-Khartoum to Kassala-
ハルツームからカッサラ行きのバスが出ているミナバリー(Mina al-Berry)というバス乗り場は、中心地から離れている。
だから、今回は事前の予約はせずに直接行く事にしている。
そしてこのミナバリーというバス乗り場、事前情報によると、かなり評判が悪い。
お金目当ての人たちがわんさか寄ってきて、手伝おうとしてくるのだとか。
スーダン、基本的には「人がいい国」なのに、ここでスーダンを嫌いになってしまうほどに。
そんなバス乗り場、行きたくないんだけどなー。
でも、行くしかないのだ。
▼前回のお話し▼
ハルツームで唯一の観光地?青ナイルと白ナイルの合流地点に行ってみる
ハルツームのミナバリーバス乗り場
宿を出るとすぐに、タクシーが止まってくれた。
ミナバリーまでは、300ポンド(約396円)との事だ。
交渉すれば、もっと安く乗れるんだと思うんだけど。
何故かスーダンでは交渉する気にならないので、言い値通りに素直に乗る。
だって、いつも無償で優しくしてもらってるのにさ。
こういう時は、少しでも安く値切りたいだなんて…何となく、受けた優しさを仇で返すみたいで嫌だなって。
15分ほど乗って、バス乗り場に着いた。
運転手が、「ミヤミヤ?」って聞いてきたから、「ミヤミヤ♪」と答える。
昨日も言われたけど…ミヤミヤって、一体なんなんだ。
後で調べたら、「グッド!」みたいな意味だった。
タクシーを降りると、事前情報通り、多くの人が詰め寄ってくる。
カッサラ?カッサラ?カッサラ?カッサラ?
あー、これは確かにうざいわ。笑
だけど「ノー」と答えたら、それ以上しつこくはされなかった。
バス乗り場のエリアに入るには、入場料15ポンド(約20円)が必要。
カッサラ行きの窓口を自分で探そうと思って歩いていると、うざい人に「どこに行くんだ?カッサラか?」と聞かれる。
無視をして、自分で適当な窓口に行って聞いてみる。
「カッサラに行きたいのですが…」
すると、窓口の人は「あっちの窓口だよ」と教えてくれる。
それなら自分で「あっち」に行って聞くのに。
私の目的地が「カッサラ」だと知ったうざい人が、「こっちだ!」と言って先に窓口に行ってチケットを予約しだす。
えー、自分でやるからいいのに。
有難迷惑な近所のおばちゃんかよっ!
その人は無視をして、改めて自分で行先を言い、そして値段を尋ねる。
料金は、500ポンド(約660円)。
何故かうざい人が勝手に私のチケットを受け取って、何やら書き込みをしている。
このうざい人にマージンが入るのかもしれないけれど、もう面倒くさいのでスルー。
朝から怒るのもね…体力使うし。
一刻も早く、こやつの傍から離れたいし。
このうざい人は、一生うざいんだろうなー、人に嫌われる人生なんだろうなー、あー可哀そうな人。
なんて思いながら、その場を離れる。
窓口の人は「5番の場所で座って待て」と言ったのだけど、私は待たずに外へ出てバスを探す。
外のバスエリアは、もの凄いバスの数。
人一人ギリギリ通れるくらいの狭さしかないのに、急に発車しだしたりするから、焦る。
これで事故が起きたりしないのだから凄い。
親切そうな人を選んで、チケットを見せる。
そうしたら、「あっちだよ」って教えてくれた。
その「あっち」で、若い青年に聞いてみる。
青年はアラビア語しか話さないのだけど、私を引き連れてバスエリア内を歩き回る。
彼にもよくわからないみたいで、色々な人に聞きながら、ぐるぐるぐるぐる。
その内、同じくカッサラ行きのバスを探しているらしいスーダン人も合流。
3人で、再びぐるぐる。
カッサラ行きのバスを探している乗客は、場所がわかったみたいだ。
「あとは、この人に付いて行ってね!」とアラビア語で言い残し、青年は去っていった。
その乗客は、私が付いてきているかを度々確認しながら、ずんずんと前へ進んでいく。
そして、ようやく発見。
全然、5番のゲートの傍なんかじゃなかったんだけど。。
待たずに自分で探しに行ってよかったよ。
バックパックを預けるとき、私のバックパックに何やら記号を書き込もうとする。
バックパックというか、バックパックに掛けてあるザックカバーにだけれど。
びっくりして「Noーーー!」と言ったら、「じゃあそれなら」といった感じで、今度はバックパック本体に書き込もうとする。
油性マジックペンで。
当然、「Noーーー!」と拒否。
そうしたら、「じゃあどこに書けばいいんだよ!やれやれ」みたいな態度を取られる。
直接書き込むとか、さすがに「文化の違い」とかそういったレベルではなくないか?
