ー世界はきっと、美しいー
エチオピア -Ethiopia-

【陸路国境越え】スーダンからエチオピアへ|キリスト教徒の国に来た

【アフリカ大陸縦断記】2019/12/31

ガダーレフ(スーダン)→ゴンダール(エチオピア)
-Qadarif to Gonder-

今日は、スーダンからエチオピアへ国境越えの日。

昨日まで滞在していたカッサラ(Kassala)から1日で行く場合が多いみたいなんだけど、到着時間が遅くなるし、慌ただしい旅路になりそう。

だから昨日のうちに、中継地点のガダーレフ(Qadarif)まで来ているのだ。

だって、今日は「大晦日」だもん。
ゆっくり過ごしたいじゃない。

2019年末日までスーダンで、2020年はエチオピアで迎えるのだ。

「大晦日に国境越えをする」なんて、今後の人生で二度とないだろうな。

ガダーレフから国境の町ガラバットへ

まずはガダーレフから、スーダン側の国境の町ガラバット(Gallabat)へバスで向かう。

バス乗り場は、滞在していた宿ALMOTWAKIL HOTELから離れているため、トゥクトゥクに乗りたい。

何台かのトゥクトゥクに声をかけるも、全員「ノーイングリッシュ」。

話も聞いてくれない。

トゥクトゥクが溜まっている場所に行くも、誰も取り合ってくれない。

困った…ここまで英語が通じないなんて。

困り果ててトゥクトゥクのエリアから去ろうとしたら、誰かに呼び止められる。

「どうしたの?」と聞いてくれたので、「ガラバットに行くために、バス乗り場に行きたい」と言うも、伝わらない。

そうしたら、近くに女子学生の集団が現れる。

誰かが彼女たちに向かって、「英語喋れる人いる!?」みたいな事をアラビア語で言う。

すると、一人の女の子が指名されるのだけど、彼女は「え~??わたし~???」みたいな感じで照れている。

ダメ元で、彼女に「バスでガラバットに行きたいのだけど…」と言うと、何故か彼女達は大盛り上がり。

「ガラバット~♪ガラバット~♪ガラバット~♪」

え??なになに??どうした急に!

彼女は結局、私に何も言わなかったので、伝わったのか否かは不明なのだけど。

騒ぎを聞きつけて、英語を流暢に話す神様の様な男性が現れた!

もう、ここまで英語が伝わらないとね…「英語が伝わる人」というのは、大変大変ありがたい存在。

神様に、「バスでガラバットに行きたい」旨を伝えると、すぐにトゥクトゥク運転手に伝えてくれた。

トゥクトゥク料金も、神様に教えてもらう。

50ポンド(約66円)という事だ。

昨日ここまで来たのと同じ距離なのに、昨日の半額だ。

神様のおかげかしら。

神様にお礼を言って、トゥクトゥクに乗る。

無事にトゥクトゥクに乗れるまで、30分もかかった。

スーダンでは、日本では絶対に違法になるであろう、古い車がよく走っているのだけど。

ここまでの車は、初めて見たかも。

トゥクトゥクは、ガタガタの路地を行く。

近道なのかな?
走りやすい大通りを行った方が、絶対早いと思うのに。

と思ったら、彼の私用のために寄り道をしていただけだった。

2回もトゥクトゥクを停めて、待たされる。

お~い!
私は、なるべく早く行きたいんだけど!?

