ー世界はきっと、美しいー
インド -India-

インド人の女の子とゆく、アジア最大のスラム「ダラヴィ」

【インド周遊記】2018/01/14

ムンバイ -Mumbai-

今日は、インド人の女の子とデート。

彼女とは、語学留学の為に滞在していたグルガオンという都市で出会った。
その時はたまたま出張でグルガオンに来ていて、彼女の本拠地はここムンバイ。

日本語がペラペラな、キュートな女の子。

12時に、インド門の前で待ち合わせ。
家はとても遠い所にあるというのに、わざわざここまで来てくれるという。

だけど、こんなにたくさんのインド人の中から、彼女を見つけられるか心配。
向こうが私を見つける方が簡単だと思うので、それに賭けよう。

私はWiFi環境がないと彼女と連絡が取れない。
こういう待ち合わせって、大変だ。

10分ほど経って、彼女が「ごめんなさ~い!」と両手を合わせながら走って来た。

よかった!無事に逢えた!

インド人の女の子と素敵なランチ

彼女が選んだお店でランチを食べる為に、タクシーに乗る。

運転手も詳しい場所はわからないみたいで、人に尋ねながらタージ・マハル・ホテルの裏手に着く。

ここは…歩いてこれる距離だよね。
…なんて言えないけど。

入り口にガードマンがいる、立派なお店。
中も素敵な、モダンな雰囲気。

お肉とパスタをシェアして食べる。
美味しすぎる…!

