カイロ(エジプト)-Cairo-
朝7:00に、ベッドから出る。
よかった!治った!
何がって…時差ボケが。
実はおとといの夜までは、どうしても20時すぎには睡魔に抗えずに寝てしまっていて。
そして昨日の朝までは、どうしても4時くらいには目が覚めてしまっていて。
最初は「疲れているだけかな」って思っていたのだけど。
「たぶん時差ボケだな」って昨夜ようやく覚ったから、頑張って23時まで起きていたのだ。
だってフィリピンではとっくに寝ている時間で、とっくに起きている時間だもん。
だけど今日完治だ!よかった!
だからいつもより宿を出るのが遅くなった。
いつもはそろそろ出かけるかなという時間に、今日は洗濯物を干していた。
そうしたら、「朝食食べる?」って宿の人に声をかけられる。
え!朝食込みなのかこの宿は…!
ささやかな内容だけど、ありがたい。
だっていつも何だかんだで昼過ぎまで何も食べてなくて、お腹がペコペコだったから。
外で朝食取るタイミングって、難しいよね。
ちなみにティーはフリーでいつでも飲んでいいんだって。
身の危険を感じるほどの天候
今日は、15時にエチオピア大使館に行って、昨日申請したビザを受け取りに行く予定。
それまでの間にピラミッドを見に行こうと、駅を目指す。
あぁ、ようやくエジプトらしい事ができる。
道路をのんびり横断していたら、いつの間にか車が私の身体のギリギリまで迫って来ていた。
慌てて走って逃げる。
それを見ていた男が、「道路は早く横断しなきゃダメだよ!エジプトのドライバーはクレイジーだからね!笑」と忠告してくれた。
方向が一緒な為、何故か雑談をしながら一緒に歩く。
男 「これからどこへ行くの?」
私 「ただ散歩しているだけです」
(本当はピラミッドに行くんだけど、ツアーの勧誘されたら嫌だから内緒)
男 「ピラミッドは、もう行った?」
私 「まだです。たぶん明日」
(本当はこれから行くんだけど。笑)
男 「あそこの通りを曲がったら、市場があるから行ってみなよ」
私 「そうなんですか~、後で行ってみます。まず銀行に行かなきゃ」
男 「銀行ならあそこにあるよ!その手前に僕の店があるから寄っていきなよ」
私 「いや…大丈夫です。」
男 「大丈夫、心配しないでよ。ただディスカウントカード渡したいだけだから。気に入ったらあとで来ればいいよ。」
たった2分だよと言うので、仕方なく付いて行く。(←こら!)
「砂漠は行くか」と聞かれて、「行くけど直接砂漠の町まで行って申し込むからカイロからのツアーには参加しない」と答える。
すると、「砂漠の町までのバスは眠れないし困難だよ!ツアーがいいよ!明日、3人組が申し込んでいるから参加しなよ!」と言われる。
でも自分で行きたいのだと伝えて、本当に2分後くらいに「じゃあまたね」と無理やり店を出る。
というか、店まで付いて行く義理なんてなかったよな、2分無駄にしたなと反省。
男の店を出て間もなく、突然、土砂降りの雨が振って来た。
近くの店の軒先で雨宿り。
これは一時の雨なのかな。
それとも今日はずっとこの調子なのかな。
すると5分で止んだ。
まだ大気は不安定な様子だし、どうしようかなと迷う。
ピラミッドの最寄り駅のギザ駅まで行ってから考えようかなと、再び駅を目指す。
すると再び、雨が降り始める。
こりゃダメだ。
ピラミッド周りの砂も水浸しでドロドロだよね。
という事で、宿に向かって歩く。
すると突然、突風が吹き荒れる。
頭上で何かが「バンッ!」と弾ける音がした。
そしてその直後、「バラバラバラー!」っと、プラスチックの破片が降って来た。
痛いっ!なんか当たった!
慌てて、すぐ横にあった建物内に逃げる。
落ちて来たその物体たちは、すぐに風にさらわれてどこかへ行ってしまった。
間一髪…扉の外では、色々なものが風に運ばれて猛スピードで通り過ぎてゆく。
トタンの破片みたいなものも流れてくる。
ちょっと、命の危険すら感じるレベル。
台風直撃のさなかに外出している気分。
しばらく建物内で待機をして、風邪が弱まった頃に、恐る恐る外へ出る。
たった数分の出来事だったのに、木が倒れて植木鉢も割れている。
道路の奥の木も、斜め45度に傾いている。
急いで宿に帰ろう。
そういえば、朝に干した洗濯物は大丈夫だろうか。
最小限の荷物で旅をしている私には、1つとして失ってもいいアテムはないのだけど。
宿に戻るとすぐに、スタッフに洗濯物を見に行くように促される。
荷物も置かないままに見に行くと、アイテムは全て失われずにそこにあった。
よかった。びしょ濡れだけど。
スタッフが室内用の物干しを出してくれて、部屋に置いてくれた。
なんて優しいんだ!
