マレアレア→アフリスキー(レソト) -Malealea to Afriski-
3泊もお世話になったマレアレア。
レソト最初の滞在地となったわけだけど、周りには大自然の他には何もない。
そんな、素晴らしい場所だった。
名残惜しいけれど、次の目的地「サニパス」へ向けて出発。
▼前回のお話し▼
アフリカのスイス!レソト王国マレアレアで、ポニートレッキングを堪能
マレアレアからサニパスへの移動は、2日がかり!
私たちは、レソトの西側のマセル・ブリッジ(Maseru Bridge)という国境から入国した。
そして、東側のサニパス(Sani Pass)という峠を越えて出国する予定。
その国境沿いにあるサニパスからの景色が絶景という事なので、今日はそこへ向けて移動したい。
ここマレアレア(Malealea)からサニパスへは、1日では行けない距離らしい。
レソトを真っすぐに横断していけば早そうだけれど、それは不可能。
なぜなら、レソトは全土が標高1,400m以上もある高地の国。
国の真ん中は、山深くて交通手段がないのだ。
という事なので、国の淵をなぞって移動するしかない。
そうすると、目的のサニパスへは1日では行けない。
どこかで1泊する必要があるらしく、ほとんどの旅人はモコトロン(Mokhotlong)という場所を目指す。
だけど、道が悪かったり、車が故障したり…朝出ても、着くのは夕方(…に着けばラッキー)。
私たちは余裕を持って、モコトロンよりも手前のアフリスキー(Afriski)というリゾート地を目指す事にした。
マレアレアからマセルへ|ミニバス
まずは、入国時に通って来た、首都のマセル(Maseru)を目指す。
朝9時過ぎに、マレアレア・ロッジのゲートに行ってみる。
この時点で、かなり遅い。
モコトロンを目指すなら、アウトな時間。
6時台…遅くとも7時台には出発したい。
※宿の精算は、前日までに済ませる。
ゲートで付近の人に聞いてみたら、「ミニバスが来たら教えてあげるよ!」と言われたので、敷地内のベンチで待つ。
そして9:50頃、1台のミニバスが近づいてきた。
乗客が集まるのを待って、10:05分に出発。
マセルまで、運賃は60ランド(約450円)。
例のごとく、途中で1度乗り換えて、13:00頃にマセルに到着。
マセルからブサ・ブセへ|ミニバス
マセルのミニバスターミナルで「アフリスキーに行きたい!」と伝えると、ブサ・ブセ(Butha Buthe)という場所を目指すように言われる。
運賃は、84ランド(約630円)。
出発まで少し時間がありそうなので、バスターミナルで腹ごしらえ。
いい匂いがする路面店を発見。
美味しそうに、ポークやチキンを焼いていた。
ここで、ポークを40ランド(約300円)で注文。
こ、これは…。
ほどよくカリっとしていて、めちゃくちゃ美味しい。
アフリカ大陸で食べた美味しい物ランキングで、ベスト3に入るレベル!
(いや、ベスト5かな…?旅が終ったら、振り返って検証しよう。。)
ブサ・ブセ(Butha Buthe)行きのミニバスは、14:00頃に出発。
16:00頃、途中の何もないところで、またもや突然に乗り換えを指示される。
レソトでは、こういう事がよくあるみたい。
「〇〇までの行き方!」なんて、細かく調べても意味がない。
いつどこで乗り換えになるかは、タイミング次第だから。
だけど「〇〇まで行きたい!」と伝えておけば、きちんと責任をもって「リレー」の様に目的地まで繋いでくれるのだ。
目的地だけ伝えて、あとは流れに身を任せていれば、レソトでは旅ができる。
17:00頃、ブサ・ブセに到着。
ブサ・ブセのバスターミナルでの攻防
ブサ・ブセのバス乗り場で、アフリスキー(Afriski)行きのミニバスを無事に見つける。
運賃は、90ランド(約675円)。
出発まで時間がありそうなので、付近を散策。
車のナンバープレートに、レソトのシンボル「レソトハット」が描かれていた。
可愛い♡
バス乗り場の付近には、売店がたくさん出ている。
何故か、どこの店でもミネラルウォーターを売っていない。
何故!?
一番定番の、どこにでもある物なのに。。
レソト人は、ミネラルウォーターを飲まないのだろうか。
仕方がないので、500㎖のファンタを12ランド(約90円)で購入。
売店を見て回っていると、、、
突然、人々が騒ぎ出すではないか!
何事っ!??
