-Cape Town to Malealea-
ダラダラと10泊もしてしまったケープタウンをようやく離れ、本日は「レソト」へ向けて出発。
レソトは、南アフリカ共和国の中にある小国。
南アフリカの中には、今から向かう「レソト」と、今回は見送る事となった「エスワティニ」の2ヵ国がある。
エスワティニってどこ!?
…と思ったそこのあなた。
エスワティニは、旧スワジランド。
2018年に改名をしたのだけど…未だにスワジランドという国名の方が知名度があるみたい。
今まさにアフリカを旅する旅人でさえ、スワジランドだと思っている人ばかりだった。
だけど、英国領時代に付けられた「スワジランド」という国名に反感を持つ人が多いことも、改名の理由のひとつ。
だから、ぜひ覚えてあげたいね、エスワティニ。
地理的には南アフリカの中にあるけれど、独立している立派な1つの国家だ。
ザンビア以降、先進的な西洋風の街並みばかりとなってしまった南部アフリカエリア。
レソトやエスワティニは、懐かしい「アフリカ感」が残っている国なんだって。
楽しみだ!
※今回エスワティニは行きません
▼前回のお話し▼
ケープタウンのローカル列車の危険性|アフリカ旅で、最も衝撃的な気分の日
もくじ
ケープタウンからブルームフォンテンへ|インターケープ社の夜行バスに乗って
本日の午後に南アフリカ共和国のケープタウン(Cape Town)を出発。
レソトのマレアレア(Malealea)という村が、最終目的地。
マレアレアには、明日の日没前までに到着したい。
まずは、レソトへの南アフリカ側の玄関口「ブルームフォンテン(Bloemfontein)」を目指す。
ブルームフォンテンへは、ケープタウンからバスで1本。
インターケープ社の夜行バスで行ける。
インターケープ社のバスは、全路線インターネットで予約可能。
運行スケジュールや料金も確認できるから、とても便利。
運行は毎日ではないので、要チェック!
◆インターケープ社HP:https://www.intercape.co.za/
私たちが利用したのは17:30発のバスで、料金は350ランド(約2,625円)。
インターケプ社のバスは、今回もリッチな2階建てバス。
途中で適度に休憩所に入るけれど、車内にもトイレが付いているので安心。
Wi-Fi付きと謳っているけれど…南アフリカ滞在中に3路線利用して、3路線とも使えなかったから、あまり期待しない方が良さそう。
同じインターケプ社でも、バスによっては乗り心地が悪いガタガタのバスらしい…。
スリープライナー(Sleepliner)であれば大丈夫。(たぶん)
前回乗った時は窓口で直接予約をしたから、インターネット予約で乗るのは今回が初めて。
ちなみに前回は奮発して、2階席の2階のフロント席を予約。
足元広いし、何より目の前に壮大な景色を望みながらのドライブは素晴らしかった。
1回くらいは、体験したい席。
【陸路国境越え】ナミビアから南アフリカ共和国へ!インターケープの夜行バスに乗って
インターネット予約の場合の流れ
- 登録したメールアドレス宛に、EチケットがPDFファイルで届く。
- そこには、出発時間の30分前までに来るようにと書かれているので、余裕を持ってオフィスへ。
- カウンターで紙のチケットをもらう。
- 荷物チェックの時間になったら、荷物チェックを受けて荷物タグをもらう。
- 荷物チェックの係員に席番号を教えてもらう。
- 荷物をバスに乗せる。
バスによっては自由席な事もあるので、「窓側(通路側)がいい」「同行者と隣同士に座りたい」など希望がある場合は、早めに席を確保!
スリープライナー(Sleepliner)であれば大丈夫だと思うけど。(たぶん)
バスは予定通り、17:30にケープタウンを出発。
ブルームフォンテンのミニバス乗り場へ
翌日のあさ7:00、ブルームフォンテン(Bloemfontein)に到着。
ブルームフォンテンは、南アフリカの司法の首都。
南アフリカは、その機能ごとに首都が3ヵ所に分かれている。
- 行政の首都・・・プレトリア
- 立法の首都・・・ケープタウン
- 司法の首都・・・ブルームフォンテン
これぞまさに、三権分立だね!
ちなみに、各国の大使館がプレトリアにあるので、国の代表はプレトリア。
だったら、もう首都はプレトリア!でいいじゃないね。
受験生泣かせだよね。
インターケープ社のオフィスが入っている建物があるので、そこで簡単に身支度を整えたい。
顔を洗って、歯を磨いて…。
ワタルさんが先にトイレへ行き、私はベンチで荷物番。
こういうとき、相方がいると便利だ。
トイレから戻ったワタルさんに、「次わたしが行きますね!」と言って席を立つ。
すると、「トイレは行かない方がいい」と止められる。
トイレの前に、怪しい男が座り込んでいるんだって。
男のワタルさんでも、少し怖かったほど。
女性が個室に入っていったりしたら…付いてきて何かされそうな雰囲気が出ていたと。
ちょっと大げさじゃない!?
