-Dodoma to Nakonde-
朝5時過ぎに宿を出る。
宿の目の前には、1台のトゥクトゥクが停まっていた。
こんなところで客待ちとは…打率低くないか??
バス乗り場までは徒歩20分ほどだから歩けなくもないのだけど、小雨も降っている事だし、トゥクトゥクに乗ろうか。
▼前回のお話し▼
モシからドドマへ|タンザニアの「法律上」の首都に来た。
ドドマのバス乗り場|シャビビー・ガス・ステーション
トゥクトゥク運転手に値段を聞くと、5,000シリング(約250円)と言われる。
昨日2,000シリング(約100円)で乗ったときと距離は変わらないのに、値段が違い過ぎる。
じゃあいいやと、その場を離れると、3,000シリング(約150円)まで下がった。
2,000シリング(約100円)で交渉してみたけれど、3,000シリング(約150円)から下がる気配はない。
深夜料金という事か…仕方がない。
3,000シリング(約150円)で了承。
トゥクトゥクは、私の地図アプリが示す場所からは離れたところへ行く。
私は、シャビビー・オイル・ステーション(Shabibi oill station)というところへ行きたいのだ。
昨日バスチケットを買った場所で地図を見せながら聞いたら、この場所だと教えてくれたから。
「そっちじゃないよ!」と言うのだけど、「シャビビーに行きたいんだろ?」と譲らないトゥクトゥク運転手。
着いたところは、私が思っていた場所とはまるで違う場所だった。
地図アプリには、「シャビビー・ガス・ステーション(Shabibi Gas station)」と表示されている。
名前は似てるけどさ…。
本当にここかい??
確かに、シャビビー(Shabibi)と書かれているバスが何台か停まっている。
オフィスに入って聞いてみたら、どうやらここで大丈夫な様だ。
なんだ。
勘違いして怒っちゃったよ、ごめんね。
それにしても、このドドマという町は、地図アプリがまるで当てにならないな。
バス乗り場のマークがある場所に行っても、何もないしさ。
目星を付けていたホテルも、見つけられなかったし。
タンザニアの首都ドドマから、ザンビアとの国境の町トゥンドゥーマへ|ローカルバス
集合時間の6:00より少し早く、バスが到着。
車内は、とても綺麗。
スマートフォンなどの充電ができる、コンセントもある。
出発は6:30のはずなのに、荷物の積み込みなどが早く終わったのか、6:10頃に出発。
え!
確かに、集合時間は過ぎているけれど…6:30を目指して来た人は、乗り遅れてしまうじゃないか。。。
車内では度々、マイクでアナウンスがある。
こんなのは、アフリカでは初めて。
まるで日本みたい。
言語はスワヒリ語だから、何を言っているのかは、まるでわからないのだけど。
11時頃、イリンガ(Iringa)付近でトイレ休憩。
ドドマからは、5時間だ。
昨日モシを出発したとき、実はイリンガまで行く予定だった。
だけど、モシでバスの予約をする際に助けてくれた日本人の女性に、「1日でイリンガに行くのは遠いですよ、私ならドドマにします」とアドバイスを受けて、ドドマに変更したのだ。
昨日ドドマに着いたのが14時頃。
そこから5時間もかかるなら…変更してよかったよ。
お腹がすいた。
トイレを済ませて、3~4個ある屋台を見て回る。
すると、出発合図のクラクションが鳴ってしまった。
ゆっくり選ぶ時間なんて、まるでない。
本当に、「トイレ休憩」だけが目的なんだな。
慌てて、水とピーナツだけをなんとか購入。
バスは夕方ごろ、ムベヤ(Mbeya)の端に着いた。
私のチケットは、ムベヤ行き。
ムベヤで降りて、ザンビアとの国境の町トゥンドゥーマ(Tunduma)行きのバスに乗り換える予定。
ムベヤでは、何度か停車して、その度に多くの人が降りていく。
隣の席の人に、「私はトゥンドゥーマに行きたいのだけど、どこで降りたらいいか」と、相談をしてみる。
すると、「このバスはトゥンドゥーマまで行くよ!」と。
えー!本当かな!?
