャロで、たくさん写真を撮りたかったのに。。
カメラは、デジタルな部分が壊れたわけではなさそう。
レンズの、本体との接着に必要なプラスチックが割れてしまったみたいだ。
宿のスタッフに、テープを借りて補強。
時々使えるけれど、エラーになってしまう。
迎えに来たスタッフに、「この町にカメラを買える場所はあるか。もし時間があれば、立ち寄ってほしい」と申し出る。
カメラ屋さんに連れていってもらえるものかと思ったのだけど、「カメラに詳しい個人」の元をたらい回しにされる。
カメラ屋さんがないなら、そう言ってくれればいいのに…。
最終的に、カメラ屋さんに着く。
ニコンかソニーの一眼レフしかないみたい。
私は、使い慣れているキャノンのミラーレスが欲しい。
という事で、諦める。
画質は落ちるけれど、サブで持っているコンパクトデジタルカメラで我慢しよう。
2時間もロスしてしまった。
最初から、カメラ屋さんに案内してくれればよかったのにな…。
ガイドのペトロも心配になったのか、カメラに詳しい人巡りの途中で登山歴を聞いてきた。
「今まで、登山の経験はある?」
キリマンジャロは、アフリカ大陸最高峰とは言え、素人でも挑戦できる山と言われている。
アイゼンやピッケルなどの雪山登山用の装備や技術は必要なく、道のりとしての難易度は低いという事だ。
だから、登山経験のない初心者も、多く挑戦している。
アイゼン
氷や雪の上を歩く為に靴の裏に装着する、滑り止め。
ピッケル
雪山登山に使う、つるはしの様な形の道具
「ある」と答えると、「どこの山か」と「最高到達地点の標高」を聞いてきた。
「ヒマラヤ山脈で、最高5,550mまで行った」と答える。
ペトロは、安心した表情を見せる。
時間をロスしても、登山経験があれば大丈夫だと踏んだのだろう。
「だけど、それは2年前の事。それ以来、ほとんど登山はしていないよ」
…とは、言わないでおこう。
モシから、キリマンジャロの登山口へ
気を取り直して、出発。
途中で、お肉屋さんに立ち寄る。
標高の高いキリマンジャロの中で、お肉が食べられるのか!
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あぁしかし、やはり画質悪いなー。
1時間程で、キリマンジャロのゲートに着いた。
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町から、とても近いんだね。
スタッフが荷造りをする間、私は休憩スペースで待つように言われる。
カメラを諦めきれない私は、もう一度、机にしっかりと固定してテープを巻いてみた。
すると、なんと直ったみたいだ!(応急処置だけれど…)
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ここは、マチャメルートの始まり、マチャメゲート。
キリマンジャロはルートがいくつかあるのだけど、多くの人が選ぶのは2コースから。
・マラングルート:4泊5日(通称:コカ・コーラルート)
このルートは、全て山小屋泊。
4泊5日という短い行程で登るため「高山病」を発症しやすく、1番人気のルートながら、登頂率は高くはないらしい。
・マチャメルート:5泊6日(通称:ウィスキールート)
このルートは、全てテント泊。
こちらの方が高度順応がしやすく、登頂率が高い。
景色もこちらの方がよく、帰りはムウェカルートという別のルートを通るので、変化も楽しめる。
ここは、既に標高が1,800mもあるみたい。
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富士登山の場合も、スタート地点は2,000mだから、ほぼ同じだ。
ヒマラヤトレッキングの始まりの町「ジリ」も、確かそれくらいの標高だった。
今日はここから、標高2,835mのマチャメキャンプを目指すのだ。
この看板には、距離は11キロで所要時間は5時間と書かれている。
最終目的地のウフルピークまでは、あと40キロで32時間!