「本当ですかー?ちょっと様子だけ見てこようかな」
仮にも女一人でアフリカを旅してきた私。
怪しい男がいるくらいでトイレを我慢しなくてはいけない程、やわじゃない。
…と、高を括る。
だけど「様子を見に行くだけ」も止められてしまったので、よっぽど怪しい男だったのだろう。
ブルームフォンテン…治安はあまりよろしくないのかな?
仕方がないので、ウェットティッシュで顔を拭い、歯磨きは外で済ませる。
ブルームフォンテンからレソトの国境までは、ミニバスで行く。
インターケープ社のバスが到着した場所からミニバス乗り場までは、徒歩で約20分。
ウーバーを呼ぼうかとも思ったけど、バックパッカーらしく歩いて向かうことにした。
ミニバス乗り場(Bus Station Blomfontein)は、ブルームフォンテン鉄道駅(Blomfontein Station)の近く。
ガイドブックには、「特に治安が悪いエリア」として、地図に注意マークが付いている。
大丈夫だろうか…。
© 地球の歩き方 E10 南アフリカ 2017-2018(P264)
ミニバス乗り場のすぐ近くの食堂で、朝食を取る事にした。
本日は水曜日。
なんと、チーズバーがが2個セットで52ランド(約390円)というスペシャルな日だった。
1人26ポンド(約195円)という破格で、立派なチーズバーガーを頂く。
ブルームフォンテンから、マセルブリッジ国境へ|ミニバス
腹ごしらえも済んだので、レソトの首都「マセル」行きのミニバスを探す。
ミニバスの前には行先の看板が出ているので、わかりやすい。
行先はマセル(Maseru)と書かれているけれど、このミニバスで行けるのはマセルブリッジ(Maseru Bridge)という国境まで。
ちなみに、ここブルームフォンテンからレソトへ入国できる主な国境は2ヵ所。
もう1ヵ所は、ウェペナー(Wepener)という国境。
どちら側から行ってもあまり変わらなさそうだけど…マセル経由の方が乗り換えが少なくて単純かも。
だけどガイドブックではウェペナー経由が推奨されているので…結局はお好みで。
マセルブリッジ行きの運賃は、近くにあるチケットオフィスでお支払い。
120ランド(約900円)。
オフィスで名簿に名前を書いて、運賃を支払って終わり!
え!?
チケットは!?
ミニバス内で直接支払う場合ならともかく…オフィスで払っているのに「支払い証明」になるような物を何もくれない。
なんて大雑把なんだろう。
ミニバスは、10:00頃に出発。
南アフリカの広大な大地の中を走る事、約1時間40分。
11:40分頃に、国境に到着。
国境からマセル市内へ|乗合タクシー
ミニバスは、国境で停車。
ここからは、歩いて国境を越える。
手続き自体は簡単だったものの、ここでアフリカ旅史上初めて、体温を測られる。
コロナウイルスの水際対策が…こんなアフリカの辺境の国にまで及んでいるとは。
この頃、アフリカ大陸での感染者はほぼいなかった。
エジプトやモロッコなどの観光大国で、チラホラ出始めていた程度。
レソト側の入国審査官に「マセルに行きたい」と伝えると、近くにある観光案内所まで連れていってくれた。
入国審査官がオフィスを離れて、わざわざ連れていってくれるなんて…。
お役所感が低すぎてびっくり。
そこで、何故か再度パスポートチェックと検温を受ける。
検温は、さっき受けたよ!
まだまだ始まったばかりであろうコロナ対策…フローが確立されていないのかな。
そして国境のすぐ近くから、乗合タクシーでマセルへ向かう。
運賃は8ランド(約60円)。
レソトは、ロティという独自通貨を持っている。
レソトでは、南アフリカ共和国のランドも流通している。
だけどレソトのロティは南アフリカでは使えないので、予め南アフリカでレソト滞在分のランドを入手しておくと便利。
両者のレートは同じ(1ランド=1ロティ)。
滞在中ランドのみで支払いをしていても、お釣りでロティをもらってしまう事もある。
レソト出国前に、財布の中のロティを確認して使い切っておくことを忘れずに!
