カイロ(エジプト)-Cairo-
エジプト旅行の初日。
アフリカ大陸縦断旅行の初日でもあるし、世界周遊旅行の初日でもある本日。
さっそく観光!ピラミッド~!
…ではなくて、スーダンビザ取得の為に大使館へ行く。
こういう、時間がかかりそうで面倒な手続き関係は、さっさと終わらせるに限る。
エジプト(カイロ)の日本大使館|レターをもらいにいく
エジプトの次に行く予定のスーダンはビザが必要で、スーダン大使館で取得ができる。
だけどこのスーダン大使館に提出するためのレターなるものを、先に日本大使館に行って取得しなければならない。
レターというのは…簡単に言うと、「この人にビザを発行してあげてね♪」という、日本大使館からの紹介状の様なものだと思う。たぶん。
レターは、国によって必要だったり必要なかったり。
スーダンは必要だけど、次に行く予定のエチオピアは不要。
という事で、まずは日本大使館を目指す。
海外の日本大使館なんて初めて行くから、少しドキドキ。
無事に中に入れてもらえるものなのかしら。
初めて歩く、カイロの朝。
インドと同じで、遠くはスモッグでぼやけている。
あぁ、ここも大気汚染の激しい町なんだな。
そして最寄りの地下鉄駅。
多分、これだよね?
Mって書いてあるし。地下に続く階段だし。
切符は、なんと3ポンド(21円)だった。
安い…。
日本大使館の最寄り駅は、ハダーイク・エルマアディ駅。
ハダーイク・エルマアディ駅(HADAYEK EL-MAADI)
地下鉄ブルーライン/アッ・サーダート駅(Sadat)から約11分
▼詳細は、日本大使館のHPにて▼
https://www.eg.emb-japan.go.jp/itpr_ja/about_us.html
外に出ると、なんと懐かしのリクシャーがたくさん待ち構えていた!
あ、この乗り物、ここでは何て言うんだろう。。
でも、この黄色と黒のデザインは、まさにインドのリクシャーにそっくりだ。
日本大使館に行く途中、歩道のすぐ脇でライフルを構えているガードマン(兵士?)を発見。
ライフルを持った人になら免疫あるけど…構えている人には免疫がない。
このまま行くと、私はまさに彼の銃口の目の前を通る事になる。
私が通過するときにさ、ちょっとした遊び心で引き金を引いたら…もうその人差し指のくいっとした少しの動作で、私の人生が終了するわけだ。
だけど走って通過したり、急に迂回したりなんかしたら逆に怪しい。
だってすでに彼の目線は、がっつり私に向いているから。
彼の前を、何食わぬ顔で通過する。
もちろん、特に何事も起こらない。
そりゃそうだ。
だけどしばらく経ってから後ろを振り返ってみたら、彼はまだ私を凝視していた。
なんでだー。
日本大使館についた。
重厚な扉の前に、ガードマンが立っていた。
ちょっと怖い…だけど恐る恐る、中に入れてもらえますか?と尋ねたら、快く入れてくれた。
ふぅ~。
ここから先は、日本の領土。
法律も、日本の法律が適用される。
海外の中の日本。それが大使館。
だから日本人スタッフばかりなのかと思っていたけど、受付にいたのはエジプト人ばかりだった。
笑顔がキュートなエジプト人女性に誘導されて、荷物検査室に入る。
「アラブ語話せる?♪」と言われて、ノーと答える。
なんかさ、挨拶くらい覚えておけばよかったよ。
そうしたら、「コンニチワ~♪」と日本語で挨拶してくれた。
入り口の重厚さとは相反して、朗らかな日本大使館内部。
窓口に行くと、丁寧だけど無表情な日本人女性が対応してくれた。
ここは日本のお役所だ。
「スーダンには外務省からレベル2(不要不急の渡航はやめてください)が発令されていますが、どうしても緊急で行く必要があるのですか?」と言われる。
別に緊急ではないけど…「そうですね、できれば行きたいです」と曖昧な回答をする。
そして「レベル2が発令されていることを承知の上で、渡航します。」みたいな内容の念書を書く。
こういうのは、形式的なものだとわかってはいるけれど。
それでも、いざ書くとね…「私、そうまでして行くのかスーダンに。ただの旅行なのにな。」って、なんだかいけない事をしているような…身が引き締まるような思いがする。
それが狙いなのかもしれないけど。
スーダンは、今年の6月に一度、レベル3(渡航は辞めて下さい/渡航中止勧告)まで上がっている。
アフリカ縦断は諦めなければならないのかな…って、しばらく様子を見ていたら、いちおう両者が和解したとかで、数か月後にレベル2に戻ったのだ。
アフリカ諸国の様な、情勢が安定しない国々は、行けるときに行かないと一生行けない可能性があるんだ。
だから今は、私的にはチャンスだと思っているんだけど。
レター取得の申請書と、この念書と、あとは日本に帰国するまでの全ての行程を書いた紙を提出。
30分ほど待ってくださいと言われて、10分ほどで呼ばれた。
これも、日本らしい。
海外だったら、30分待てと言われたら、1時間くらい待ってもおかしくない。
長めに見積もって伝えるのは、日本独自だと思う。
日本のこういうところ、好きだな。
そして、初めて挑戦したレター取得のミッション、無事に完了っ!
