他のアフリカ諸国と比べると、驚くほどに先進的で西洋的な街並みの南アフリカ共和国。
一方、治安面でも、他のアフリカ諸国とは雰囲気が違うなーと感じた。
あくまでも、私が感じた治安…主観100%のおはなし。
もくじ
ケープタウンで感じた治安
ケープタウンでの移動は、安全の為にウーバーを利用する事が多かった。
出歩くときは、気を付けて歩いていればそこまで恐れるほどでもないのかな?と感じた。
だけど事件が多い町であることも確か。
何もなかったのは、運が良かっただけとも言えるかもしれない。
ダウンタウンで感じた治安
安宿や飲み屋が多いエリア。
ケープタウンの中でも、特に治安が悪いらしい…?
その為、街の至る所に警備員がいて、昼夜問わず守ってくれている。
夜も飲みに出る人で賑わっているので、「人目」があるため逆に安全と言う人もいる。
ケープタウンでは、物乞いの種類が他の国とは違うなと感じた。
日本人4人で歩いていたとき。
1人は一眼レフカメラを、貴重品と悟られない様に、スーパーのビニール袋の中に入れて持ち歩いていた。
すると1人の物乞いが、他の3人には目もくれずに一眼レフの彼に近づいてきた。
彼が持っていたビニール袋を指さして乞う。
「お金はいらない。食べ物でいいので恵んで欲しい。」
一眼レフで膨れたビニール袋を、潤沢な食べ物だと思ったらしい。
彼に拒否された物乞いは、路上に座り込んで食べ物を食べているストリートチルドレンの姉妹から、その食べ物を恵んでもらい去っていった。
子供から食べ物を奪っていくなんて…と私たちは思ったけれど、それほどまでに飢えていたのかもしれない。
ケープタウンの、小さなショップで買い物をしていると、物乞いがショップの中まで入ってくる光景に出会う。
店員が大声を出して追い払うものの、彼等はめげずに食い下がる。
買い物客に、おこぼれで食べ物を買ってほしいのだ。
「お金はいらない。食べ物でいいので恵んで欲しい。」
あの物乞いのセリフが、全てを物語っている様に感じた。
ダウンタウンの近くの、マレーシア系移民の居住区「マレー・クウォーター」も治安が良くないと言われていて、「催涙スプレー強盗」の話を聞いたばかり。
お金を奪う人もいるというのは、念頭に。
ケープタウンの物乞いと強盗
ケープタウンの駅の近くで、地元の青年に道案内をしてもらっていた時のはなし。
彼と歩いていた時、1人の物乞いが近づいてきた。
その青年は、すぐに物乞いにお金を恵んだ。
物乞いは、無視をし続けるとずっと付いてきて、その間に財布やら携帯やらの貴重品の場所を把握し始めるのだとか。
そうなる前に、さっさと少額のお金を与えて追い払った方が安全なのだと、少年は言った。
そしてその少年は、先日強盗に遭ったばかり。
強盗にナイフでやられたという生々しい傷が、少年の首筋にザックリと残っていた。
ケープタウンから郊外へ向かうローカル列車
ケープタウンから、ローカル列車に乗って郊外へ行ったときのはなし。
南アフリカ共和国のローカル列車は、治安が悪いらしい。
片道数十円で乗れる激安な乗り物なだけに、貧しい人がたくさん乗っている。
ガイドブックには、「昼間でも安全とはいえないので、利用しない様に」と書かれている。
そういう先入観もあってか、なんとなく雰囲気が悪い気がした。
駅のホームで出会った女性が、心配してずっと付き添ってくれた。
彼女から、「列車は危険だから、帰りはバスで帰りなさい」と忠告も受けた。
確かに、窓枠に足を掛けて窓から外に身を乗り出して乗る人もいるほどに、列車の車内は混んでいた。
事件や事故…何があっても不思議ではない。
…と思っていたら、やはり事故は起きてしまった。
帰りに再び駅に行った時、人身事故が起こってしまったのだ。
窓枠に足をかけてしがみ付いている人や、列車の連結部分に足をかけて乗っている人…そんな、列車の外側の人の中の一人が、滑落して轢かれてしまったのだ。
もう一度言いたい。
ケープタウンのローカル列車は、事件や事故、何があっても不思議ではない…と。
ケープタウンのローカル列車の危険性|アフリカ旅で、最も衝撃的な気分の日
ケープタウン、治安のいいエリア
パッケージツアーに申し込んだ場合は、「ウォーターフロント」の宿に泊まる場合がほとんどらしい。
ウォーターフロントは、その名の通り港沿いのエリア。
西洋風のショップやレストランが立ち並ぶ、お洒落なエリアだ。
ここで過ごしているローカルのほとんどは、南アフリカの人口の2割しかいないはずの白人。
