ー世界はきっと、美しいー
+ヒマラヤトレッキング

ヒマラヤトレッキング1日目|初日から道に迷うなんて前途多難(ジリ→シバラヤ)

【ヒマラヤ紀行】2017/10/04

ジリ(Jiri)1995m
シバラヤ(Shivalaya)1790m

始まりの町ジリは、既に標高が1995mもある。
富士山5合目と同じくらい。

朝起きると、少しだけ息苦しさを感じた。

アツアツのミルクティーを飲んで、宿を出る。

トレッキング開始|ジリからシバラヤへ

7:20 トレッキング開始!

ジリを出て10~20分後、分かれ道に出会う。
地図によると、多分左の道だろう。

たまたま出会ったおばあさんに、ジリはこっちかと聞いてみる。
おばあさんは、そうだとうなずく。

やはり左か!と思ったら、こっちだついて来いと左へ誘導される。

左へ…って、えぇ!??

左の道の更に左に、細く険しい道がある。

まさかの第三の選択肢~!

おばあさんは、ひょいひょいっと登っていき、私にも来い来い言ってくる。

今私が向かっているシバラヤまではバスで行けるはずだから、そんな変な道じゃないはず。

「シバラヤだよ!マリ(シバラヤの手前の町)だよ!」と伝えるも、こっちだと譲らない。

近道なのかな…。
仕方がないのでついて行ってみる。

さすが高山の女、ハイペースでどんどん登っていく。
おばあさん…そんなペースで登っていったら、私高山病になっちゃうよ。

おばあさんは、しばらく行くと立ち止まって待っていてくれる。
そんなふうに、どんどん誘導してくれるんだけど…。

息が上がってきた。
高山では、息が上がるほどのペースで歩いてはいけない。
申し訳ないけど、息が上がらない程度のペースに落とさせてもらう。

間もなくして、集落に出た。

集落を抜けると、先ほどまでと同じような道に合流。
やっぱり、近道だったんだと思う。

私、近道じゃなくてもいいから簡単な道がいいんだけど…。

シバラヤまで3時間!

また、平坦な車道をテクテク歩く。

現地人に出会うと、「ナマステ~」と挨拶をしてくれる。
そういえば日本でも、山では「こんにちは」と挨拶してたっけ。

今度は私からも挨拶してみた。

「ナマステ~!」

すると「シバラヤに行くの?こっちだよ」と、また細い横道を紹介される。
こっちはロングな道で、こっちはショートな道だよと。

私、ロングでいいんです。

…とは言えずに、彼らが見えなくなるのを見送ってからロングな道に進もうとする。

すると、宿にいたフランス人たちがやって来て、「こっちだよ!行こう!」と誘われてしまった。

えーーーー。

だけど彼らも、先ほどのおばあさん程ではないけどペースは早め。(というか私が遅い)
いつの間にかいなくなっていた。
うん、お互いの為にその方がいいね。

進んでいくと、絶対にこっちじゃないよねと思える頼りない道になってしまった。
こういう時は勘で進んではいけないと思い、少し戻ったところの民家で聞いてみる。

どうやら合っていたようだ。

間もなく、また車道にでる。

黙々と歩く。

黙々黙々。

黙々黙々。

・・・・・・。

全然着かな~い!

「シバラヤまであと3時間」の表記から、既に2時間半は経っている。
シバラヤの手前の町マリには、着いていてもいいと思うのに。

しばらく人とすれ違っていない。
仕方がないので、崖の上の民家で遊ぶ子供たちに聞いてみた。

すると「そっちじゃない、こっちだ」と、いま私が歩いてきた道を指す。

えー?いつの間に間違えたんだろう?

30分ほど戻ったところで、看板を発見。
シバラヤまで、あと1時間30分。。。。

このあたりでようやく気付いたのだけど、どうやらこの看板の先も正規の道ではなさそう。
地図アプリを見ると、マリを通らず北へ大きく迂回するルートを通っている。

恐らく、近道の山道で間違えたんだろうな。
やっぱり急がば回れの精神で、ロングな道を選んでおけばよかった…。

地元民しか通らないような山道を下っていく。

急な岩場では、足を滑らせそうになる。

細い山道が度々分岐している。

もう、人に出会う度に合っているか確認。
たまに「違うよ」とか言われるし。

もうヤダーーーーー!

しかも、マリで調達しようと思って1本しか持っていなかった水は、枯渇してきている。

TVで見た100時間サバイバルのプレイヤーにでもなった気分で、ちびちびとわずかな水をすする。

でも私、今一人で本当によかった。
もし隣に誰かがいたら、きっと理不尽に八つ当たりをしてしまう。

こんなにのどかな風景なのにね。「美しい」と思う心まで失ってしまった。

もうヤダもうヤダと、大人げなく独り言をつぶやく。

気を紛らわせるために、鼻歌なんか歌ってみる。

どんどん標高は下がってきているはずなのに、川が近づいて涼しくなってくる。

頼りないつり橋を、無心で渡る。

すると、元気な少年たちに出会ったので聞いてみた。

「シバラヤまであと何分??」

「5~10分だよー!」

おぉ~!!!!!
落ちに落ちていたテンションが復活。

間もなく、街が見えてきた!

残りの水を飲みほしてしまいたい衝動にかられたけれど、ぐっと堪える。
こういうのは、街が見えてからが意外に遠かったりするものだ。

つり橋を渡ったらシバラヤ!

13:50 到着!

ここまで6時間半もかかってしまった。

本当は、シバラヤは中継地点で、ここから峠を越えてバンダルという町に向かう予定だった。

しかし満身創痍の私は、予定を変更してこの町に宿泊する事にした。

それにしても、辺りはゲストハウスだらけ。

どうしようかなと思っていたら、目の前のゲストハウス前でくつろいでいた外国人に、
「ここは安くてお勧めだよ、wifiもあるし」
と勧められる。

もう、鍵がちゃんとかかってホットシャワーが出ればなんでもいいやという感じだったので、それだけ確認してここに決める。

お値段、なんと100ルピー(100円)

安っ!

聞き間違えかと思って電卓に数字を表示させて聞くも、やっぱり100ルピー。

バストイレは共同で、空間にベッドと机だけの簡素な部屋だけど。
カトマンズではバストイレ付きの個室に甘えていたので、いい経験だ。

疲れ果てて、ごろりと横になる。

だけど、自分から異臭がするし、顔を触るとざらざらする。
砂埃かなと思ったら、大量に吹いた塩だった。

それに、日が出ているうちに洗濯もしたい。

重い腰を上げてシャワーを借りにいくと、真っ暗闇に小さな窓明かりだけの陰気な空間。
これ、夜になったらどうするんだろう。。。

しかし、シャワーは暖かくてありがたい!

ちなみに、シャワーは150ルピー(150円)。
LCC方式で、宿代は安いけどオプショナル代が加算されるシステムの様だ。

ふと腰を見ると、骨盤の上が両方とも大きく腫れている。
明日は、バックパックの腰ベルトの位置を変えよう…。

夕方、激しい雨が降ってきた。
あぁ、無理して峠越えなんてしなくてよかった。

今日は感情ぐちゃぐちゃの余裕のない日だったけど、明日からはもう少し大人な旅ができるといいな。

本日の行程

ジリ(Jiri)1995m
↓(6時間半)
シバラヤ(Shivalaya)1790m

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