バス乗り場まで、15分ほどかかった。

ガラバット行きのバスはすぐに見つける事ができた。

運賃は150ポンド(約198円)。

だけど、只今の乗客は私1人。

これは、満席になるまで待たなければいけないやつだ。

もう少し早く着いていれば、前の便に乗れたのにな。

という事で、付近を散策。

車内食にお菓子でも買えればと思ったのだけど、見つけられなかったので水だけ購入。

一番後ろの窓側の席に、バックパックごと座る。

背中にバックパック、前にサブバッグ。

狭い…。

窓をトントンとノックされたので見てみると、物売りのおじちゃんがいた。

おじちゃんがクッキーを持っていたので、「これは是非欲しい!」と思って窓に手をかけるも、固くて全く開かない。

そうこうしている内に、バスは発車してしまった。

お互い、「あらまぁ!」みたいな表情になって、笑顔で「バイバイ♪」と手を振り合う。

お互いの目的は達成できなかったのに、なんだかホッコリな体験。

バスが発車したのは、8時少し過ぎ。

国境には、12時頃に着いた。

約4時間。順調だ。

スーダンとエチオピアの国境|ガラバット

バスを降りる。

煩い人が、「チャイナ!イミグレーションオフィス(出入国審査場)はこっちだ!」と付きまとってくるのを無視して、スーダン側の出国審査を受けに行く。

彼の態度があまりにも横暴だったので、「私はチャイニーズじゃないから」と彼を睨みつける。

そうしたら、「あ、ジャパンだったの?ごめんね」と、しおらしく少し控えめになりながらも付いてくる。

間違えた事に怒ったんじゃないよ。

出会い頭に、いきなり人を国名で呼びつける輩に、私は腹が立つのだよ。

中国!中国!ってさ。
せめて「チャイニーズ(中国人)」だろうに。

それにさ、チャイナって呼ばれて、私はチャイナではないのだから、返事をする必要なんてないじゃない。

私の名前は「チセ」なのに、日本の代表名だからって「ハナコ!!!」っていきなり呼ばれても、「私の事かしら?なぁに?」なんて一々振り向かないのと一緒だよ。

スーダン側の出国審査官も、横暴な男だった。

私の顔を見るなり、

「チャイナ!!!パスポートを出せ!!!!」だって。

なんだその態度は。

国の代表のはずの政府関係者なのに、正しい態度と言葉使いができないなんて。

だんだんと機嫌が悪くなってきている私は、「チャイナじゃないから」とぶっきらぼうに答える。

パスポートを見ながら、「じゃあどこから来たんだ!」と怒鳴るもんだから、「ここに書いてあるでしょう!?」とパスポートを指さす。

「名前を言え!」と怒鳴るから、またまた「ここに書いてあるでしょう!?」とパスポートを指さす。

何で、出国審査官なのに、英語表記のパスポートが読めないの?

名前や国名なんて、大した英語じゃないでしょう??

読めないなら、パスポート確認する必要なくない???

