-Bhuj to Ahmedabad-
目的のホワイト・ランも無事に見る事ができたので、夜行バスで次の町「アーメダバード」へ向かう。
日中は昼食を食べに出かけたくらいで、特別印象深い出来事もなく夜を迎える。
もくじ
夜行バスで、ブージからアーメダバードへ
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夜21:45発のバス。
15分前に旅行会社のオフィスに行けばよいとの事だったので、その更に10分ほど前に行く。
21:30を少し過ぎた頃、「バスが来たよ」と乗務員なのか乗客なのかよくわからない男性が私をバス乗り場まで案内してくれる。
「終点は空港だよ」とも教えてくれる。
空港は市内を越えた先にある。
ちゃんと市内にも止まってくれるのかな??
バスはとても大きく、今まで乗っていたものよりも清潔感がある。
ガラスの扉の仕切りはなくて、カーテンのみなのが残念ではあるけれど。
だけど心なしか座席や背もたれも柔らかく、とても快適。
深夜のバス車内は、いつも凍えるほど寒い。
だけど今夜は、少し肌寒い程度だ。
バスの保温効果が高いのか、それとも温かい地域に移動してきた証拠なのか。
・・・
早朝、地名を連呼する声に起こされる。
まだまだ市内は遠そうだけれど、降り過ごさない様にと地図アプリを見張る。
市内まで行ってくれるのか、このまま迂回して空港に向かうのかが疑わしい微妙な地点に来た。
目当ての宿までは3km。
よし、ここで降りよう。
時刻は5:45。
所要時間、約8時間。
こんなに早く到着するなら、もっと出発の遅いバスを選べばよかったな。
まだまだ薄暗いアーメダバードの町は、高層ビルが立ち並ぶ都会だった。
20分ほど歩いた頃、チャイ屋さんが3件ほど連なる賑やかな場所に出た。
ブージに着いた初日と同じシチュエーション。
あの時と同じく、またここで休ませてもらおう。
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チャイ屋さんを2件ほどハシゴしながら、朝の到来を待つ。
7時を過ぎた頃、空はほんのり明るくなり始め、車と人々のざわめきが急に強くなる。
あぁ、今この町に朝が訪れたのだと思う瞬間だ。
それを合図に、私は立ち上がる。
この町は南北に大きな川が流れていて、西側が新市街、東側が旧市街となっている。
私はいま新市街にいて、旧市街を目指さなければならない。
新旧を隔てる川はとても大きく、そして朝の光を浴びてとても美しい。
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アーメダバードの宿事情
順調に宿に到着。
「ホテル ヴォルガ(Hotel Volga)」
1泊1345ルピー(2421円)
そう、今回はこの旅で初めて「ホテル」に滞在する事にしていた。
まず、アーメダバードは安宿が少なく、節約派のバックパッカーは皆宿探しに苦労している様子。
正確にいうと「安宿」自体はあるのだけど、アーメダバードの安宿のほとんどが「外国人を泊めるための許可」を取っていない為、宿泊できないという事らしい。
そして私は、どこかの町で一度生活水準を上げたいなと思っていた。
普通にシャワーが浴びたい…普通に清潔な環境で眠りたい…と。
それならば、安宿が少ないアーメダバードが最適なんじゃないかと思って。
それでもいつもの3倍弱程度の値段だし、あまり期待はしていなかったのだけど。
案内された部屋に入ってみてびっくり。
え!一体誰と泊まるんだい??と思うようなキレイなダブルベッド。
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クローゼットやエアコン、テレビまである!(使わないけど!)