ダウンタウンと比べて、治安がいいらしい。
ウォーターフロントより更に先には、「シーポイント」というエリアがあり、こちらも治安がいいらしい。
住民のほとんどが、やはり人口の2割しかいないはずの白人たち。
ウォーターフロントと比べると「観光」の要素はぐんと減るけれど、治安がいいため住むには最適なのだとか。
「ダウンタウン」と「ウォーターフロント」の間に位置する「グリーンポイント」というエリアも、宿を取るにはオススメ。
ダウンタウンと比べると治安がよく、ウォーターフロントと比べると宿代が安い。
ヨハネスブルグで感じた治安
アフリカ大陸の東部を縦断するルート上には、治安が悪いと恐れられている「凶悪都市」が3都市ある。
1ヵ所目は、ケニアのナイロビ。
2ヵ所目は、タンザニアのダルエスサラーム。
3ヵ所目が、南アフリカ共和国のヨハネスブルグ。
ケニアのナイロビは、「どんなに短い移動でも、必ずタクシーに乗りなさい」と言われている。
歩いていると、強盗に遭う可能性が高いから。
逆にタンザニアのダルエスサラームでは、「絶対にタクシーには乗らない様に」と言われている。
乗ったタクシーのほとんどが、タクシー強盗…つまりタクシー運転手にひと気のない場所に連れていかれ、金品を強奪される可能性が高いから。
実際にケニアのナイロビに行った時、十分注意が必要な都市だなとは感じたものの、注意しながら歩く日中であれば、事前情報ほどは恐ろしい場所ではないと感じた。
凶悪都市ナイロビ?を女1人で歩いてみる&日本食レストラン「てりやきジャパン」
タンザニアのダルエスサラームには、私は行っていないものの、実際に行った人から話を聞く限りでは、やはりナイロビと同じ様な感想だったと。
十分注意が必要、だけど出歩けないほどに凶悪ではない。
そして、南アフリカ共和国のヨハネスブルグ。
こちらは、他2都市の凶悪エピソードを遥かに上回るエピソードで溢れている。
宿から出た人が、数分後に血だらけで帰って来ただとか、軍人上がりの数人のグループが、もっとガタイのいい十数人に囲まれて手も足も出なかったとか。
強盗に遭う確率は150%で…1度強盗に遭う確率が100%、1度強盗に遭った人が再び強盗に遭う確率が50%なのだとか。
具体的なエピソードの真偽のほどは確かではないものの、やはりそんな話が出るからには治安は格段に悪いのだと想像できる。
実際にヨハネスブルグに行った時、インターケープのバスが停まった駅の周辺は、人ものんびりと歩いていて、そこまで凶悪とは感じなかった。
駅から出てウーバーに乗るまでの数分間くらいなら、外に出ても平気な雰囲気。
だけど、ウーバーで移動中の車内から見た街並みは、閑散としていて不気味だった。
南アフリカ共和国で最大の人口を誇る大都市のはずなのに、人がほとんど出歩いていないのだ。
夕方の、とてもいい時間帯にも関わらず。
地元民が外出しない都市…それが、治安がどれほど悪いのかを物語っている。
宿の2軒隣のバーにお酒を買いに行くだけでも、宿のスタッフが付き添ってくれた。
たった2軒隣の建物なのに…それに付き添いが必要だなんて、どれほど治安が悪いのか。
実際に恐ろしい体験をしたわけではないのに「治安が悪い」と断言するのも如何なものかと思うけれど、油断禁物の都市であるという事だけは、断言できる。
ちなみに、インターケープが停まる場所は駅に直結していて、そこから安全に地下鉄に乗る事ができる。
地下鉄に乗って、富裕層が住んでいる治安のよいエリア「ローズバンク」や「サントン」に宿を取り、観光バスに乗って車内からヨハネスブルグを見物するのが、安全にこの町を楽しむ方法。
また、この駅からは空港にも行く事ができる。
どうしてもヨハネスブルグ空港を利用したい、だけど市内に立ち寄るのは怖い!という場合は、インターケープの長距離バスで駅まで行って、そのまま地下鉄で空港まで行ってしまえば安全。
南アフリカ共和国で感じた治安まとめ
一見、先進的な街並みが美しい南アフリカ共和国。
だけど、ほんの30年程前まではアパルトヘイト(人種隔離政策)と呼ばれる、白人による黒人差別が合法的に行われていた国。
まだまだ、問題をかかえている国なんだと思う。
ケープタウンもダルエスサラームも、その都市に応じた対策を取れば「滞在」はできる。
情報収集も大切だけれど、実際に行った時に「自分が肌で感じた直感」も大切に、少しでも危険を感じた場所や人には近寄らない、ウーバーで移動するなど、すぐに身を守れる様にアンテナを張って歩く事が大切だと思う。