私の態度が悪かったせいもあって、パスポートを「バンッ!!!」っと乱暴に机に置いて返される。

腹立つなー。

イミグレーションオフィスを出ると、先ほどの男が待ち構えていた。

げ、まだいるよ。

「次はあっちだよ!」と誘導してくる。

「おっけ~ありがとう。自分で行くから大丈夫だよ~バイバ~イ」と伝えるも、ずっと付いてくる。

「あなたは、政府関係者なの!?」と聞いてみたら、ぼそっと「両替しないか…?」とつぶやく。

両替商だったのね。

「必要ありません」と言うと、男は諦めて去っていった。

両替は必要なのだけど、この男と取引はしたくない。

次は、何やら旅行者用の手続きがあるみたい。

また、オフィスを訪れる。

ここでの対応は、普通だった。

いや、普通より少し悪めだけど、相対評価で普通に見えてしまった。

両替は、スーダン側の方がいいとの事前情報があったので、両替商を探す。

「鬱陶しい度」が中くらいの男性を見つけたので、彼が紹介してくれた両替商と取引。

エジプトポンドからスーダンポンドに替えた時は、闇両替で1スーダンポンドが1.32円の価値になった。

1スーダンポンドが 1.32円以上の価値のエチオピアブルになったらな~というのが目標。

公式レートだと、1スーダンポンドは2.4円なのだけど、「スーダンの通貨の価値は低いんだよ!それはあり得ない!」と言われてしまった。

交渉の結果、1スーダンポンドが 0.4エチオピアブルになった。

1エチオピアブルを、3.3円で買ったという事。

公式レートだと、1エチオピアブルは、3.4円だから、少し安いか。

計算難しい…。

私の15,555スーダンポンド(約20,532円)は、6,200ブル(約20,460円)になった。

たぶん。

今後は、こんなに大金を両替する事はないと思うから…こんなに考える必要もない。
…と信じたい。

次は、エチオピア側の出国審査を受ける。

エチオピア側の出国審査官は、穏やかな人だった。

そして、荷物チェックを受けてゲートの警備員?のチェックを受けて終了。

ゲートの警備員?に、「Welcome to Sudan(スーダンへようこそ!)は、ここで終わりだよ。この先は、エチオピアだ!気を付けてね!」と言われる。

ん??それは、どういう意味だろうか。

ただ、ここでスーダンは終わりで、ここからはエチオピアの領土だと教えてくれただけなのか。

それとも、「ウェルカム!」なホスピタリティ溢れるスーダンと、この先のエチオピアはまるで違う国だからねという、注意喚起なのか。

スーダン人は、とても穏やかでおもてなし精神の溢れる人たちだった。

対するエチオピア人は、世界三大うざい国(インド、エジプト、モロッコ)を越える、世界一うざい国と言っている人もいる。

だけど、この国境の政府関係者の対応は、まるで逆だったな。

エチオピアの政府の方が、きちんと対応してくれた。

だけど、カイロでビザを取ったときもそうだった。

スーダン大使館はカオスで、手続きも煩雑だったのに対して、エチオピア大使館の人は、真摯に対応してくれたんだっけ。

国民と政府は、別物なんだね。

そうだよね、スーダン政府って、未だに南スーダンと揉めているような人たちなんだもんね。

こんな態度だったら、和解なんて永久にできないんじゃないのかな。

ガラバットからゴンダールへ

「Welcome to Sudan」にさようならをして、「エチオピア」の地に足を踏み入れる。

すると間もなく、1台のトゥクトゥクが目の前に停まる。

どこに行くのかと聞かれたので、ゴンダール(Gonder)と答えたら、乗れよと言われる。

歩ける距離なら歩きたいと思って聞いてみたら、2キロくらいだと。

歩ける距離だけど、なるべく早くゴンダールに着きたい気持ちが勝ったので、素直にトゥクトゥクに乗り込む。

運賃は50ブル(約165円)。

確かに、歩くには少し遠いと思う場所に、ミニバス乗り場があった。

時刻は、スーダン時間の13時、エチオピア時間の14時だ。

そう、エジプトとスーダンは同じ時間だったけれど、スーダンとエチオピアの間には1時間の時差がある

1時間分、日本に近づいた。

国境に到着してからここまで、約1時間といったところか。

ミニバスの料金は、300ブル(約990円)。

助手席に乗せてもらった。

スーダンや、その前にいたエジプトは、イスラム教徒の国。

ここエチオピアは、キリスト教徒の国。

人々の服装が、まるで違う。

エジプト、スーダンの人は、信仰度によって程度の差こそあれ、宗教的な身なりだった。

女性は全員、頭にスカーフを巻いているか、目以外の全ての部分を覆っているか。

服装も、身体のラインが見えない、ゆったりとした布をまとっていた。

男性も、宗教的な真っ白のゆったりとした服に、人によっては宗教的な帽子もかぶっていた。

ここエチオピアでは、全員Tシャツやタンクトップにジーパンというラフな格好。

しかも体のラインが強調されるような、ぴちぴちの服を着ているのだ。

お胸の豊満さに、私でも目を奪われてしまうくらいだよ。

さすがキリスト教徒の国という事もあって、十字架のネックレスや、十字架のプリントTシャツを身に着けている人も多い。

国境をまたいだだけで、こんなに違うなんて。

砂漠気候だったスーダンに対して、エチオピアは緑あふれる場所だ。

エジプトも砂漠気候や半砂漠気候だったから、緑なんて久しぶりだ。

美しい、壮大な渓谷を通るのだけど、猛スピードで走る車内からは、うまく写真には撮れなくて残念。

バスは度々、検問にひっかかる。

この検問、7~8回はあったんじゃないかな?数えてないけど。

エジプトやスーダンでは、外国人である私だけパスポートの提出を求められたり荷物チェックをされたりしたのだけど。

この道の兵士は、私には興味がない様で。

念入りに、車内のチェックなどを行う。

座席を確認したり、ダッシュボードの中まで確認。

私のパスポートチェックは、7~8回の内2回だけだった。

検問に加えて、謎の停車時間もあったりして、結局着いたのは19:30頃。

せっかく、早く着く為に経由地のガダーレフで1泊したのにな。

検問が多すぎて、ここまで5時間もかかってしまった。

いつもそうなのか、今日は大晦日だから特別警戒しているのか。

それとも、最近、首都のアディスアベバで抗議デモの呼びかけがあったからかな。

ゴンダールの宿|ミケル(Hotel Michael)

目星を付けている宿のミケル(Hotel Michael)を目指して歩く。

なんか凄く色々な人が声をかけてくるけれど…とりあえず、全部ムシ。

ミケルの近くに着くも、どの建物なのかがわからない。

「何探してるの?手伝うよ!」と声をかけられるのだけど、自分から声をかけた人しか信用したくない私は、別の住民に聞いてみる。

すると、声をかけてきた男が「ミケルならここだよ!僕はここの従業員さ!」と言う。

本当かなー。

「でも、ホテル名の記載がないじゃない!」と言うと、「レセプションは、あっちの建物にあるからさ!中に入れば、ホテル名の記載があるよ!」と言うので、半信半疑で付いて行ってみる。

