ジャイサルメール -Jaisalmer-
2泊3日のキャメルツアー。
人生初ラクダ。
人生初砂漠。
人生初のあれこれが目白押し。
ジープで砂漠の町を目指す
3日前に偶然出会った旅人デニスと一緒に、城外を目指す。
待機していたジープには、既にドイツ人のカップルが乗車していた。
女性の方に、ドイツ語で挨拶と名前の紹介をしてみる。
すると、彼女もドイツ語で名前を教えてくれた。
思えば2年間もドイツ語の授業を受けていたのに、挨拶と名前の紹介しかできないんだな私…。
デニスも一応ドイツ人だから、私以外はみんなドイツ人だ。
女性の名はクラウディア、男性はアンドレアス。
アンドレアスは、写真が趣味の様だ。
移動中、気になる場所に通りかかる旅に、車を止めてもらっている。
途中、後ろを振り返る。
ジャイサルメール城が、遥か彼方に消えてゆく。
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遠くに鹿の様な動物がいるのを、アンドレアスが発見する。
あれは鹿の様に見えるけど、アンテロープという動物の様だ。
アンテロープ…知らない動物だけど。
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化石のようなものを、デニスが発見する。
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あぁ、ここは既に砂漠なのだという。
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間もなく、ジープは村に到着をする。
どうやらここからラクダに乗るみたい。
さて、どのラクダが私のパートナーになるんだろうね。
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間もなく出発というときに、アンドレアスの姿がない。
クラウディアが、何度も彼の名前を呼ぶ。
しばらくして、ごめんごめんと現れるアンドレアス。
写真が趣味の彼は、この後も度々姿を眩ますことになる。
多分私より結構な年上なんだけど…なんだか可愛らしいと思えてしまう。
ラクダに乗って、インドの砂漠へ
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人生初ラクダ。
ラクダが立ち上がる瞬間は、とても怖い。
想像よりもずっと高い位置へ、一瞬で移動するのだ。
私だけ、毎回毎回悲鳴を上げる。
その度に引率の少年が、「泣かないで」と声をかけてくれる。
いや、泣いてはいないんだけどね。
ある村で、一旦降りる。
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のどかな、砂漠の村。
子どもや女性が、ぞろぞろと近づいてくる。
子どもが「ペン!ペン!」とねだってくる。
デニスが10ルピー(9円)をあげていた。
彼が私のパートナーのモリヤ。
3日間よろしくね!
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ラクダを引き連れて、村を歩く。
気分は既に砂漠の民。
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少し砂漠らしいスペースに到着して、ランチタイム。
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砂漠で飲むチャイ。
持てないほどのアツアツのチャイ。
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砂漠の砂は、日向のものはとても熱く、日陰のものはとても冷たい。
熱い砂を掘ってみると、奥の砂はひんやりとしている。
そして日向に座っている私の陰になっている部分の砂は、ほどなくして冷たくなる。
あぁ、「砂漠は昼と夜の寒暖差が激しい」と言われている理由がわかった。
保温効果が、まるでないんだね。
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ランチタイムを終えて、再び荒野を歩く。
途中で水分休憩を取りながら。
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私はモリヤを引き連れる事もできるし、彼を座らせる事だってできる。
私が彼をふざけて「ボーイフレンド」と呼ぶと、引率の少年がやけに喜んでくれる。
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インドの砂漠でキャンプ
17:00頃、本日のキャンプ地に到着。
歩いてきた方向が荒野で、この先が砂漠。
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あぁ、人生初砂漠。
正直、もっとこう…砂の砂漠の上をずっと歩くのかと思っていたのだけどね。
キャンプ地だけ砂漠なんだね。
だけどそれでも、夕暮れ時の砂漠はとても美しい。
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少年がチャイを淹れてくれて、それからスナックを揚げてくれた。
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砂漠の向こう側に消えゆく太陽が素晴らしい。