南アフリカランドは、隣国のナミビア・レソト・エスワティニ(旧スワジランド)・ジンバブエ・ボツワナで使用可能。
だけど、逆に隣国の通貨を南アフリカ共和国で使う事はできない。
マセルからマレアレアへ|ミニバス
乗合タクシーでマセルに着いたら、次はミニバスでマレアレア(Malealea)を目指す。
本日の、最終目的地。
この雑多な感じがね…「アフリカに戻って来た!」という感じで嬉しい。
ザンビア以降の南部アフリカエリアでは、西洋風のお洒落な街並みが「アフリカ感」を隠してしまっていて、少し寂しかったのだ。
「ユートピア スイミングクラブ」だって。
アフリカでは、日本では使われなくなった乗り物が、まだまだ現役で走っていたりする。
南アフリカ側の国境に到着してから、約2時間。
13:50に、ミニバスはマセルからマレアレアに向けて出発。
順調だ!
運賃は60ランド(約450円)。
今までは、どんなに小さい乗り物でも、バックパックを置く場所は確保できた。
こういったミニバス(バン)でも、後ろに積むか、屋根の上に積んでもらえた。
だけどレソトでは、何故かそういった仕組みがないみたいで…。
約15キロもあるバックパックを、長時間のあいだ膝の上に乗せて運ぶ事になる。
これはつらい…。
アフリカの移動の中で、「座席の不快度」はレソトが一番だったかも。
だけど膝に乗り切らずにはみ出たバックパックに対して…隣の席の人などは一切文句を言わない。
それどころか、サブバッグを持ってくれようとしたりと、助けようとしてくれる。
みんなが優しいから、膝の痛みも許せる。
ミニバスが途中で故障して、立ち往生。
間もなくやってきた別のミニバスに乗り換える。
そして17:00頃。
またまた、乗り換えるように促される。
どうやら、今まで乗って来たミニバスは、別の方角に行くみたいだ。
今度は、子供たちをたくさん乗せた「送迎車」の様なワゴン車。
マセルからはマレアレアまでの運賃を「通し」で支払って乗ったのだけど、結果はミニバス3台を乗り継いで向かう事になってしまった。
レソトでは、こういう事がよくあるみたい。
「〇〇までの行き方!」なんて、細かく調べても意味がない。
いつどこで乗り換えになるかは、タイミング次第だから。
だけど「〇〇まで行きたい!」と伝えておけば、きちんと責任をもって「リレー」の様に目的地まで繋いでくれるのだ。
目的地だけ伝えて、あとは流れに身を任せていれば、レソトでは旅ができる。
子供たちを乗せたワゴン車は、舗装されていない土の道を、時速17キロくらいでゆっくりと走る。
登り坂を登りきった先に見えた、眼下の山々が絶景だった。
びっくりして声を上げた私に、乗客のおばちゃんたちが嬉しそうに教えてくれる。
「ここは、ゲート・オブ・パラダイスだよ!」
ゲート・オブ・パラダイス…「楽園の入り口」か!
なんて素敵な響きなんだろう。
絶景の宝庫である、レソト王国。
ドランケンスバーグ山脈が領土のほとんどを占めていて、標高は最低地点でも1400m。
「天空の王国」とか、「アフリカのスイス」などと呼ばれている。
この先どんな絶景に出会えるのか…楽しみで仕方がない。
首都マセルを出発してから約5時間後の5:45に、目的地のマレアレア・ロッジ(Malealea odge)に到着。
小さな村のリゾート|マレアレア・ロッジ
マレアレアを目指す旅人は、皆このマレアレア・ロッジ(Malealea odge)に泊る。
2~3泊もすれば村人全員と顔見知りになれるんじゃないかと思う程の、小さな小さな村に建つ、リゾートだ。
予約はしていないので一か八かの訪問だったのだけど、無事に部屋を確保できた。
「1番安い部屋で」と頼んだら、この部屋になった。
え…!
かわいい…♡
1泊1部屋あたり480ランド(約3,600円)。
た、高い…。
ここはワタルさんとルームシェアをして、1人240ランド(約1,800円)。
それでも高いけど…。
1人で来ていたら、大変だったな。
荷物を置いて外に出ると、ちょうど野外ライブをやっていた。
楽器を奏でながら、歌やダンスでおもてなしをしてくれる。
この楽器、全て手作りなんだって!
なんだかアットホームで可愛らしいライブだ。
自作のCDなんかも販売している彼らは、立派なミュージシャンだね。
レソトの滞在、とても楽しい日々になる予感…★
▼次回のお話し▼
のどかなレソト王国の小さな村「マレアレア」の風景&ローカルバーに入り浸る日々