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ここまでの水準は期待していなくて、もう少しレベル低くていいから安い方がいいんだけど。
だけど一泊の事だし、今夜はリッチな気分を満喫しよう。
早速、シャワーを浴びる。
バケツじゃない、上から浴びるシャワー。
ぬるくない、アツアツのシャワー。
何分浴びても途中で尽きる事のない、使い放題のシャワー。
なにこれ。素晴らし過ぎる。
たった3ヶ月のバックパッカー生活で音を上げて、こんな環境を求めちゃう私はまだまだビギナーだ。
インドは、切り詰めようと思えばいくらでも切り詰められる国。
だけど値段に比例して、そのクオリティの底も際限ない。
逆に、少しの奮発でよい思いができるのもインド。
それがインドの物価。
アダーラジの「階段井戸」を目指して郊外へ
新しい町に着いた初日は、いつもブラブラ街歩きくらいしかしないのだけど、
リフレッシュして元気いっぱいの私は、さっそく郊外へ出かける事にした。
アーメダバードから19kmほど北にあるアダーラジ村の「階段井戸」。
バスで行けるみたいなので、宿から徒歩1時間弱くらいの場所にあるバスステーションを目指す。
バスステーションを目指して、アーメダバードの旧市街を歩く
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新市街は高層ビルが立ち並ぶ都市だったけれど、ここ旧市街も他の町に比べれば先進的。
歩行者用の信号機なんて、グルガオンでも見なかったよ。
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だけど進めば進むほど、路面店が連なる雑多な場所になっていく。
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色とりどりの野菜や果物が綺麗だ。
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路面電車の乗り場かな?と思ったら、バス乗り場だった。
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う~ん、やはり先進的な町だ。
だけど私の目的は、ここではない。
セントラルバスステーション -Central Bus Station Ahmedabad-
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ここかな!?
いや、これは難易度が高すぎる。。。
私には無理だー。
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カウンターの様なものを見かけるものの、表示がヒンディー語のみ。
コミュニケーションがうまくいく自信がない。
高くなるけど、リクシャーをチャーターして行くしかないのかな。
ふらふらと彷徨っていたら、親切な人に「空港??」 と声をかけられる。
「アダーラジに行きたい」と言うと、20番あたりのゲートまで連れていってくれる。
「乗り場はここなの?」と聞くと「彼女に聞いて!」と別の乗客に引き渡される。
だけど彼女もね…ヒンディーオンリーだよ。
目の前にバスが止まったので、運転手に聞いてみる。
すると、隣に止まっていたバスがそうだと教えてくれる。
ローカルバスで「アダーラジ村」へ
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とりあえず、一番前の席に座ってみる。
すると後ろの席の乗客が、ヒンディー語で何やら話しかけてくる。
何でヒンディー語通じると思うんだろう。。
「ヒンディーナヒーン」と伝えてみる。
*ナヒーン=ノー
すると別の乗客が話しかけてくる。
彼にも「ヒンディーナヒーン」と言ってみる。
彼は話をやめてくれない。
彼の言葉を理解できない私に、「英語わかる?」と聞いてくるのだけ聞き取れた。
あ、英語だったのか。
しかし私の英語レベルが低いのも事実だけれど、自分の発音の悪さを棚に上げてのその発言にムッとしてしまった私。
いつもは謙虚に「少しだけ…」と答えているのに、「わかるよ!」と答えてしまった。
そして、「この席は優先席だから別の席に行け」と言いたいらしい事がわかったので移動する。
すると更に斜め後ろの乗客に、「どこから来たの?」と話しかけられる。
彼の言葉は理解できそうだなと思った私は、「アダーラジに行きたいのだけど、このバスで合っているか」と聞いてみる。
彼は「合っているよ」と答え、私に隣に座る様求めて来たので、また移動する。
しかし…彼とのコミュニケーションも難しかった。
私も、もちろん悪い。
だけどこれはお互い様なんじゃないかと思う。
だって彼が言う「シンゾウ アベ」という人名でさえ、聞き取るのに時間がかかるくらいの訛なのだ。
それにしても、乗ったはいいけど帰りはどうすればいいんだろう。
行きっぱなしの列車に乗ってゆく、「千と千尋の神隠し」の終盤のシーンを思い出してしまう。
アダーラジ村に着いた。
隣の彼や、周りの乗客が「ここだここだ」と私を促してくれる。
何だかんだ言っても、やっぱり優しいインド人。
どんな辺境の土地なんだろうと思ってやってきたのだけど、普通に食事処などもある場所だった。
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そして歩く事10分弱。
「アダーラジの階段井戸」に着いた。
アダーラジの階段井戸
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この階段は、下へ下へと続いている。
階段の途中で、美しいインド人女性の写真撮影をしていた。
モデルさんか、女優さんかしら??