彼女が店員さんと英語で会話をしている。
タクシードライバーとはヒンディー語だったのに。

相手の顔を見て、英語が話せそうな人だと思ったら英語で話すんだって。

思考をするときはヒンディーだし、話す時もヒンディーの方が得意。
だけど、練習の為になるべく英語を使いたいと。

そうなんだね、インド人同士なのに英語で会話するって不思議だけど。

だけどインドには多くの言語があって、ヒンディーを話せないインド人もいる。
だからやっぱり英語で話すのが一番なのだ。

お会計は、彼女がしてくれた。
私は払いたいと言ったのだけど、払わせてくれなかった。

2人で「ダラヴィ」に向かう

歩いて駅に向かう。
今日の目的は、アジア最大のスラム「ダラヴィ」

駅へ向かう途中、野外に椅子と机が並んでいるスペースがあったから、「ここは何か」と彼女に聞いてみた。

すると、そこにいた人に聞いてくれて「ここは勉強をする場所だ」と教えてくれた。

凄い…簡単に話しかけちゃうんだね。
知らない人なのに。

駅に着くと、チケットブースは長蛇の列。

だけどインドのクレジットカードを持っていれば、自動発券機を使う事ができる。

彼女が2枚分発券してくれたから、私は現金で払おうとするのだけど、受け取ってくれない。
タクシー代もランチ代も払ってもらっちゃったし、申し訳なさすぎる。

「申し訳ないよ、払わせて」と言うんだけど、どうも日本語だと柔らかくなってしまう。

「I want to pay!」と、英語で強めに言ってみた。
意味なかったけど。

彼女とは、基本的には日本語で会話をする。
だけど彼女もまだまだ勉強中の身なので、日本語で不足がある部分は英語になったりする。

だけど英語で少し「補足」をしたら、流れで「ペラペラペラ~」っと英語になっちゃう時があるから困惑。

私、語学留学をしていたとはいえど、そんなに喋れないからね!
…っと伝わっているんだろうか。

電車内に、女性と子供が座り込んでいた。

彼女「彼女たちも物乞いだよ」

私 「彼女たちは、仕事に就くことはできないの?」

彼女「できる。だけど、しない。」

私 「何で?」

彼女「まず、自信がないから。それに、物乞いをする方が楽。」

止む負えず物乞いになった人だけではなく、望んで物乞いをしている人たちもいるのだ。
そういう人たちが、インド各地から遥々ここムンバイへやってくる。

華やかな世界を求めてやって来る豊かな人々もいる反面、貧しい人々も集まってくる。
だから、こんなにも大きな「貧」と「富」のギャップが共存しているのだ。

ムンバイには、腕や足を欠いた人や両目が潰れている人がたくさんいる。
その事について、彼女に尋ねてみた。

「物乞いの為に自ら、または幼いころに大人にやられたのか」と。

ネパールのカトマンズでも、ネパール人の友人に同じ質問をした事があった。
彼は、2つの理由を教えてくれた。

まず1つは、生まれつき。
母親が妊娠中に満足に栄養が取れなかったり、お金の為に出産ギリギリまで仕事をしてしまった事が原因。

もう1つは、交通事故。

彼女は、「スラムドッグミリオネアを見たんですか?」と聞いてきた。

まさに、その通りだった。
あの映画には、そういう描写があった。

だけど彼女は、「わからない」と言う。
そうだよね、私だって日本のホームレスのバックグランドなんて知らないや。

だけどネパール人の彼が言う理由だけだとしたら、その全員が「男性」というのは不自然過ぎる。

「女性」はわざわざ哀れな外見にしなくても、他にも稼ぐ手段があるからそうしないのではないか。
やはり「男性」は故意にそうなっているのではないか。

そしていくらなんでも、自分の意思で大切な身体を傷つけたいわけがない。
幼いころに、大人にやられたのではないか。

そんな風に思うのだけど、実際のところはわからない。

スラムの最寄り駅は、既にスラム

目的の駅に着いた。
線路沿いは、既にスラムだった。

階段を下りていくときに、2人の男性とすれ違う。
彼女が、彼らの会話を翻訳してくれた。

「1人はインド人だったけど、もう1人はネパール人だったね」

私、中国人や韓国人に見られる事はよくある。
同じ東アジア人だもん、それはわかる。

だけど「観光客慣れしていないインド人」からは、たまに「ネパール」や「アッサム(インドの北東の山岳地方)」の出身と間違われる。

どうやら顔が似ているらしい。
不思議。ルーツが一緒なのだろうか。

蛇足だけど、たまに「インドネシア人」「マレーシア人」と間違われる事もある。

皆、線路を渡って行く。
私が「ここを渡るの?」と聞くと、彼女は地元の人に聞いて正式な(?)出口を見つけてくれた。

ここまで彼女と行動してわかったのは、知らない人と躊躇いなく会話ができるという事。
日本でだったら、道を尋ねるなどはあっても、「ここで何してるの?」とか「私たちも線路を渡る必要ある?」なんて聞かないよね。

私が「ダラヴィの人はどんな仕事をしてるの?」と聞いた時も、「じゃあ、着いたら彼らに聞いてみますね」と言われた。
そんな事、聞けちゃうんだね。

私が日本で同じ様に振舞ったら、どうなるだろう。

日本での暮らしが、もっと楽しく豊かになるのかな。
それとも白い目で見られるばかりで、悲しい気持ちになるのかな。

アジア最大のスラム|ダラヴィ -Dharavi-

歩いてダラヴィに向かう。

着いたところは、「いつもの田舎の町をもっと汚く古くした感じ」という印象。
ベースのインドの雰囲気は、あまり変わらない様に感じる。

野菜なんかも売っているし。

「ダラヴィレストラン」もある。

近くに工場あるとかで、水が凄く汚い。

この辺りは、イスラムのエリア。
パキスタンの国旗が掲げられている。

いつもより「凄く」古くて汚い町なのだけど、イメージしていた「スラム」とは違う。

「普通」にお店が立ち並んでいて、みんな「普通」に仕事をしていて、人々の雰囲気も「普通」。

もっと物乞いや廃人の様な人がたくさんいて、淀んだ雰囲気の場所なのかと思っていた。

ここは、世捨て人の集まる場所ではない。

貧しい人々が、生活費の安い場所を求めて集まってきているだけだ。
みんな、安く普通に生活をしている。

路地に入ってみる。

ここにも、パキスタンの国旗。

そして、この左の建物は「学校」。

更に路地の路地に入ってみる。

この階段の上にあるお宅にお邪魔させてもらえる事になった。
彼女が、交渉してくれたのだ。

見ず知らずの人に、そんなお願いができるなんて凄い。

入ってみて驚く。

床はとても綺麗で、水回りも清潔。
もちろん、靴を脱いで上がる。

冷蔵庫も洗濯機もある。
ただ、「狭い」というだけで、それ以外は普通に綺麗なお宅だ。

奥さんも、快い笑顔で受け入れてくれた。

ここは、公共のトイレ。
トイレ掃除の人も、ちゃんといるんだって。(中は見ていないけど)