休憩所には、見たことがない種類の猿がいた。
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欧米人トレッカーが、何やら餌を与えている。
「君もあげてみる?」と言われたけれど、遠慮してみた。
だけど、あげればよかったかな。
見ていたら、面白そうに思えて来たよ。
ここまで連れてきてくれたドライバーが、「もう帰るよ」と言いに来た。
「チップが欲しい」と言われたので、$5渡す。
凄く喜んでいたから、渡し過ぎたみたいだ。
確かに、たった1時間の道のり。
タクシーに乗っても、もっと安いのではなかろうか。
だけど、カメラに詳しい人巡りで、通常より手間を掛けてしまったからね。
多めに渡して、丁度いい。
マチャメゲートからマチャメキャンプへ
13:30頃、ようやく出発!
森林帯の中をゆく。
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途中で何人ものポーターに追い抜かれる。
彼らの歩みは、とても速い。
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1時間ほど歩いて、ランチ休憩。
ガイドのペトロが先ほどから腕に抱えていた箱は、どうやら私のランチボックスだったみたい。
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ペトロは、この写真の左上にある丸い揚げ物を3つ程食べて終了。
え!それだけ!?
私のランチの3分の1程を、ペトロにおすそ分け。
そもそも、私もこんなに食べられないし。
2人で食べて丁度いい。
しばらくは、代わり映えのしない森林帯の中を行く。
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キリマンジャロに来たという実感など、ほぼない。
なんだか、日本の夏山を歩いている様な気分だ。
日本の夏山を歩いている時みたいに、さくさく進んではいけないのだけどね。
ここは、標高2,000m越えの高地なのだ。
しっかりと、呼吸を意識しながら歩く。
たまに、景色が開ける。
これは、「なんとかガーデン」(←名前忘れた)と呼ばれているんだって。
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滝もある。
下界で売られている水には「キリマンジャロ」と書かれているから、ここの水なのだろうか。
ペトロに聞いてみたけれど、わからないみたいだ。
ちなみに、私は今ミネラルウォーターを持っているけれど、明日以降は川の水を飲むことになる。
それでお腹を壊したという人のブログ記事を読んだことがあるから…心配だ。
念の為、浄化用のタブレットを買ってあるけれど。
鬱蒼とした森林帯の中を、ひたすら歩く。
森林限界は、まだ訪れないようだ。
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ところで、なんだか顔が痺れる。
これは、昨夜から飲み始めたダイアモックス(高山病の予防薬)の影響なのか、それとも酸素不足なのか。
ラスト30分だよと言われた地点からが、結構つらい。
酸素不足か、筋力不足か。
こういう注意事項の看板が見えたら、キャンプ地が近い証拠なんだって。
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看板から10分ほどで、キャンプ地の端に出た。
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ここから、さらに5分歩いてゴール。
18:50。
所要時間、5時間20分。
コースタイムより、20分オーバーだ。
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ウフルピークまで、あと30キロで27時間!
キャンプ地での過ごし方
キャンプ地に着いたら、毎回小屋で帳簿に記帳をしなければならない。
前のキャンプ地を出た登山客が、きちんと次のキャンプ地に着いたかの確認だろうか。
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そして、これが私のテント。
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先に着いていたポーターたちにより、既に準備されていた。
テントはマットレスを3枚敷けるほどの広さで、1人の私にとっては十分な広さ。
テントに入って間もなく、顔と手を洗うために、洗面器に入ったお湯をもらう。
こんな高地でお湯がもらえるなって、ありがたい。
ここまで来ると、めちゃくちゃ寒い。
歩いていれば平気なのだけど、滞在していると寒い。
Tシャツ1枚だった身体に、ヒートテックとパーカーを追加。
このキャンプ地には、トイレがある。
ここに来るまでの間にも、2か所のトイレがあった。
そういう設備があるのは、予想外。
簡単なボットントイレだけど。
お湯で手と顔を洗って間もなく、配膳係がお湯と紅茶を持ってきてくれた。
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高地では、コーヒーや紅茶がいいんだって、ツアー会社のオーナーに言われていた。
だけど、「ミルクは入れてはいけない」って。(なんでだろう?)