キャーキャーと叫ぶ女性。
ウォー!!!と雄たけびを上げる男性。
激しくクラクションを鳴らしながら、暴走する車。
一体何があったのか…。
何か、不吉な事でも起こったのではないかと思う、異様な雰囲気。
暴走する人々に当てられないように気をつけながら、「隅で静かにそれを見守っている男性」の元へ行き、事情を尋ねる。
彼は言った。
「フットボールの試合で、勝利したのさ」
…そうなのか。
不吉な理由ではなくて、おめでたい理由だったんだね。
それは良かったよ。
それにしても、フットボールで勝ったからって、こんなに喜ぶんだね。
渋谷の若者もびっくりだよ。
そんなハプニングを体験しながらも、まだミニバスは出発しない様だ。
念の為トイレに行っておこうと探すものの、見当たらない。
こんなに広いバス乗り場なのに…。
売店の人に聞いてみたら、トイレはあるけど鍵がかかっていて、今は使えないのだとか。
建物の陰で立ちションをしてるレソト人がいたので、ワタルさんも一緒に済ませる。
私は、仕方がないので我慢だ。
用を足して戻って来たワタルさん。
レソト人の男性が近づいてきて、お説教タイムが始まった。
「僕は見ていたよ。そんな事をしてはいけない。モラル違反だ。そうは思わないかい??」
どうやら、立ちションをしたワタルさんを、咎めている様だ。
だけど、ローカルの人もしていたんだけど…?
その場はしおらしく謝罪して、事なきを得る。
レソトでは、立ちションがモラル違反なのか、それとも彼が厳格なだけなのか。
真相は、闇の中だ。
ブサ・ブセからアフリスキーへ|ミニバス
先ほどブサ・ブセに到着したのが17:00。
2時間後の19:00に、ようやく最終目的地のアフリスキー(Afriski)へ向けて出発。
もうこんな時間だ…。
ミニバスは、やがて峠道にさしかかる。
いつの間にか、ミニバスは霧の中にいた。
ゆっくりと慎重に走るのだけど…ほぼ視界ゼロの中を走る異国のバス、怖すぎる。。。
彼等は慣れているから、平気なのかな??
時折、ちらほらと事故車の横を通り過ぎる。
やっぱり事故に遭う道なんじゃん!
運転手に命を預け、私たちはひたすら祈るのみ。
そしてブサ・ブセを出発して、霧の中を走ること約2時間。
何もない、真っ暗な峠の真ん中で降ろされる。
え?
ここ??
時刻は、21:00。
だけど幸い、レソト人の女性も一緒に降りたのだ。
彼女も、私たちと同じく、アフリスキー・マウンテン・リゾート(Afriski Mountain Resort)に泊るのだという。
すごく心強い。
幹線道路から離れてリゾートへと続く下り道を、スマートフォンの光を頼りに進む。
下り続ける事、約10分。
ようやく、レセプションに到着!
朝にマレアレアの宿を出てから、約11時間だ。
長かったー。
ほとんどの旅人は、サニパスへの中継地として、モコトロン(Mokhotlong)を目指す。
私たちは出発も10:00と遅かったし、手前のアフリスキーまでにして正解だったよ。
アフリスキー・マウンテン・リゾート(Afriski Mountain Resort)。
(写真は翌朝に撮影)
ここは、峠の中にこのリゾートが1件あるだけの場所。
こんな所に宿泊する人なんているのか!?
…と思う立地だけれど、ここはレソト唯一のスキー場なのだとか。
「アフリスキー」って…「アフリ・スキー」、つまりは「アフリカ」の「スキー場」って意味なのか??
南部アフリカ全体でも、スキー場はここアフリスキーと、南アフリカ共和国にあるティフィンデル・スキーリゾートというリゾートの2ヵ所のみなのだとか。
(写真は翌朝に撮影)
全土が標高1400m以上の、レソト王国。
ここアフリスキ-の標高は、なんと3322mもある。
どうりで寒いわけだ。
今は秋の始まりの季節だけれど…冬になったら、さぞかし寒いに違いない。
スキー場の営業は冬のみ。
夏は、山岳スポーツの競技場になるみたい。
※南半球のため、季節は逆になる。
リゾートではあるけれど、私たちは「リゾートの名に相応しいリッチな部屋」に泊るわけではない。
貧乏バックパッカーらしく、ドミトリー棟に泊る。
ドミトリー棟は、レセプションがある建物から、徒歩10~15分ほど戻った場所にある。
トホホ…。
ドミトリーは、1泊180ランド(約1,350円)。
「アツアツ~ヌルイの間」くらいの微妙な温度のシャワーを浴びて、就寝。
▼次回のお話し▼
マレアレアからサニパスへの移動②|2日目は、アフリスキーからサニパスへ