何回も乗ったらさ、マークだらけになってしまうよ。
まぁ、バックパックに直接書かれるよりはマシかと思い、ザックカバーに書いてもらう。
私のザックカバーは黒だから、黒いペンで書いても見えないと思うんだけどね。
マークを付ける必要があるならさ、シールを張るとか、タグを用意するとか、そういった発想はないのだろうか。。
やっぱり、文化の違いか。
マジックペンの彼が、積み終わった私のバックパックを指さして、アラビア語で何やら訴えてくる。
たぶん、「荷物代を払え」とかそういった事が言いたいんだろうなー。
とは察しつつも、「私はアラビア語が話せません。英語で話してください」と意地悪な対応を取る。
まぁ、彼の言葉が理解できないのは事実だし。
彼は引き続きアラビア語で捲し立ててくるのだけど、他の人が「いいから乗りなよ」と促してくれたので、彼を無視してバスに乗り込む。
たぶん、荷物代なんて必要なくて、ただ私が外国人だからせびってきただけだと思う。
ハルツームからカッサラへ|ローカルバス
バスに乗り込むと、間もなくバスは発車。
定刻の6:00より10分遅れくらい。
10分遅れは、ここではほぼ「定刻」と言ってよい。
ギリギリだったみたい。
間に合ってよかった。
それにしても、確かにミナバリーはスーダンにしてはうざいスポットだったな。
だけど親切な人もいたし。
スーダンいいなー好きだなーと思ってミナバリーに来たら、とてもびっくりすると思うけど。
だけど「うざいらしい」と事前に知った上で来てみたら、想像よりはうざくなかった。
スーダンのうざいレベルは、他の国と比べれば可愛いもんだね。
窓の外を眺めていたら、隣の席の少年が「んっ!」と、まるで「となりのトトロ」のカンタの様に、ぬっと手を出してきた。
どうやら、車内でジュースとお菓子が配られている様だ。
受け取って、「シュクラン♪(ありがとう)」と言ったら、「僕じゃなくて、あの人だよ(アラビア語)」と言って乗務員を指さす。
なんて素直な少年なんだ。
受け取って、私に渡してくれた事へのお礼だったんだけどな。
休憩は、いつものごとく広大な大地の中で。
だけど何だか賑やかだ。
トイレを探していたら、別に「トイレを探している」なんて言っていないのに、みんなが「あっちだよ」と教えてくれる。
親切だ。
トイレを発見。
女性トイレなのに、男性がトイレの入り口にカウンターを構えてお金を集金している。
現地の人がみんな払っているから、私も払おう。
と思って集金係を見たら、「入りなさい」という仕草をされる。
トイレを出ても、特に料金を徴収される事はなかった。
何でだろう、私が外国人だからかな。
普通は、逆なんだけどね。
外国人からは多めに取ろうとか、思うものなのに。
カッサラという町
そんなこんなで、バスは9時間後の15時ごろにカッサラの町に到着。
そこは中心地からは大分離れている場所だから、何かに乗って行く必要がある。
迷わずタクシーに乗って、中心地を目指す。
運賃は、250ポンド(約330円)。
ミニバスで、もっと安く、たぶん数十円程度で行けたんだろうけど。
もう疲れているし、面倒くさいからタクシーでいいや。
…と思ったわけではなく。
疲れすぎて無意識にタクシーに乗ってしまったのだけど、タクシーの中で「あれ?ミニバスで行けたんじゃないか?」と思い立ったのだ。
まぁもう、どっちでもいいや。
宿は、なんとかっていう宿。
人様のブログを拝読して、唯一「キレイ」と書いてあった宿にした。
他の記事の宿では、「汚い」「汚いけど我慢できるレベル」など、あまり良い評価はなかったから。
他の町と同じく、1泊600ポンド(約792円)。
だけど宿のオーナーがね、私の嫌いなタイプ。
機嫌が悪いのか、口調が強い。
ハルツームで泊まった宿の名前を聞かれて、覚えていないから調べていたら、「遅すぎる!もう必要ない!」って急に怒り出すし。
必要ないなら聞くなよ。
他のスーダン人だったら、きっと「わからないならいいよ~!」と穏やかに言ってくれると思うのに。
2泊する予定だったけど、1泊分だけ払って「もう1泊するかは、少し考えます」と答える。
宿が嫌いな場合、私はすぐに町自体を離れるタイプ。
インドの「ハンピ」もそうだったし。
明日行く予定の「タカ山」が見れる場所はないかなと、街を散策。
しばらく歩くと、建物の奥ににょきっと生える「タカ山」を発見。
明日は、あそこに行くのだ。
カッサラの街は、素朴な街並み。
だけど、子供が石を投げてきたりする。
口調が強かったり、チャイナチャイナと冷やかし口調で言う人も、他の町より多い。
ここは、「エリトリア」の国境に近い町。
もしかしたら、血筋が他のスーダン人とは違うのかもしれない。
車通りが多い、雑多なエリアもある。
そして、何とスーパーマーケットがあった。
日用品や、食品なども多数売られている。
この町では、とくに食べたいものを発見できなかった。
だから今日の夕食は、スーパーマーケットで買ったお菓子たち。
これで、459ポンド(約605円)。
スーダンに来て、最も高い夕食だ。
酒のつまみ感が出ているけれど…。
スプライトがお酒代わりだね。
▼次回のお話し▼
ハネムーナーに人気の「タカ山」へ&エチオピア越境へ向けてガダーレフへ