そして、ここで子供たちと写真を撮ったりしながら戯れる。
みんなとても元気が良くて、明るい子たち。

しばらく遊んでから立ち去ろうとしたら、一人の子が慌てて追いかけて来た。

「さっきは、ネパール人と言ってしまって本当にごめんなさい…!」

えーー!別にいいのに!なんていい子なんだろうか。(涙)
きっと彼は素敵な大人になるに違いない。

あるお宅にお呼ばれをしたので入ってみる。
チャイを振舞ってくれた。

食べ物まで振舞ってくれた。

ここでも、たくさんの写真を撮る。
インド人は、セルフィーが大好きだ。

この後も、また別のお宅にお邪魔させてもらった。

知らない人を快く招き入れてくれるなんて。
そしてもてなしてくれるなんて。
とても素敵な地域じゃないかと感じる。

ダラヴィには、私設の塾もある。

また別の路地に入る。

彼女は怖いから嫌だと言うんだけどね。
グイグイ住民と話しているのは彼女の方なのに。笑

男の子が、「みてみて!」と謎の球技を披露してくれる。

女の子が、「みてみて!」と可愛い小鳥を持ってくる。

あちこちに、神様が祀られている。

室内魚を売っているお店もある。

チャパティの製作所もあった。

インド人はアクセサリーが大好きだから、ずらりとアクセサリーショップも並んでいる。
こんなに高そうなのに…需要あるんだ。

そしてムンバイで有名だという「皮製品」を売るエリアもある。
みんなここに買いに来るのだとか。

別の路地もあったけど、もう入らない。

そしてあれは、「スラム」ではないんだって。古いだけで。
高い建物はスラムとは言わないらしい。

そしてこのダラヴィ、政府が改革をしようとしているらしい。

今年か来年には、ダラヴィの人々の為に高層ビルを建設する予定なのだとか。
それは、今この地域に住んでいる人々の暮らしがよくなるからいいね。

だけど、それを求めて更に多くの人がインド中から殺到したら、人口密度が更に上がって不衛生になるんじゃないかと心配になる。

全くイメージと違った、アジア最大のスラム「ダラヴィ」。

今日は盗難に備えて、貴重品の分散を普段より念入りにしてきたというのに。
全く「怖い」「危ない」目に遭う雰囲気なんて感じられなかった。

物乞いや物売りがたくさんいるかなと思って、10ルピー札を沢山用意していたのだけど、1枚も使う事はなかった。

人々が温かく、優しく迎え入れてくれる、素敵な町だった。

そして彼女がいてくれたから、こんな交流ができたんだと思う。

ありがとう!

素敵なインド人の友だち 

帰りの電車をホームで待つ。
たくさんの人が乗っている。

駅に戻って来た。

トイレに寄るついでに、ドーナツを食べる。
これは私が購入。やっと払えた!

…と思ったら、アイスを買ってもらっちゃった。

絶対に知らなきゃアイス屋さんと思わない外見のお店。

凄く美味しい。
穴場のアイス屋さん。

そして、彼女のお気に入りの場所「夜のマリーンロード」。

昼に来た時は、あまり感動しなかったのだけど。
夜は湾沿いにたくさんの光が灯っていて、とても綺麗。

「ムンバイのネックレス」と呼ばれているんだって。

たくさんの人が、のんびりと過ごしていた。

私たちも、少しの時間語り合う。
2人で出かけたのはこれが最初なのだけど、彼女はとても過ごしやすい時間をくれた。

そして、なんとお土産までくれた。
髪留め2つと、インド製のカバンと。

何から何まで…おもてなしされすぎて恐縮。
私は彼女に、何もできていないのに。

果たしてこれでいいのだろうか、私は。

ありがとう。
とても素敵な、ムンバイ最終日。

そして素敵なインド人の友だちができて、とても嬉しい。

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