トリップブルー
長期で旅に出る旅人が、しばしば患う病気。
前回のインド・ネパール旅行の時も、出発前夜に患ってしまった。
女ひとりインド亜大陸周遊記、はじまりの日 ~トリップブルーを患う~
今回も、例のごとく患ってしまった。
慣れているはずだから軽く済む…のではなく、それはもう、慢性的に。
そう、あれはインドから帰国した頃。
次は世界旅行だ!と、常に思いながら生活をして、そして常にトリップブルーだった。
行きたくない。行きたくない。行きたくない。
そんなに嫌なら、行かなければいいんじゃないの?と思われるかもしれないけれど、それは違う。
行きたくないのに、行かなければならない。
行かないという選択はしないのに、行きたくない。
なんだろうなー、マリッジブルーもこんな感じなのかな。
幸せなはずなのに、今までの生活が変わるのが怖すぎて、尻込みしてしまう…という感じか。
トリップブルーが次に悪化したのが、9月の中旬。
上司と面談をしていた時の事。
わたし:かくかくしかじかで、11月9日の入校日までにフィリピンに行きたいんです。それを逃すと、次は11/23になってしまうんです…!(涙)
上司:3月くらいと思ってたから…ずいぶん早まったな~。
わたし:すみません。かくかくしかじかで。
上司:まぁ、ずっと行きたいって言ってたからな。
わたし:(キラキラとした眼差しをむける)
上司:よし、わかった!行ってこい!!!
わたし:(急に動揺)え??いいんですか??
上司:なんや、行きたいんやないんかい!笑
実際は、もちろんもっと長い会話をしていたのだけど。
行ってこい!と力強く言われた途端、あぁ私は本当に行くんだなと、現実的になった。
頭の中の構想が、外に出て動き出した瞬間。
そして昨日。
出発3日前に最終出社を終え、2日間で怒涛の準備ラストスパートをかけた2日目。
今日で日本での暮らしも最後か、と思ったら、凄く怖くなった。
やっぱり、旅の始まりがアフリカっていうのは刺激が強すぎだよね…東南アジアとかから始めればよかったかな。
その前にフィリピンに行くけど、うまく集団生活ができるか不安。
ルームメイトはどんな人かな。
一緒に住む先生は、優しい人かな。
いっその事、留学はせずにいきなり旅の方がよかったかも。
旅の方が自由で、自分のペースで好きに過ごせるから。
異国での集団生活…人見知りの私には怖すぎる。
行きたくないよ。
このまま日本で、普通に結婚して子育てがしたい。
だけど行こう。
だって、トリップブルーは飛行機に乗れば治るという事を、前回経験しているから。
凄く苦しいけど…まるでコンサートの前日かのように。
飛行機に乗るまでの辛抱。
飛行機に乗ってしまえば、そこからは進むしかない。
そして、今後の自分の人生の糧となる、素晴らしい経験がたくさんできるはずなんだ。
とりあえず…行ってきます!