-Nakonde to Lusaka-
3:30頃から、車内に続々と人が乗ってくる。
あぁ、あと30分で、出発時刻の4:00なのか。
車内泊、結構つらかったな。
やっぱり、寝るときは足を延ばして眠りたい。
インドの夜行バスみたいに、フルフラットの個室になっているのなら、文句はないのだけど。
▼前回のお話し▼
【陸路国境越え】タンザニアからザンビアへ!いよいよ南部アフリカ編が始まる
国境の町ナコンデから首都ルサカへ|バス移動
ロクな宿がないというここナコンデ。
昨夜は、本日出発予定のバスに車内泊をさせてもらった。
運賃は、345クワチャ(約2,587円)
今日は、タンザニアとの国境の町ナコンデから、ザンビアの首都ルサカまで行く。
地図で見るとね、とても遠い。
いつもは2~3日に分けて行く距離を、なんと1日で行くのだ。
4:15頃、バスは出発。
一体、何時に着くのだろうな。
バスは、自然以外には何もない広大な大地の中の真っすぐ道を、猛スピードで走り抜ける。
このスピードならば、いつもの倍はある距離でも、いつも通りの所要時間で着くかもしれない。
バスは度々停車する。
だけど、人が乗り降りするだけの僅かな時間だけ停車して、すぐに発車する。
他の国では、「トイレ休憩」がもっと頻繁にあったんだけどな。
昨日のタンザニアでのドドマからトゥンドゥーマ行きのバスもそうだったけれど、「トイレ休憩」も「食事休憩」もほとんどない。
「早く着く事」が、優先なのだろうか。
出発から8時間後の12:15分頃、ようやく1回目のトイレ休憩。
もちろん、青空トイレ。
青空トイレ
トイレとは名ばかりの、草むらや物陰でのトイレ。
文字通り、青空の下でのトイレ。
バスの通路は、降りる人が列を成していた。
私がようやくバスから降りた瞬間、バスが出発を知らせるクラクションを鳴らす。
えー!!!
さすがに酷すぎない!??
ようやくのトイレ休憩なのに!
そりゃあ、男性達はその辺での立ちションで十分だけどさ。
私たち女性は、少し奥へ行って隠れて済ませる必要があるのに!
だけど、ローカルの女性たちも、クラクションの音に「はいはい」と笑いながら、草陰に向かう。
私も、彼女たちについて行く。
確かに、バスからは見えないところ。
だけど、女性同士は丸見えの状態で、近くで固まって済ませる。
私も、羞恥心なんて感じている余裕もなく、女性たちから丸見えの場所でお尻を出す。
通りかかった地元の少年が、その光景を不思議そうに見つめる。
だけど、恥ずかしいと思う余裕なんてない。
急いで済ませて、急いでバスに戻る。
動きかけのバスに、最後に飛び乗ったのは私だった。
なんてハードな休憩なんだ…。
だけど、良かった。
これでまた、水が飲めるよ。
トイレを気にして水を飲んでいなかったから、喉がカラカラだったのだ。
13:30頃、ようやく、休憩らしい休憩に入る。
ここでは、お弁当らしきものも買える。
昨夜に食べた、チキン&チップスなどもある。
魅力的だけれど…トイレに行きたくなったら困るしな。
ただでさえ、普段のバスとは比べ物にならないくらい、トイレ休憩が少ないバスなのだ。
あきらめて外に出ると、女性たちが列をなして、ちょっとした食べ物を売っていた。
その中の一人から、ポップコーンを1クワチャ(約7円)で購入。
やっぱり足りないかなと思い、中の食堂でサモサを9クワチャ(約67円)で購入。
サモサくらいなら…たぶん大丈夫でしょう。
16:15頃、謎の長時間停車。
別に、トイレ休憩でもなさそう。
何の時間だろうか…そんな時間があるなら、もっと適度に休憩時間を入れて欲しいよ。
たぶん、30分くらいは停車していたと思う。
最初の頃は、ほぼ「町」らしきものを見かけなかった。
小さなショップが何軒か連なる…「村」ですらない、「集落」なら通りかかったけれど。
幹線道路沿いなのに、ザンビアという国は、どうなっているのか。
…と思っていたのだけど。
ルサカに近づくにつれて、町がちらほらと現れる。
しかも、今までアフリカ大陸では見たことがないような、西洋風の「一戸建て」建築が連なるエリアもあった。
ザンビア…もしかしたら、先進的な国なのかもしれない。
アフリカ大陸を、大きく「北アフリカ」「東アフリカ」「西アフリカ」「中部アフリカ」「南部アフリカ」に大別した場合、昨日までいたタンザニアは「東アフリカ」にあたる。
そして、昨日入国したこのザンビア以降は、 「南部アフリカ」に分類されている。
南部アフリカは、その他のアフリカ諸国と比べて、とても先進的なのだと聞いていた。
国境を1つ越えるだけで、そんなに違うものなのか…。
ザンビアの首都ルサカとバス乗り場での攻防
バスは、ルサカの町に入る。
各所で停車しながら、徐々に中心地に向かっていく。
ガイドブックには、「ルサカのバスターミナルでは、睡眠薬強盗が報告されている」と記載されている。
私が今まさに行こうとしている場所が、ピンポイントで記載されているよ。
外を見てみると、極端に街灯の少ない道だ。
こんな場所を、大荷物をかかえて歩いていたら…強盗さんの、恰好の餌食だ。
そして、思っていたよりも大分早い20:00頃。
ルサカのバスターミナルに着いた。
バスを降りる為に、通路にできた列に並ぶ。
その時点で既に、窓越しに多くのタクシー運転手が声をかけてくる。
降りるまで、待ってくれよ…。
先が思いやられるよ。
バスを降りようとすると、案の定、多くの客引きが入り口をふさぐ。
いやいやいや、バスを降りられなかったらね、タクシーにも乗れないんだからね??