ムベヤで乗り換えが必要だと思っていたのだけど…。
念の為、乗務員にも聞いてみたら、やはりトゥンドゥーマまで行くと言う。
そうなのか。
私のバスチケットは、ムベヤまでなのだけど。
追加5,000シリング(約250円)で、乗せてくれる事になった。
つまり、ドドマ - トゥンドゥーマ間のバスは、合計で33,000シリング(約1,650円)という事だ。
タンザニア時間の19:00過ぎ、トゥンドゥーマに到着。
所要時間は、約13時間。
事前情報によると、ムベヤで乗り換えたトゥンドゥーマ行きのバスは、トゥンドゥーマに着く前に左折してしまうという事だった。
だから、地図アプリを確認しながら、バスが方向を変えたら停めてもらって降りるのだと。
だけどこのドドマから乗って来たバスは、国境のすぐ近くまで行ってくれた。
乗り換えも必要なかったし…このシャビビー(Shabibi)というバスは、なんて楽なんだろうか。
タンザニア-ザンビアの国境の町「ナコンデ」で朝を待つ
国境のゲートをくぐる。
普段は、国境は真っすぐ1本道で、その途中にあるイミグレーションオフィス(出入国管理局)を順番に訪ねて回るのだけど。
このゲートの中は、真っすぐではなくて「小さな町スタイル」になっている。
どの建物がそれなのか…人に尋ねながら探す。
どうやら、ケニア-タンザニア間の国境と同じく、1つの建物の中で「出国」と「入国」の両方が完結する様だ。
建物さえ見つけてしまえば、あとは簡単だ。
タンザニアの出国ブースに並ぶ。
アフリカ人(タンザニア人かザンビア人…)は、「エボラ出血熱について」と書かれたパンフレットをもらっている。
もらうだけではなくて、簡単に説明を受けたりもしている。
私の時は、エボラについては全く触れられもしなかった。
エボラ出血熱は、多くの国で終息しているはずだけれど。
パンデミックが収まっただけで、まだ「土着の病気」としては、残っているんだろうか。
ケニア-タンザニア間の国境でもそうだったけれど、ここでもイエローカードの提示を求められる。
イエローカードは、「黄熱病」の予防接種を受けた証明書。
アフリカや南米の国々には、これがなければ入国できない国があるのだ。
1度予防接種を受けていれば、一生涯有効。
ザンビアの入国審査官は、ストレートヘアーの女性だった。
ストレートとは言っても、くせ毛気味のふんわりヘアーだけれど。
ケニアからタンザニアまでは、チリチリの毛質の人ばかりだったのに。
だから彼女たちは、チリチリを活かしてドレッドヘアーにするか、男性の様に短くカットしているかのどちらかだったのだけど。
ザンビア人は、こうも毛質が異なるのだろうか…。
後で知った事だけれど、これは恐らくウィッグだ。
ザンビアには、ウィッグ屋さんがたくさんある。
ザンビアのアライバルビザは、$50。
$100を出すと、「お釣りはない」と突っ返される。
こちらも「これしかない」と言い切ると、お釣りを探しに席を外してしまった。
お釣りがないなんて…ビザが必要な国の人間がここを通るのが、珍しいという事だろうか。
ちなみに、他の国境だと「ザンビア・ジンバブエの共通ビザ(ユニビザ)」が取得できたりするみたいなのだけど。
ここの国境では、不可。
つまり、ビクトリアの滝をザンビア側から見て、「ジンバブエ側には日帰りで見に行く」というカジュアルな事はできなさそう。
しっかりとジンバブエにも入国し、そしてザンビアにはもう戻れない。
(再びビザを取れば戻れるけど)
それにしても、タンザニア側の審査官は比較的普通の対応なのだけど、このザンビア側の女性審査官は、気怠い雰囲気だ。
彼女がそうなのか、ザンビア人は不真面目なのか…。
手続きを終えて、外に出る。
タンザニアから建物に入った時は、まだ夕方だったのに。
ザンビアは、既に夜になっていた。
ちなみに、タンザニア-ザンビア間には、1時間の時差がある。
1時間分、時間が巻き戻る。
つまり、1時間分、また日本時間から離れる事になる。
ここから先、「南部アフリカ諸国」は、どの国も日本との時差は-7時間だ。
すっかり真っ暗になっていたザンビア。
この「小さな町スタイル」の国境では、一体どちらがザンビアなのかもわからない。
近くにいた男性に聞いてみたら、なんとバス乗り場まで案内してくれる事になった。
男性は、出国ゲートを越えても、どんどんと進んでいく。
ザンビア側の国境の町は、ナコンデ(Nakonde)へと名前を変える。
夜のナコンデは、街灯さえもなく。
車のテールランプの灯りと、小さな売店から時折漏れるわずかな灯りだけが、夜道を頼りなく照らす。
道の窪みに、つまづきそうになる。
危ないな…。
そういえば私は、ザンビアのお金を持っていない。
男性が、ATMにも連れていってくれた。
優しい。
国境から随分と離れた場所に、バス乗り場があった。
「このバスがいいよ」と言われたバスに、素直に決める。
客引きもしつこくなく、対応は良さそうだ。
値段は、ザンビアの首都ルサカまでで345クワチャ(約2,587円)。
高い様に感じるけれど…ここからルサカまでは、めちゃくちゃ遠いのだ。
とても、1日で行く距離ではない様に見える。
バスの出発は、明日の朝4:00という事だ。
現在時刻は、19:30頃。(多分)
今から、こんな暗闇の中でホテルを探すのは難しい。
それにこの町には、ロクな宿はないという情報もある。
という事で、目の前に停まっているこのルサカ行きのバスに、4時まで乗せてもらう事にした。
アフリカに来て、初めての「バス車中泊」だ。
一旦、バスに乗り込む。
すると、ここまで案内しれくれた男性が、隣に座る。
なぜ??
