札幌の隠れ名スポット！？坂ビスケットの博物館・レトロスペース坂会館

札幌に本社を構える、明治44年創業のビスケットメーカー「坂ビスケット」。

このビスケット屋さんに併設されている博物館が面白いらしい…という事で、行ってみる事に。

博物館というか、坂ビスケットの社長が個人的に趣味で集めたものが展示されているレトロ空間らしい。

レトロスペース坂会館

その博物館は、「レトロスペース坂会館」という名。

表の窓から中を覗くだけで、その不思議空間が垣間見れる。

入り口から入ると、普通にビスケット屋さんのカウンター。

そして、そのビスケット空間から更に先へと進める入り口がある。

そこでは所狭しと、レトロな品々が並んでいる。

古いタバコとか。

あ、でも全然デザインが変わっていない銘柄もあるみたいね。

モーニング娘が「レトロ」に含まれる事に悲しみを感じる。

私は「ファン」ではないけど、「世代」ではある。たぶん。

そして、奥に進むにつれて「エロス」な品も増えてくる。

一番奥には、紐で縛られたリカちゃん人形たち。

ここで、社長さんが現れてお話しを聞かせてもらえる事に。

社長さんが訴えるには、このリカちゃん人形たちは「エロス」なんかじゃないという事。

元々、こういう風に人間を紐で縛るというのは「拷問」を目的としている。

そういう物を表現している作品なんだと。

そういう目で見てみれば、同じ物でも違う雰囲気へと変化していくから不思議だ。

特に、隠れキリシタンへの想いが強いのだという事が、お話しの内容から伝わってくる。

隠れキリシタンの人々は、十字架をあらゆる方法で隠した。

例えば、こういう石を半分地中に埋めて、埋まっている部分にマリア様が描かれていたり。

何でもないような日用品が、十字の形だったり。

置物の裏に十字かが描かれていたり。

このリカちゃん人形たちは、不要になって寄付されたもの。

だから損傷が激しすぎる物は、包帯でぐるぐる巻きにされている。

この紐も、そういうものを仕事にしている知人女性に頼んで縛ってもらったらしい。

人を縛るのとは違い、つるつるのリカちゃん人形を縛るのは随分と大変な仕事。

リカちゃんたちが座っているトイレは、灰皿。

タバコを入れてトイレの様に水を流して火を消すという仕組み。

だけど売れなくて、そして坂社長の下へとたどり着いたらしい。

例えば昔は個人が薬局で買えた注射器だとか、そういう今は売れない物なんかも、ここへたどり着いている。

そういう、寄付されたものたちも沢山ある。

昔は薬箱が各家庭に貸し出されていて、中に一通りの薬が入っていて。

定期的に人が見に来て、「その時に減っている分だけ支払う」という、今では成り立たない様なシステムだったと教えてもらう。

運よく坂社長に出会えたら、そんな感じで色々な話を聞かせてもらえる。

こちらからの質問にも、快く答えてもらえる。

「写真撮っていいですか？」と聞いたら、「どうぞご自由に、写真に撮ってもインターネットに載せても良いですよ」と。

個人のコレクションを撮るのは憚られるなーと遠慮していたのだけど、その様に言って頂けたのでチキンな私も心置きなく撮影する事ができた。

坂ビスケットはビスケット屋さん

博物館部分は、言わば社長の趣味の様なスペースで。

全国各地で集めて来たものや、寄付されたもの。

売買を目的としているわけではない。

ここは、あくまでもビスケット屋さん。

という事で、最後はビスケットを購入。

色々見せてもらったし、話も聞かせてもらったし。

いっぱい買っても数百円だったけれど。。