エジプト(カイロ)のスーダン大使館|ビザをもらいにいく
次は、スーダン大使館に行く。
スーダン大使館は、地下鉄のイッ・ドッキ駅が最寄。
イッ・ドッキ駅(El Dokki)
地下鉄レッドライン/アッ・サーダート駅(Sadat)から約3分
その前に、Wi-Fiを使う為に宿に戻る。
スーダンビザ取得のためにはスーダンの滞在先の住所も必要とかで…ちゃんとオフラインで保存していたのに消えてしまっていたから。
Wi-Fiカフェとか探せればいいんだけどね…私の旅人スキル、まだそこまで高くないのです。
実際は、スーダンの滞在先を記入する項目なんてなかった。
フォーマットが変わったのかな?
スーダン大使館へは、徒歩20分くらい。
途中で、路地を通る。
エジプトでは、洗濯物は窓際に張られている針金に吊るすみたい。
私も宿で干したんだけど…なんか手が滑って下に落ちていかないかとヒヤヒヤする。
なんなら、洗濯場バサミ1コ下に落としたし。(ゴメンナサイ)
スーダン大使館に着いた。
入り口でガードマンに聞いてみたら、パスポートチェックも何もなく普通に入れた。
中に入っても、パスポートチェックも荷物チェックも何もなく、すぐに窓口に並ぶ。
なんだこの、日本大使館との違いは…。
中に入ると、エジプト人のそれとは全く違う顔付きの人たちでごった返していた。
エジプトはね、大陸的にはアフリカ大陸ではあるんだけど、文化や人種的にはアラブ系になる。
だから、どちらかというと私は今、アラビア旅行中だなのだ。
フィリピンの語学学校MONOLにはアラブ人(サウジアラビア人)がたくさんいて見慣れているから、実はエジプト人に対してあまり異国感を感じていなかったりしたんだけど。
だけどここにいる人たちは、私が今まで関わった事のない…本当のアフリカ人たち。
肌も、エジプト人がナチュラルブラウンなのに対して、ここにいる人たちは濃い目のブラウンだったり、真っ黒だったり。
彼等はスーダン人なのかな。
なんだかワクワクする。
とりあえず、適当な窓口に並んでみる。
窓口は、凄く混んでいるわけではないのだけど、対応してくれる人が中々来ないから列が進まない。
そうしたら何故か、前にいたスーダン人(?)が、一番前に並ぶようにとジェスチャーで伝えてくれた。
え??
他に並んでいた人の顔を見ると、「いいよいいよ」みたいな対応をされる。
よくわからないけど…一番前に並んでみる。
優しいな、スーダン人。(…かどうかは不明だけど)
先頭で、30分ほど待つ。
すると係員に、あっちの窓口だ!と言われる。
窓口を教えてもらうのに、30分もかかった。
それくらいさ、すぐ教えてくれたっていいのに。
ここでは、「まず話を聞いてもらう!」というところに辿り着くのが大変だ。
「あっち」の窓口に並ぶ。
そろそろ先頭かなと思う頃、並んでいた英語の話せるスーダン人(?)に話しかけられる。
そして、ビザの申請は13時までだから、今日は申請書だけもらって帰るといいよ。
必要な書類は、これとこれとこれ。ビザ代は150ドルだよと教えてくれる。
親切!
そして私のパスポートを手に取って、窓口の男性にしきりに訴えてくれる。
ここでは、「窓口の先頭の人から順番に要件を聞いてもらえる」なんて期待してはいけない。
みんな、「俺の話を聞いてくれ~」「俺の書類を受け取ってくれ~」と、必死でアピールしているのだ。
そして、係員の気が向いた時にようやく対応してもらえる。
私、そんな積極的な行動なんてできないんだけど…。
彼に手伝ってもらったけど、今日はダメだった。
申請書をもらう事すらできなかった。
申請書なんてさ、ご自由にお持ちくださいで積んでおいてもいいくらいのものなのに。
明日の9:00~12:00の間に来なよと、手伝ってくれた男性が教えてくれた。
さっき宿に戻ってなければ間に合ったのになー。
翌日、無事にスーダンビザ取得!