どういうつもりで、彼らは私がバスから降りるのを妨害するのだろうか。
バスを降りて、トランクから荷物を出してもらおうと待ってみる。
待っている間、多くの客引きが私に群がる。
その中に、耳元で「大声で」話しかけてくる革ジャンを着た客引きがいた。
うるさいなー。
今回は、心の声じゃないよ。
声に出して、苛立ちを伝える。
「煩すぎるっ!私は、煩いのは嫌いっ!」
すると、その煩い革ジャンが、急に「ごめんよ」と静かになる。
なんだ…素直じゃないか。
そして、「おいおいお前らも黙れよ!」と周りを静かにしてくれる。
なんだ…いい奴じゃないか。
そして少し経って、その事を知らない新しい客引きが声をかけにくる。
宿までは、徒歩20分ほど。
いつもなら歩く距離だけれど、こんな時間なのと、街灯もなくて治安が心配なので、タクシーには乗る予定。
それなのに、穏やかに声をかけてくる私好みの客引きまでもを、「彼女は煩いのが嫌いなんだ!」と、革ジャンが追い払う。
その調子で、革ジャンは静かに私の傍に寄り添いながら、客引きを次々と追い払う。
その様子に、「意外に可愛く見えてきたから、もう革ジャンの車に乗ろうか」と思ったりもしたけれど。
だけど、まるで「こいつは俺のオンナだ!」と言わんばかりの態度で(←自意識過剰)、私に声をかけてくるオトコ(←ただのタクシーの客引き)をことごとく追い払う様子が、やっぱり嫌だなと思うので、やはり革ジャンの車はやめよう。
乗務員が、ようやくバスのトランクを開けてくれる。
トランクが開いた瞬間、待っていた客たちが、まるでバーゲンセールに群がるおばちゃんたちの様に、一斉にトランクに群がる。
いつもは、乗務員が出してくれた荷物を1つ1つ受け取るスタイルなのに。
みんな、我先にとトランクに自ら手や顔を突っ込んでいる。
カオスだ…。
身の危険を感じるレベルだったので、騒動が収まるまで、1歩引いた場所で待とう。
すると、いつの間にか乱闘騒ぎになっていた。
乗客の女性が、なにやら騒いでいる。
彼女の自業自得なのだけど、何かの弾みで、彼女が後ろに大きく転倒をする。
そんな彼女の事は、間一髪で避けた私。
危なかったー。
と思った瞬間、吹っ飛んできた他の人に体当たりをされて、私も後ろに転倒してしまった。
か弱いアジア人の女の子(←自分で言うな)が、ローカルたちの乱闘に巻き込まれて転んでしまったというのに。
誰一人として、気にも止めない。
いや、「クレイジーすぎる…」とつぶやく私に、「ごめんね」と、革ジャンだけは謝ってくれた。
ご機嫌とりかな。
結局そのクレイジーな女性は、自分の荷物を受け取ったあと、フンフンと鼻息を荒くしながら立ち去って行った。
そんなズンズンと歩く彼女に少しぶつかっただけで、吹っ飛ばされてしまいそうな程の勢いで。
私も自分の荷物を無事に受け取り、タクシーを探す。
革ジャンが、「待ってました」と言わんばかりの勢いで私に話しかけてくるのだけど、非情な私は別の穏やかなドライバーを見つけて、早々にその場を離れる。
ここから目当ての宿までは徒歩20分ほどの距離だけれど、タクシー代は40クワチャ(約300円)もした。
目当ての宿「カルル・バックパッカーズ・ゲストハウス」の辺りに着く。
看板は見当たらないものの、ドライバーが「たぶんここだ」と言い、閉じられた門をガンガンと叩く。
すると間もなく、中から住人が出てきてくれた。
「カルル・バックパッカーズは、あっちの建物だよ。だけど、今はクローズしているよ。」
クローズしている…が、この時間は閉まっているという意味なのか、もう営業をしていないという意味なのか。
どちらにしても、今夜は泊まれないという事だ。
1本向こうの通りにある「ルサカ・バックパッカーズ(Lusaka Backpackers)」を勧められる。
全くチェックしていない宿だけど…もう選択肢もないし、行ってみようか。
ドライバーが、再び車を出してくれた。
ルサカ・バックパッカーズに着き、門をくぐる。
すぐに、優雅なプールサイドを持つバースペースに着く。
こんなリゾート感のあるところは…高いのではないだろうか。
