ー世界はきっと、美しいー
ネパール -Nepal-

のんびりポカラ観光と、この旅で最も最悪な気分の夜

【ネパール旅行記】2017/11/07

ポカラ -Pokhara-

宿を出て後ろを振り返ると、ヒマラヤ山脈がでかでかと佇んでいる。
実は毎朝、この光景を見てから出かけている。

なのに展望スポットに行く頃には、いつも雲の中に隠れてしまう。
これくらい早い時間に到着していれば、とても素晴らしい景色が見られるはずなんだ。

のんびりポカラ観光

今日は、フェワ湖の南の方まで観光に行こうと思う。

ポカラ観光は今日で4日目。

ハイキングをしたり、トレッキングをしたり、パラグライディングをしたり。
いつもアクティブに活動していたので、今日はのんびりとお散歩気分で観光をしよう。

目的の場所までは、宿から徒歩1時間ほど。

ルンビニ行きのバスを予約

中間地点にバスパークがあるので立ち寄る。
ここからも、ヒマラヤ山脈が見える。

ここで、明日のルンビニ行きのバスを予約。

片道7時間、朝8:30の出発。(800ルピー/800円)

そう、ポカラの滞在は今日で最後なのだ。

そしてまた歩く事約30分。
ずらりと立ち並ぶ商店街がある。

この辺りのはずなのだけど…入り口が見当たらない。

…と思っていたら、商店街の中を突っ切るみたいだ。

デヴィズ・ホール -Devi’s Fall-

入場料:30ルピー(30円)

これは分かり難いよー。
上なんて見ながら歩いてないものー。

「デヴィズ・ホール」は、デヴィッドというスイス人トレッカーが落ちて行方不明になった事で、この名で呼ばれる様になったらしい。

「フェワ湖から来る川の水が地中に吸い込まれて、岩壁の大穴から滝となって流れ落ちる奇怪な場所」

という事なのだけど、その奇怪な様子がよくわかる遊歩道にはなっていない。

もう少し良く見えるようになっていたら嬉しいんだけどな。

次の目的地は、このデヴィズ・フォールから道路を渡って斜め向かい。

こちらも商店街を突っ切った先にあるのだけど、こちらの方が派手で分かり易い。

グプテシュワール・マハーデヴ洞窟 -Gupteshwar Mohadev Cave-

入場料:100ルピー(100円)

薄暗い洞窟の中を歩く。

地面は濡れていて、天井からは時折水滴がしたたり落ちる。

したたり落ちるというレベルではなく、どばーっと降ってくる個所もある。

終点まで行くと、奥から光が差し込んでいるのが見えてくる。

どうやら滝の様だ。

薄暗く静かな環境だったら、ドキドキの洞窟探検になったのだろうか。

たくさんの「インド人観光客」が騒いでいるから、ちっとも雰囲気が出なかったよ。

いつもそうなのか、今回たまたま重なったのか。

タシリン・チベット村

近くには、タシリン・チベット村という所がある。

チベット人が、アクセサリーを売っている。
「ハローハロー」としきりに手招きをされる。

日本の硬貨と交換でもいいと言われた。

アクセサリーが欲しければ、ここで交渉しながら買うのも面白いと思う。

チベット人と、シェルパ族って同じなのかな。
どっちもチベット出身だよね。

あ~懐かしいななんて思いつつ、何も買わずに去る。

今日はのんびりポカラ観光。

一旦宿に戻って、汗だくの身体を流す。

※ここから先は、ショッキングな内容を含みます。
暴力的な話が苦手な方は、閲覧をご遠慮ください。

この旅で最も最悪な気分の夜

夕方、フェワ湖のほとりを散歩しに行く。

人だかりができているので、何だろうと思い近づいてみる。

人の輪の中心で、男Aが早口で何かの説明をしている。
男Aの足元には、男Bが仰向けで横たわっている。

男Bの首と胸の中間付近に、大きなナイフが突き刺さっている。

縦に突き刺さっているのではなくて、横たわる男Bの身体に対して平行に突き刺さっている。
ナイフの根元と刃先の両方が見えている状況。

男Aは何かを訴える様に早口で捲し立てている。

男Aがナイフの柄を持ち上げると、男Bの身体も吊られて浮く。
だから、ナイフが刺さっているのはフェイクではなさそう。

吊られた男Bは、苦しそうに呻き声を上げる。
上げるのだけど…それは息も絶え絶えな、か細い呻き声。

男Aの手には、べっとりと血が付いている。
男Bの胸元も、赤く染まっている。

その様子を、群衆が写真に撮る。
そして、方々から人々が投げた紙幣が飛んでくる。

男Aは紙幣をかき集め、男Bの胸元に置く。

そして再び、何かを訴える。
すると、更に紙幣が飛んでくる。

・・・・・・。

全く意味が分からない。

男Aが一体何をしているのか。
男Bは何でそこに横たわっているのか。

それを写真に撮る群衆たちも。
それを見て、紙幣を投げようと思う気持ちも。

全く意味がわからない。

目の前で繰り広げられる光景が理解できなくて、またそれを最後まで見届ける気持ちにもなれなくて、私は混乱しながらその場を後にした。

ふらふらと、レイクサイドに腰を掛ける。

意味が分からな過ぎて、しばらく塞ぎ込む。

景色を見て、とにかく落ち着こう。
夕暮れに染まる湖が、とても綺麗だよ。

・・・・・・。

落ち着けない。

こんなに綺麗な景色の後ろ側からは、まだ群衆のざわめきが聞こえる。

数日前にも同じ場所で群衆を見た。

その時は人だかりが大きすぎて、何が行なわれているのかは全くわからなかった。
だけど、人だかりの中から嗚咽の様な唸り声が聞こえたのを覚えている。

何かのマジックであればいいと思う。
そうであって欲しい。
そうじゃないと、説明がつかない。

パフォーマンスが終わった様だ。
人々が拍手をするのが、遠くから聞こえてくる。

全く意味が分からない。
全く意味が分からない。

最悪な気分の、ポカラ最終日の夜。

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