ジャイサルメール -Jaisalmer-
いつもそうなのか、時期的な問題なのか、日中の城内はたいへん混雑をしている。
だから今朝は、朝一でフォート・パレス(Fort Palace)の見学に行く。
朝はまだ、そこまで混み合ってはいない。
フォート・パレス -Fort Palace-
ここは、ジャイサルメールの統治者が代々住んでいた居城。
カメラ持ち込み料込みで600ルピー(1080円)。
過去にこの城に攻め入られたことは、一度もないのだとか。
戦いに3度敗れた事があるけれど、それは長引く戦で兵糧が尽き、兵士全員が自害の道を選んだから。
なんだか日本の戦国史にも登場しそうなストーリーだ。
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城内の壁には、歴代の王の肖像画が飾られていた。
私には、どれも同じ顔に見える。
まぁ、同じ一族なのだから似ているのもわかるけど。
横顔ばかりだったのが、時代が進むにつれて正面画へと変わっていく。
そして最後には、写真になっていた。
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城内には、いくつかのジャイナ教寺院がある。
新しい寺院を建てるときには、王にこの様な置物を貢ぐ習わしがあったのだとか。
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ジョードプルのお城と同じく、ここにも美しいステンドグラスの部屋があった。
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そしてこのお城の一番高い地点からは、ジャイサルメールの街並みが見渡せる。
城壁の中と外の境目が、すごくはっきりとわかる。
この美しい砂漠の国を治める王って、一体どんな人間だったのだろう。
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オーディオガイドを聞いていると、一つのラブストーリーが流れてくる。
ジャイサルメールの王子が敵対する国の王女に恋をしてしまい、夜な夜なこっそりと通い詰めていたという話。禁断の恋だ。
誤解が原因で、二人の恋は悲しい終わりを迎えるのだけど。
まったりとしたジャイサルメールの一日
お城見学を終えて、朝食を食べに昨日夕日を眺めたカフェに向かう。
昨日払い損ねたチャイ代を、返さなくてはいけない。
カフェに入ると、見覚えのある外国人観光客が食事をしている姿が目に入る。
あれは…私のキャメルサファリ仲間のデニスじゃないか!
これは「どっちかがストーカーなんじゃないの?」と思えるほどの、驚きの偶然だ。
昨日に引き続き、約束もしていないのに会えるなんて…旅人の世界って、意外に狭いんだね。
私も朝食を注文する。
町の向こう側の砂漠を眺めながらの朝食。
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食後は、フルフラットの座席に移動をする。
デニスが読書をする横で、私は無防備にお昼寝をする。
この平和な空気感の中で、誰かが私に危害を加えるなんてとても思えないから。
1時間ほど経って、あまりの暑さに耐えきれずに起きる。
今朝はとても肌寒かったのに。
今日はお互い、特に予定はない。
(昨日もだけど…)
だってこの町では、精力的にガツガツと観光へ出かけなくたって楽しめる。
のんびりと砂漠の国のエキゾチックさに浸るのが、とても心地よい。
デニスが、昨日私が行っていた眺望スポットに行きたいというので案内をする事にした。
城門の方へ向かうと…もの凄い人混みだ。
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中々脱出できなくて立ち尽くす。
あぁ、観光スポットは朝のうちに済ませておいてよかった。
眺望スポットに到着。
昨日と同じ少年が、今日も相変わらず凧揚げをしていた。
ここは彼等の、毎日の遊び場なんだね。
景色は…何だか霞がかかっている。
昨日の方がよかったな。残念だね、デニス。
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という事で、そそくさと退散。
デニスが、ゴージャスな外観のレストランをお勧めしてくれる。
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中庭には、可愛らしいブランコまである。
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このレストランの屋上で、パニールバターマサラを食べる。
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そしてデニスがまた読書を始めたので、私もガイドブックを読んだりPC作業をしたりして過ごす。
何この呑気な感じ。
観光に来ている自覚がまるでない。
だけどそんな過ごし方を許してくれる、砂漠の国ジャイサルメール。
そして夕日を見に、今朝のカフェに戻る。
私が次の町「ブージ」行きのバスチケットが欲しいと言うと、デニスがあちこちに電話をかけてくれたりインターネットで探してくれた。
頼もしすぎる。そして英語が話せるって素晴らしすぎる。
私にはまだ「電話」なんてハードルが高すぎて、挑戦できないよ。
だけど結局見つからなくて、「ホテルのオーナーに頼むのが確実だね」という事になった。
うん、確かにそうだね。それを先にやっておけばよかったよ。
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またディナーの約束をして、一旦別れる。
宿に戻ってオーナーに相談をしたら、すぐに対応してくれた。
語学学校の先生スリシティがお勧めしてくれた通りの座席を、ここでも希望してみる。
おススメの座席
- シングルシート
- 二段席の二段目
- 運転手になるべく近い席
そして私の希望通りの日程で、希望通りの座席が取れた。
これで、一安心。
私はまた、次の町へと歩みを進める事ができる。
夜は、2日前にも行ったチベット料理のお店に行く。
デニスとは、明日から3日間のキャメルサファリに一緒に行く。
偶然の出会いを繰り返して、なんと到着初日を除く全行程の6日間を一緒に過ごす結果になった。
同じ宿でもない人と…こういう事もあるんだね。不思議な縁。
そして私は明日、あの砂漠の向こう側へ行く。
一体どんな世界が、私を待っているのだろう。