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そして500年以上も前の1498年に造られたというこの階段井戸。
深いだけではなく、奥行きも感じさせられる美しい建築。
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一番下まで降りてみる。この井戸の深さは30m。
砂漠地域の西インドには、この様な階段井戸が複数存在している。
ここまで深く掘らなければ水が出ないほど、乾燥した大地なんだね。
そして、涼を取るという目的も兼ねていたのだ。
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上を見上げてみると、光に照らされた井戸の造形がとても美しく視界に入ってくる。
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わざわざ来てみてよかった。
そしてインド人たちも、この場所が大好きの様だ。
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道路沿いに戻って、チャイを飲む。
そしてカレーを作っている人がいたので、「これが食べたい」と言ってみる。
通じなくて困っていたら、チャイ屋さんが通訳をしてくれた。
こんなに沢山のプーリーが出てきた。
食べきれないよ。2つくらいでよかったのに。
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だけど出されてしまったら食べなくてはと、頑張って完食。
しかしこういう食事は、バラナシ以来だ。
アダーラジ村から、リクシャーで帰る
帰りのバスは、道路を渡った向こう側だと教えてもらう。
向かう途中で、乗合リクシャーに声を掛けられる。
80ルピー(144円)で乗ることになった。
多分ぼられているんだけど、まぁいいかとこの時は思った。
だけど途中で揉めてしまって、私はリクシャーを乗り換える事にした。
(詳細は、ただの愚痴になるので割愛)
2台目のリクシャーワーラーは、私の言葉を理解しない。
「ハンドレット(100)」という言葉しか言えない様で、値下げ交渉すら通行人の通訳を要した。
動き出して間もなく、「私は100ルピー札しか持っていないのだけど、お釣りはあるか」と聞いてみる。
その通訳を頼む為だけに、一旦止まってまた通行人に通訳を頼む。
「私はノーイングリッシュなんだ」と、照れながら言われる。
順調に着いた。
言葉の通じない謎の外国人を、なんとかここまで連れてきてみたリクシャーワーラーの彼。
「ここで合っているよね?」と言いたげに、まるで初めてのお使いに成功した子供の様な目でこちらを見てくる。
私が「OKだ」と言いながら指でOKマークを作って見せると、とても嬉しそうに握手を求めて来た。
可愛すぎる。。。
1台目のリクシャーワーラーと揉めた時は「アーメダバードなんて大嫌いだ!」とまで思ってしまったのだけど、これで帳消しだ。
アウランガーバード行きのバスを探す
戻って来たバスステーションで、次の町「アウランガーバード」行きのバスチケットを探す。
カウンターで尋ねると、傍にいた客が通訳をしてくれた。
そして、チケットはあるけど「ノーマルシートオンリーだ」と言われる。
アウランガーバードまでは15時間ほどかかる。
ノーマルシートは流石に厳しい。
私はスリーパーシートがいい。
通訳の彼に、「スリーパーの直通バスはないから、ムンバイ経由で行く必要がある」と言われる。
ムンバイはアウランガーバードより南にあるから、遠回りになる。
それに、逆ルートだけれど、このルートを直通スリーパーで来たという記述も何件か見た。
他のカウンターで尋ねてみる。
すると、「州営バスはノーマルシートオンリーだ、民間バスならある」と言われる。
なるほど。
ここは州営バス乗り場だったのか。
また傍にいた人が、親切に私を民間バス会社のオフィスまで案内してくれた。
そこで順調に明日のスリーパーバスチケットを入手。
800ルピー(1440円)。
集合場所は、このオフィスの前だという。
ブージでも、旅行会社の前に集合したっけ。
もしやあれも、あの会社のプライベートバスだったのかな。
だから綺麗で快適だったのかな。
私が無事にチケットを受け取ったのを見届けて、案内人の男性は去っていった。
チップ求められると思ってたのにな。
ただの親切な人だった。
優しすぎるよ、インド人。
今日わたしは、現地の人とのコミュニケーションに何度も通訳を要した。
本来わたし程度の英語力だったら、〔日本語⇔英語〕の通訳が必要なくらいなのに。
〔英語⇔ヒンディー語〕の通訳を付けられている状況が、なんだか身分不相応で可笑しいな。
わたし英語スピーカーなんかじゃないのにね。
いや、笑ってないで勉強せねばいかんのだけど。