私はコーヒーより紅茶の方が好きだと言ったから、紅茶を用意してくれた。
ただ、お湯は少し濁っていて、細かい何かが浮いていた。
取り換えてもらったけど、濁りは消えていなかった。
大丈夫かな。
お茶タイムの後は、夕食。
欧米人の団体は、大きなテントの中に椅子とテーブルを置いて、皆で食事を取っていた。
きっと、高いツアーだと、そういうサービスの質も上がるんだろう。
私の食事は自分のテントの中に運ばれてくるのだけど、何故かペトロも一緒にいる。
パンが5枚出てくる。
私は3枚だけたべて、残り2枚をペトロにあげる。
もうこれだけで、お腹がいっぱいになってしまう。
続いて、スープが出て来た。
とても美味しい。
スープは、お椀に3~4杯は取れる量。
スープとパンで、十分だ。
なのに、ポテトと魚のフライと野菜ソースが出てきた。
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無理だ。
少しだけ食べて、ペトロに「これ以上は食べられない」と伝える。
何故か、聞き入れてくれない。
「もう少し」
「もう少し」
…と、食べても食べても、次々と要求してくる。
「本当に無理!これ以上食べたら吐く!」と言っているのに、聞いてくれない。
最初はやんわりと…だけどあまりにもペトロがわからず屋なので、私は強い口調で拒絶の意思を示す。
もう、ハラスメントレベルでの食事の強要。
「食べないと、山を登るための体力が付かない」
というのが、ペトロの言い分。
だけど、吐き気がしているのにも関わらず、更に食べ続けるという事が、本当に必要なのだろうか。
ペトロ「食べて太らないと、男にモテないよ」
わたし「日本では、太ったほうがモテなくなるよ」
ペトロ「じゃあ、ここで沢山食べて、太って、タンザニア人の彼氏を作ればいいよ!」
その理論は、破綻しているよ。
私は、「食べたくない。太りたいわけでもない。日本人の彼氏がいい。」と言っているのに。
「食べた方がいい。でなければ太れない。太った方が、タンザニア人にモテる。」だなんて。
完全に理論が破綻していることに、彼は気づかないのだろうか。
しばらく拒絶を続けていたら、ようやくペトロは諦めてくれた。
「拒否」ではなく「拒絶」。
自分の身体の容量を超える食事を強要されること。
その事に、私は全身で拒絶してしまった。
明日の食事は少なめにして欲しいと伝えるも、聞き入れてくれなかった。
このキリマンジャロ登山で最も辛いことは、満腹と戦いながらご飯を食べる事かもしれない。
吐き気がするけれど、何とか我慢。
明日からは、川の水を飲むのだ。
貴重なミネラルウォーターを、そんな理由で消費するわけにはいかないから。
マチャメゲート(1,800m)
↓(1キロ/5時間20分)
マチャメキャンプ(2,835m)
▼次回のお話し▼
【キリマンジャロ登山2日目|マチャメルート】富士山の山頂と同じ高さを目指す
待ってました~!
ぼちぼち更新してください~。
楽しみにしています。
それにしてもキリマンジャロ登山なんて羨ましい・・・・。
中台かおるさま
さっそく確認して頂いて…ありがとうございます!
キリマンジャロ登山はかなり高額な娯楽となりましたが、行ってよかったです。
私は中台かおる様のカミーノも羨ましいですよ!
(人違いだったらゴメンナサイ)
状況的にヨーロッパには行けなさそうなので尚更です。
はじめまして。
私も来年アフリカに行くので、情報のまとめが分かりやすくて本当に助かってます。
更新楽しみにしてます。
かおりさま
コメント頂きましてありがとうございます。
来年アフリカに行かれるのですね。
それは今から楽しみですね!
個人的な日記ブログのため、役に立つ情報を提供できているのか疑問ですが…なるべく情報要素も盛り込めるように意識致します。。