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それに見向きもしないラクダたちが愛らしい。
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そして消えゆく太陽の最後の温もりを浴びる砂漠の砂が美しい。
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間もなく太陽が消える。
すると途端に寒くなる。
あぁ、砂漠の寒暖差って、こんなにも極端なものなんだ。
少年たちが、暗闇の中で夕食を作ってくれる。
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夕食には、ライスが付いていた。
もちろんスプーンなどはない。
昼食はチャパティだけだったから、チャパティでつまんで食べたのだけど。
私は人生で初めて、右手でライスとかき混ぜながらカレーを食べる。
最初は恐る恐る…だけどすぐに慣れる。
いや、むしろスプーンで食べるより美味しいのではないか。
この絶妙な混ざり具合と、手にむしゃぶりつくワイルドな感じが堪らない。
こんな環境じゃなかったら、人目が気になってできないんだろうな。
だけど、ローカルだらけのお店でだったら、今後の旅でも続けていきたいな。
食後は、少年たちがウォーターボトルや食器を楽器代わりにして音楽を奏でてくれる。
お返しをせがまれたので、ドイツ人3人がドイツ語の歌を歌う。
私も日本語の歌を求められたのだけど…私だけソロだなんてアンフェアだ。
あぁ、しかし外国人ウケの良い日本語の歌って、どういうのなんだろう。
ふと横を見ると、少年が慣れた手つきでタバコを吸っていた。
見たところ、中学生くらいの幼気な少年。
「こどもがタバコを吸っちゃダメだよ!」と、慌てて止める。
するともう一人の少年(こちらは20歳前半くらい?)に、「彼は子どもじゃないよ」と言われる。
なんと彼は18歳だった。
いや…私にとっては子どもである事に変わりはないのだけど。
だけど可愛らしく懐いてくるその少年に、私は中学生くらいの子に接するような態度を取っていたというのに。
どっちにしても18歳でタバコは良くないと思うのだけど…干渉していいほどの年齢でない事は確かだね。
あぁ、ちなみにもう一人の少年は19歳だった。
とても1個差には見えないな…。
18歳の少年は英語が話せないから、私たちとの言語のやり取りは全て19歳の少年が執り行っていた。
18歳の少年とは、言語以外の手段でコミュニケーションを取る。
それでも十分仲良くはなれるから、やっぱり言語は「最重要」なツールではないんだろうね。
だけど、そうは言っても私の言語力の乏しさをここで実感させられた。
ドイツ人3人が話し始めると、私は一切入っていく事ができない。
リスニングの練習でもしようと耳を澄ませてみるのだけど、それが「ドイツ語」なのか「英語」なのかすら判別できないレベル。
つまりは1割も聞けてないという事。ひどすぎる…。
私はまだ、「輪」の中では会話ができない。
1対1の時は、一応の「意思疎通」はできている気になっていたんだけどな。
やっぱり学校を卒業して前より少し話せるようになったからって、己惚れていたようだ。
英語力が向上している事は間違いないのだろうけれど…
「相手が私のレベルに合わせてくれているからこそ成り立っている」という状況は、相変わらずなのだと思い知る。
デニスって、こんなにペラペラ喋る人だったんだね…。
気を使わせちゃってごめんね。
そしてドイツ人カップルは、夕食が終ったらジャイサルメールへ帰る。
この後は、ブータンに行く予定なのだという。
いいなー、ブータン。
……。
じゃなーーーーぃ!!!!
おぉーい!
誰だい、他のツーリストもいるから大丈夫だなんて言ったのは。
ニューイヤーだし8人くらいはいるよだって?
私がもしもデニスに出会ってお誘いしていなかったら…ツーリストは私一人じゃないか。
いや、こんな18歳と19歳の少年が私に何かするとはまるで思えないけれどね。
でも、もしも私が22歳くらいの可愛い大学生だったらどうしてくれるというのか。
ちなみに、私はテントをオーダーしてあったのに(くどいほど何度も言ったのに)、それも無かった。
今夜は寒空の下で野宿なのだ。
いや、その事自体も別に構わないのだけど…何だか騙された感が気に入らないな。
調子いい事ばかり言って…「トモダチ」だと言いながら過剰にスキンシップを取ってきたり飲酒を強要したり…。
やっぱり好きになれないな、あのオーナー。
はい、さようなら。
いやしかしね、ガイドブックに書かれていたよね。
「女性の一人参加は絶対に避けましょう」
「いざ参加したら自分一人だったというパターンもあるので、必ず同行者を募って参加しましょう」
見事にパターン2に当てはまるところだったね。
結果的には同行者がいるわけだけど…安易に申し込んでしまった私の落ち度でもある。
気を付けよう。反省。
という事で、今夜は満天の星空の下で4人で野宿。
とっても重たい布団を2枚もかける事になったのだけど…それでも寒いと思う冬の砂漠の夜。
月明かりが眩しいほどに辺りを照らす。
あぁ、裸眼の視力がもっと強ければ、より感動的なんだろうなと思いながら眼鏡を外す。
なにこれ!楽しいじゃない!
結果的には、テントが用意されてなくてよかったなと思いながら眠りにつく。