すると確かに、中の事務所の入り口にホテル名の記載があった。

疑って、ちょっと申し訳なかったかな…と思ったら、「色々な悪い人に声をかけられて、疑い深くなってしまうのは仕方がないよ!」とフォローされた。

このホテルは、スタッフが親切だという記事を読んで来たので、前評判通りか。

事務所にいた別の男に、部屋を案内してもらう。

今夜は4人部屋しかないらしく、今日はこの4人部屋に泊まって、明日は部屋を移るのだと。

4人部屋も1人部屋の料金と同額の400ブル(約1320円)でいいよ、と。

スーダンの物価感覚が抜けていない私は、せめて明日以降の1人部屋の料金だけでも下げてもらえないかと交渉したのだけど、これがミニマムだと言う。

こんな時間に他に候補もないので、ここにしようか。

部屋は清潔で、Wi-Fiも使えるし、ホットシャワーも出るという。

ホットシャワーはありがたい!!!

「今日は大晦日だから、スペシャルディナーをプレゼントするよ!」と言われる。

「このホテルで食べるの?」と聞いたら、「別のホテルだ」と。

う~ん、エチオピアの大晦日のディナーは気になるけど。

だけど、このホテル内ならまだしも、出会って数分の男と深夜に別のホテルに行くのは…ちょっと賭けだよね。

しかもどうやら、皆でパーティーをしている会に混ぜてもらうなどではなく、2人きりみたいだ。

親切心はありがたいし、疑って申し訳ないのだけど、「やりたい事があるから」とお断りさせて頂く。

小さな売店で水とクッキーを買いたいなと思い外に出る。

すると、先ほどのホテルの男に「どこに行くの!?」と呼び止められる。

ディナーを断ってしまった手前、クッキーを買うとは言えず「水を買いに行く」とだけ答える。

すると、「水ならホテルで買えるよ!」と、鍵の閉まっているバーフロア?の様な部屋に案内される。

冷蔵庫にコーラもあったから、コーラも購入。

すると、ビールを出してきて栓を抜こうとするので、慌てて止める。

「私は、アルコールは飲みません!」

「え??1度も飲んだことないの!?」

「いや、飲んだことはあるけど、嫌いなんです」

でも今日は大晦日だよとゴリ押しされるのだけど、何とか阻止をする。

私は、女一人旅中のマイルールとして、お酒は一滴も飲まないと決めているのだ。

異国の地で、一瞬でも正常な判断力を失うのが怖いから。

だけど「嫌い」で付き通す。

彼は、不満そうだ。

これは、彼が下心で私にアルコールを飲ませたがっているのか、それとも純粋なる親切心なのか。

エジプト、スーダンというイスラム教徒の国を越えて来た旅人は、キリスト教徒の国であるエチオピアでようやくビールが飲める事に感動するのだ。

そういう旅心を汲んでの親切心だったら、申し訳ないんだけどさ。

お酒を断ると、「エチオピアの伝統的な家々を見せてあげるよ!」と誘われる。

いや~、こんな時間に2人で観光は、「近所のホテルでディナー」よりもナシだわー。

「エチオピアでは普通の事だよ!なんたって、今日は大晦日なんだよ!」とゴリ押しされる。

ないない。

小さいゲストハウスのオーナーと、少し話して打ち解けてから出かけることはあったけど。

こんなホテルタイプの宿の、いちスタッフをすぐに信用するのはあり得ない。

ただの親切心の可能性は、もちろんあるけれど。

だけど「エチオピアの大晦日について知りたい!」という欲を満たすために、賭けに出るわけにはいかない。

少ししつこいので、ちょっとぞんざいに断って、逃げる様に部屋に戻る。

はぁ、クッキー買えなかったな。

今日は朝から移動移動で、水しか身体に入れていないのに。

大晦日だというのにさ、今日の唯一の食事は、この500mlのコーラだけだ。

空腹に炭酸飲料はよくないなとは思いつつ、貴重な糖分の接種のために、ゆっくりと慎重に飲み干す。

エチオピア1日目。

この先の旅は、まだまだこんなもんじゃない。
…と、すぐに思い知る事になるのだけれど。

この日の私は、まだ何も知らないのだ。

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