-Kathmandu to Pokhara-
今日から私はツーリスト。
「トレッカーの私」は、カトマンズに置いて行こう。
カトマンズからポカラへ|長距離バス移動
今日は、カトマンズからポカラという町に移動する。
ポカラ行きのバスは主に3種。
- ローカルバス
- ツーリストバス
- グリーンライン
グリーンラインは高価で、ローカルバスとツーリストバスは値段がさして変わらないのに乗り心地が違うとの事。
私は「ツーリストバス」でポカラに向かう。
朝7:30のバスを予約してあるので、7時少し過ぎにバス停に向かう。
ポカラへは、複数社のバスが運行されている。
バス停に着くと、「ポカラ?このバスだよ~!」と案内される。
予約済のチケットを見せると、「そのバスはあっちだ」と、何やらザワザワ。
目の前のバイクに乗ることを促される。
いや、場所が違うなら歩いて行くからいいよ…と思うのだけど、かなり強引なので渋々乗ることに。
バイクに乗りながらドライバーと話しているうちに、私が時間を間違えていた事が判明した。
7:30発だと思っていたバスは、実際は7:00発だったのだ。
え~!昨日予約したときは7:30って言ってたのにー!
だけどチケットを確認したら、きちんと7:00発と記載がされていた。
これは、私が悪い。
ドライバーは、私を乗せてバスを追いかけてくれている。
なんて優しいんだろう。
乗るときに「お金は払わないよ!」なんて言ってごめんね。
ネパールでバイクに乗るのは、ヒマラヤで迷子になった時に続いて2回目。
自分が歩行者の時は「バイク危ないな~邪魔だな~」などと思う。
だけどバイクの後ろに乗るのはとても気持ちがよく、このままポカラまで行ってしまいたい気分だ。
しかしそんなわけにもいかず、バイクはバスに追いつく。
私のチケットを確認して、座席の場所まで案内してくれた。
私は彼に100ルピー(100円)のチップを渡した。
たぶん渡さなくても要求はされなかっただろうけど。
以前の私なら、払わなくてよいお金をわざわざ払う事はなかっただろうと思う。
だけどトレッキングを経て、感謝の気持ちは形に表そうと思うようになった。
こんなにスムーズにチップを渡すなんて、初めてかもしれない。
ツーリストバスといいつつ、車内の様子はローカルバスとどこが違うのかわからない。
途中のバス停で、続々と中国人観光客が乗ってくる。
乗客のほとんどが外国人だ。
あ~だからツーリストバスなのか。
窓の外を見ていると、ヒマラヤを想いだす。
こんな風景の中を、毎日歩いていたなと。
バスは定期的に休憩所に入る。
可愛いカフェがある休憩所に止まったのだけど、尿意をもよおしては大変なので我慢。
バスは、悪路を行く。
ガタガタと細かく揺れる。
長距離バス移動が初めてならば、「とても悪路で大変だった~!」という感想になるのだろう。
しかし、カトマンズからジリ行きのバスを体験した私にとって、これくらいは平気だ。
だけど退屈だな。
ジリ行きのローカルバスは、悪路にも関わらずとても楽しかったのに。
このバスは、何の楽しい出来事も起こらない。
普通の移動。
あぁ、ツーリストバスだからかな。
やっぱりローカルバスにしておけばよかった。
湖の町「ポカラ」
退屈ではあったけれど、バスは無事16:00頃にポカラのバスパークに到着した。
ここまで約9時間。
旅に出る前は、長距離移動なんて耐えられるのか疑問だった。
だけど意外に普通に耐えられる。
それに、9時間歩き続けても目的地に辿り着かない絶望感に比べたら、9時間ただ座っているだけなんて楽すぎる。
退屈だけど。
ポカラの客引き…
バスを降りると、タクシードライバーがわんさか詰め寄ってくる。
ここはポカラの中心地からは離れているから、タクシーに乗るのが便利だ。
だけど歩いても30分ほどの距離。
山道を何時間も歩いていた事を思えば、平地の30分なんて「すぐそこ」の様なものだ。
そして先ほどから私は、しつこいほど「トレッカー時代」を引き合いに出してしまっている。
今日からはツーリストに戻ろうと決めたのに、未練たらたらすぎて困る。
タクシードライバーが詰めよってくるのだけど、無視までせずとも「NO」と一言いえばしつこくはされない。
カトマンズの客引きたちに比べたら、穏やかなものだ。
バスパークから、徒歩でホテルへ
歩いて30分もしないうちに、レイクサイドに着く。
夕暮れ時の湖が美しい。
ポカラはとても穏やか。
カトマンズと比べて交通量も少ないから、無茶な「命がけの道路横断」もしなくていい。
鬱陶しい客引きもほとんどいない。
疲れ果てた旅人たちを癒してくれるんだろうなと思う。
私は疲れてはいないのだけど、この町は一体私の何を癒してくれるんだろう。
ポカラの宿「ルスティカ」
「ルスティカ」という宿にチェックイン。
バストイレ付きのプライベートルームで600ルピー(600円)。
そしてシャワーを浴びてびっくり。
熱いくらいのホットシャワーだった。
カトマンズの宿は3件経験したけど、どこもヌルシャワーだったのに。
「ポカラ・タカリ・キッチン」で夕食
今日は朝からロクに何も食べていない。
バス車内でオレオを一袋かじっただけ。
まだあまりお腹はすいていないのだけど、初めての町だし早めに夕食に出よう。
「ポカラ・タカリ・キッチン」というお店でタリを食べる。
タリとダルバートの違いが、よくわからない。
そういえば、トレッキングから帰ってきて変わった事がある。
レストランや宿の従業員に、自分から進んで「ナマステ~♪」と挨拶をするようになった。
以前は、とても受け身だったのに。
「精神的に強くなった」だけでは、抽象的すぎて説得力がない。
こういう、目に見える変化があってよかった。