砂っぽくなってしまった洗濯物を、再度すすいで干し直す。
ふうっ~。
11頃、天気が回復した。
だけど15時にエチオピア大使館にいかなければならないので、もうピラミッドに行く暇はない。
というか、今日はもういいや。
なんかやる気失くした。
エジプト(カイロ)のエチオピア大使館でビザを受け取る
15時に間に合うように宿を出て、2日前に食べて美味しかった大使館近くのケバブ屋さんに立ち寄る。
2日前は、チキンのミディアムサイズだった。
今日はビーフのラージサイズにしよう。
料金は、28ポンド(約196円)。
私が食べ物を「ラージサイズ」で頼むなんて、凄く珍しい。
なんならラージでも足りないくらい。
無限に食べられそうだ。
大使館に向かう途中で、人々が大雨の後処理をしていた。
朝に歩いていた時も、雨が止んだ直後に掃除している人たちたくさんいたし。
みなさん、意識が高い。
そして約束の15時より15分ほど早く、大使館に到着。
昨日と同じ手順で、中に入る。
職員(奥の席だし大使かな?)の机には、既に私の書類が準備されていた。
ちゃんと15時に間に合う様に待機してくれていたんだ…遅れたり、勝手に明日に回したりしなくてよかった。
ビザは、きちんと受け取る事ができた。
マルチプルビザって書いてあるかどうか…私の目では確認できないんだけど。
でも対応も丁寧だし、たぶん大丈夫。
カイロ発祥の地、オールドカイロを少しだけ
さて、このあとの中途半端な時間は、どうしようか。
そうだ、オールドカイロに行ってみようか。
オールドカイロは、カイロ発祥の地。
最寄り駅のマール・ギルギスから出ると、既にモスクの様なものが並んでいた。
マール・ギルギス駅(El Dokki)
地下鉄ブルーライン/アッ・サーダート駅(Sadat)から約6分
だけど警察や警備員がいっぱいいるから、ヘタレな私は少し通り過ぎてから写真を撮る。
オールドカイロは、ニューカイロとは全く違う街並み。
こっちの方が好きだなー。
穏やかな、古き良き街並み。
特に何かを見る事もなく、隣駅まで歩いてメトロに乗って戻る。
昨日に引き続き…私の旅力、低すぎだよね。
「オールドカイロ」って、タイトルに入れるのも恥ずかしいくらいだよ。
最寄駅から宿へ戻る道すがら、虫よけスプレーを求めて何軒か店を訪ねる。
エジプトの時点でこんなに蚊に刺されている私。
これからマラリアの恐れのある地域に行くのに、こんな無防備では不安すぎるから。
日本の優しい虫よけは、アフリカの蚊には効かない様で。
現地の蚊には現地の蚊よけ!という事なので、都会のカイロで今の内に入手しておきたい。
そして、身体にかけてもいい蚊よけスプレーを75ポンド(約525円)で購入。
これで大丈夫だといいんだけど。
夜のカイロは「万華鏡」
夜、夕食はどうしようかと外へ出る。
2日前に、ティー屋さんの客引きがひっきりなしに声を掛けて来た通りを歩く。
今日も彼等は相変わらずなのだけど、今日は彼らを鬱陶しいと思わなかった。
聞きなれないアラビア音楽の響き渡る中、まるで「万華鏡」の様に、彼らの姿が現れては消え、現れては消えてゆく。
2日前に鬱陶しいと思った彼らの姿を、今日は鮮やかで美しいと思った。
万華鏡を回しながら、真っすぐと前を見据えて歩く。
たまに万華鏡を回す速度を緩めてみるものの、やはり万華鏡は回し続けているからこそ美しい。
彼らが私の覗いている狭い視界の中に入ってくるたびに、私はその模様の変化に笑みを漏らす。
今日の彼らは、なんて美しいんだろう。
私が最終的に万華鏡を回す手を止めたのは、初日二日目に行った安定のコシャリ屋さんという…何の面白みもない、普通の模様で終わったのだけど。