どうやら、両替の相談がしたい様だ。
私から声をかけた人が、「商売人」である可能性は低いと思っていたんだけど…。
彼と一緒に、彼の弟だという男性も乗り込んでくる。
ブラザーと言っていただけだから、「実の弟」なのか、「それくらい親しい他人」なのかは不明だけれど。
私が持っているタンザニアシリングは、34,000シリング。
日本円で、約1,700円。
アメリカドルなら、ざっくりと言っても17ドルの価値はある。
それなのに、私の34,000シリングと引き換えに男が渡してきたザンビアクワチャは、わずか50クワチャ。
50クワチャって…ざっくり1クワチャ10円で計算しても、500円の価値しかない。
しかも今はもう少し低くて、1クワチャ7.5円くらいだから、厳密に言えば約375円だ。
私が通貨の価値を知らない旅行者だと踏んで、大きく出たな…。
「安すぎるよ!」と、怒った様子で34,000シリングを無理やり奪い返す。
「タンザニアシリングの価値は、とても低いんだよ」と、もっともらしい言い分を聞かせてくる。
馬鹿にしやがって。
「私は知っているよ。34,000シリングは、約17ドル。50クワチャは、たった5ドルじゃないか!」
すると、彼のブラザーが110クワチャを渡してくる。
それでも、ざっくり計算で1,100円。厳密に言ったら、825円。
そんな安値で交換するくらいならね、もう「お土産」として持って帰った方がマシ。
こんな卑怯なやつらの利益になんて、貢献したくないよ。
すると今度は、「銀行のレートとは違うんだよ!」「シリングなんて持っていても、ザンビアでは何も買えないよ!」という言い分。
いいんだよ。
元々たった50クワチャで交換しようとしてきた奴の言い分なんて、聞きたくないね。
「必要ない、もうあっちへ行って」と追い払う。
「いくらならいいのか」と言われたので、「170クワチャ」と答える。
1クワチャ10円計算の時なら、これで同額。
今のレートでは1,275円になるから、これでもかなり損だけど。
「そんなのは不可能だ!」と言われる。
別にいいよ。
私は別に、交渉をしているのではないのだから。
だけど、どうにか私のシリングが欲しいらしい。
最終的には、170クワチャでまとまった。
100クワチャと7クワチャを渡してくるという、姑息なイベントを挟みながらね。
いやいや、いくら不慣れな旅行者でも、70と7を間違えたりしないでしょうに。
馬鹿にしやがって。(←再び)
「さて、このあと飲みに行こうか!」と誘ってくる。
はぁ??
何を言っているのかこの人たちは。
ありえない。
もちろん、バスを出ていってもらう。
はぁぁ…。
バス泊に備えて、水や食料の調達などをしておきたい。
バスを降りると、目の前にチケットブースを構えているスタッフたちが「どこへ行くの!?バスに乗っていていいんだよ!」と言ってくる。
え…バスから降りない方がいいのかな??
「この辺りは、危険なの?」と聞いてみると、「危険ではない」と。
なんだ。笑
「水を買いたい」と言ったら、あっちだよと教えてくれた。
本当だ、暗闇の中に、路上店が3店舗ほどあった。
500mlの水を、5クワチャ(約37円)で購入。
ここには、飲み物しかないみたいだ。
よくよく目を凝らしてみると、道路を渡った対面に、ローカル食堂らしきものがある。
入ってみると、穏やかな店員が出迎えてくれた。
「何か食べられますか?」と聞いたら、「チキン&チップス」があるよと言われる。
25クワチャ(約187円)。
チップスって、フライドポテトの事なんだね。
南部アフリカでは、イギリス料理と昔ながらのローカル料理が入り混じっているみたい。
こんな西洋風の料理でも、彼らにとってはローカル料理なのだ。
ローカル料理のチキン&チップスを満喫して、バスに戻る。
ここで、朝4時まで待たなければならない。
リクライニングを倒す事ができたのが、せめてもの救いだ。
▼次回のお話し▼
ザンビアの国境の町ナコンデから、首都ルサカへ!16時間のバス移動