諦めて、駅に戻る。
ドッキ駅の近くに人気のコシャリ屋さんがあるはずなのだけど、見当たらない。
閉店したのかな??
その代わり、美味しそうなケバブ屋さんを発見!
ケバブの写真撮っていいか聞いたら、店員さんがカメラ目線してくれた。
そして、俺も撮ってくれよと仲間たち。
手前がチキンで、奥がビーフ。
どっちがオススメ?って聞いたけど、英語はあまり通じないようだ。
よく見たら、看板はアラビア語表記オンリーだ。
チキンのミドルサイズを注文。
18ポンド(約126円)。
美味しい~!
これはラージサイズでも良かったかも!
この駅にはまた来るから、次はビーフを食べてみようかな。
ダウンタウンのサーダート(Sadat)駅に戻って来た。
時刻は15:00頃。
これからどこかへ行くには、時間が中途半端すぎる。
なんか疲れたし。
という事で、駅の近くにあるエジプト考古学博物館に行ってみる。
エジプト考古学博物館
入場料は、200ポンド(約1400円)もする。
それだけ、価値があるということなのだろうか。
ゲートをくぐると、スフィンクスがお出迎え。
カメラは持ち込めないので(お金払えば持ち込めると思うけど)、カメラ預り所で預ける。
中には、エジプトで発掘されたと思われる像がたくさん並んでいた。
こんなに無造作に並べられても、私にはよくわからない。
発掘されたその場所にそのまま置いてあれば、イメージも湧くと思うんだけど。
だけど古代の人々の装飾品なんかは、なんだか感慨深い。
これを身に着けて、遥か昔にこの地で生を営んでいた人々がいたんだなと思うと、なんだか凄い事の様な気がする。
だけど、それ以上の感想を持つには、私には知識不足すぎる。
時代背景とか、もっと勉強してから来ないとダメだね。
エジプトの安宿、サファリのスタッフは親切!
宿に戻って、少しくつろぐ。
同室のパキスタン出身の女性が、祈りを捧げ始める。
そうか、パキスタン人だもんね…彼女はイスラム教徒だったか。
私は、彼女が祈りを捧げているまさにその方角に、思いっ切り足を向けて座っている。
何だか申し訳ないような気がして、静かに足をしまう。
あっちの方角には、彼女の神様がいるんだ。
そういえば、明日のスーダンビザ申請にはエジプトのビザのページのコピーも必要なんだった。
日本だったら大使館で取ってくれそうだけど。
ここはエジプトで、対戦相手はスーダン。
念の為、事前にコピーしておこう。
宿の人にコピー機があるか聞いたら、ないと言われた。
だけど代わりに、コピー機があるお店に連れていってくれた。
そして、細かいお金はあるか?と聞かれたから、手持ちで一番小さい紙幣50ポンド札(約350円)を出す。
そうしたら、「いいよいいよ」と言って、代わりに払ってくれた。
え!何で!?
50ポンドで払おうとするものの、受け取ってくれない。
小さいお金だからいいよ、気にしないでと、何度も言われる。
最終的には、お言葉に甘えたんだけど…。
確かに、金額は2ポンド(約18円)で、私にとっては小さいお金ではある。
だけどエジプト人にとっての2ポンドの価値って、少なくとも私にとっての価値よりは高いはずで。
むしろここまでサポートしてくれた事へのチップも必要なくらいなのに。
甘えちゃっていいのかな。。
何か買ってあげようかとも思ったけど、エジプト人の彼はおそらくイスラム教徒。
彼の食べられるものと食べられないものの区別が、私にはつかない。
私にできる事と言えば、ブログに「サファリのスタッフがとても親切だった!」と書く事くらいか。
これで、たった一人でもこの宿に泊まる人が増えたら、お返しになるのかな。
夕食は、昨日と同じコシャリ屋さんで取る。
スモールサイズで、昨日はコーラを飲んだから今日は水にしてみたんだけど、それでも私には多すぎる量。
そして昨日は店員さんがソースを作ってくれたのだけど、今日は自分で作ってみる。
だけどやっぱり、昨日の方が美味しかったな。
明日は、スーダン大使館にリベンジだ!