確認してみたら、ドミトリーなら145クワチャ(約1087円)という事だ。
よかった…泊まれる値段だ。
時間は遅くなってしまったものの、無事にベッドを確保する事ができた。
昨夜はバスで車内泊だったから、タンザニアの首都ドドマから、ここザンビアの首都ルサカまで、2日間にも及ぶ大移動だったな。
▼次回のお話し▼
ザンビアの首都、ルサカを歩いてみる|南部アフリカは、かなり先進的だ
国境封鎖にならないといいですね。
通りすがりさま
ザンビアは今のところ、「14日間の自宅隔離」という事で入国に制限はないようですが…アフリカの他の国々は徐々に国境を閉じていっていますね。
私はブログ上はザンビアにいますが、幸いアフリカ大陸にコロナウイルスが上陸する前にアフリカから出る事ができました。
今は、コロナの脅威が少ない国で帰国難民中です。(←結局帰国難民ですが…苦笑)
ご心配ありがとうございます。
初めまして、いつも読ませていただいています。
コメント欄を読まないので、勝手にブログが止まるたび心配していました。(笑)
帰国難民であっても、アフリカは大変そうなので脅威の少ない国で本当によかったです。
sakaeさま
コメント頂きましてありがとうございます。
身内以外の方が読んでくださっているなんて…嬉しいです!
帰国難民で暇なのになぜ更新が不安定なのか、自分でも謎ですが。。
投稿日を過去にしてますが、只今タンザニアのまとめ記事をアップ致しました。
なるべく滞らない様にしていきますので、またご訪問頂けると嬉しいです。
キリマンジャロからザンビアまでのブログ大変興味深く読ませて頂きました。私は以前、伊藤忠商事に勤務しており駐在を含めて世界中を旅しましたが貴女のバイタリティは素晴らしいです。現在はトヨタ、ホンダと組んでアフリカ特にケニア、ザンビア、タンザニア等に中古車輸出をしております。聞きなれた地名が多々登場してきて楽しく読ませて頂きました。有難う御座います。
Tomyさま
コメントを頂きましてありがとうございます。
それも複数記事読んで頂いたみたいで、嬉しいです。
世界旅と駐在経験までおありとは、羨ましいです!
アフリカでは沢山の日本車が走っていて、「この車はトヨタだよ!」等と自慢げに教えてもらう微笑ましい場面もよくありましたが、Tomyさまもそこに一役買っているのですね。素敵なお仕事ですね..☆
次回は是非スワジランドにも行ってみて下さい。レソトに少し似てるかもしれませんが、良い所です。スワジキャンドルとか言って可愛いロウソクや石鹸なんかが沢山売っていて女の子は楽しめるかも。私はヨハネスから飛行機で行きましたが、あの辺は昔、英国の植民地だったせいか国内線でもBAが飛んでいてビックリしました。ゴルフ場も現地人は殆ど居なくて英国系の人間ばかり、今も実質的には昔と変わっていませんね。
Tomyさま
実はスワジランドに行かなかった事は少し後悔しているのですが、コメントを読んでその気持ちが強まってしまいました。笑
日本からだと中々遠くて行きにくいですが、ぜひいつか行ってみたいと思います。
しかしイギリス人がそんなにいるとは驚きです。
田舎の小国のイメージしかありませんでしたので..。
ご返信有難うございます。
舌足らずですみません。英国人が沢山いるのは南アです。もう10年近く前ですが、ビックリしたのは南アにいる日本人は500人、韓国人が5000人、中国人は何人いると思います?なんと50万人です。彼らは極めて治安が悪いダウンタウンでも平気で歩いてます。ゴキブリと中国人は世界が滅んでも生き残るらしい(笑)そうそう、私も何回も失敗してますが、海外ではお酒気を付けて下さいね それでは、明日からマレーシアに車売りに行って来ます!
Tomyさま
私こそ、読み違えてしまい申し訳ございません。。ヨハネス周辺のお話という事ですね…!
なんと、そんなに中国人いるんですか!彼等はどこにでもいますね。笑
逞しいです。
海外でお酒は気を付けた方がいいですよね。苦笑
ケープタウンに着くまでは禁酒していたんですけど。
明日からマレーシアですか!
お気を付けていってらっしゃいませ…☆