-Livingstone-
宿の目の前にあるカフェで、朝食を食べる。
オムレツと紅茶で75クワチャ(約562円)。
宿からビクトリアの滝への送迎車が10時に出るので、「あまり時間がない」旨を伝えると、10分で用意してくれた。
スマートフォンを眺めていたら、「Wi-Fi使いますか?」と、パスワードを教えに来てくれた。
なんて居心地がいいんだろうか。
もっと早く来て、ゆっくりして行ければ良かったよ。
▼前回のお話し▼
ザンビアの首都ルサカから、ビクトリアの滝の拠点の町リビングストンへ
世界遺産|世界三大瀑布、ビクトリアの滝
今日は、世界三大瀑布のビクトリアの滝を見に行く。
ビクトリアの滝は、今いるザンビアと、お隣の国ジンバブエに跨る滝。
ユネスコの世界遺産にも登録されている。
両サイドから見る人もいるみたいだけど、とりあえずザンビア側から見に行ってみよう。
ビクトリアの滝までは、宿泊先の宿フォルティータワーズから、10時に無料送迎が出ている。
同じドミトリーに宿泊している日本人のヒロシさん、ワタルさん、ロシア人のアンドレィの4人で行く。
滝の入り口までは、車で15分ほど。
同乗していたアメリカ人男性は、ここから歩いて国境を越えて、ジンバブエに行くという。
そんな距離間の、ザンビアとジンバブエ。
チケットオフィスで、チケットを280クワチャ(約2,100円)で購入。
滝の手前が「ザンビア側」、奥が「ジンバブエ側」。
そしてこの橋を渡って行けば、ジンバブエに入国もできる。
ジンバブエ入国時には、ビザの取得が必要。
そして、ザンビアのビザがシングルビザの場合は、戻ってくるのに再度ザンビアビザの取得が必要。
気軽に行ったり来たりできるわけではない。
ただし、気軽に行ったり来たりできる「ユニビザ」という両国の共通ビザが、どこかの国境では取れるらしい。
タンザニアーザンビア間の国境では取れなかった。
滝の前がギザギザの渓谷になっているのは、かつての滝の跡。
滝は年々、少しずつ後退して行っているんだって。
チケットオフィスから滝のゲートに行く間には、お土産屋さんがある。
ここで、隣国「ジンバブエ」の高額紙幣が、お土産として売られていた。
ジンバブエの独自通貨は、数年前のハイパーインフレの影響でただの紙屑となり、現在では使われていない。
ジンバブエでは現在、アメリカドル、南アフリカランド、中国元の3種類が使われている。
ただの紙切れとなってしまったジンバブエの紙幣…お土産にして、少しでも価値を持たせようとしているんだね。
そして、敷地内に入る。
そこには、たくさんの猿が生息している。
写真では大きさが伝わらないのだけど…凄く大きな猿。
見ていたら、係員が飛んできて「ダメだよ!」と言う。
そして、木の枝などを投げて猿を追い払う。
どうやら、この猿たちは観光客の持ち物を奪っていくんだとか。
危なかったんだね。
少し歩くと、滝の轟音が鳴り響いているのが聞こえてくる。
思っていたよりも、ずっと近い場所に滝があるみたいだ。
そして、見えて来た!
草の陰からだけど…凄い!
「凄い!凄い!」と、はしゃいでしまう。
「基本は1人旅」を貫いてきた私だけれど、「みんなで観光」って、楽しいかもしれない。
1人だったら、こんなにはしゃげないもんね。
「凄いね」と感動を分かち合える人が傍にいるって…とても素敵な事なのかもしれない。
あとね、年齢的にかなり年上のヒロシさんと、同年代だけどとても大人で落ち着いているワタルさん。
出会ったばかりだけれど…かなり、居心地がいいのだ。
また少し滝の上流側に進むと、また少し開けて来た。
そして、虹が出ていたよ!
とてもくっきりと!
しかも「ダブル」だよ!
めちゃくちゃ感動的だ。
ビクトリアの滝、来てよかった。
そして、滝の上の部分に来る。
ここは、水量の少ない乾季であれば、歩いて対岸まで渡る事ができるという。
対岸って、別の国だけどね。
いいのかな??
今は雨季の始まりで、少しずつ水量が増えてきているから、危険だけど。
滝の向こう側に、電車が停まっている。
あれは観光用の高級列車で、滝を望みながらランチを食べているんだって。
優雅だな~。
これは、リビングストンさん。
ビクトリアの滝を発見した人。
こんな巨大で轟轟と鳴り響く滝を見つけた時、彼は一体どんな気持ちだったんだろうか。
それにしても、こんなに存在感溢れる滝なのに、リビングストンさんが発見するまで、誰もその存在を知らなかったのかな。
そちらの方が、不思議だ。
滝の正面に近づいてくるにつれて、水しぶきを感じる様になってくる。
そして、滝の正面は、ほぼ「雨」だ。
全員、全身がびしょ濡れになる。
滝が滝つぼに落ちた時の勢いが強すぎて、水しぶきが跳ね上がっているのだ。
これが雨季ならば滝はほぼ見えず、水しぶきが作る煙しか見えないらしい。
向こう側は、ジンバブエ側。
ザンビア側の終点に着いたところで、引き返す。
ここで終わってもいいのだけど、ヒロシさんが「国境を越える橋」の方まで行きたいと言う。
国境を越える橋は、申し出れば、出入国スタンプなしで橋の先までは行って帰ってきてもいいらしい。
ワタルさんとアンドレィは、行きたくなさそう。
一人じゃ寂しいじゃないかと、私が連行される事になった。
私的には、どちらでも良かったのだけれど。
橋の上からは、ビクトリアの滝をパノラマで望むことができた。
うん、これはこれでいい景色だ。
来てよかったかもしれない。
だけど今行かなくても、ジンバブエに行くときに見れるんだけどね。
橋の真ん中あたりに、「ここから先はジンバブエだよ」と看板が立っていた。
そしてここからは、バンジージャンプに挑戦する事もできる。
「世界でも屈指の長さのバンジージャンプポイント」だって。
実は少し気になっていたのだけど、日本円で2万円近くするというのでやめた。
もう少し安ければ、挑戦してみたかったのだけど。
橋の先まで来た。
あちらは、ジンバブエ。
スタンプこそないものの、「ジンバブエの地」は踏むことができた。
この場合、「渡航歴」にジンバブエは含めてもいいのだろうか。
ビクトリアの滝ーリビングストン間は、車で15分ほど。
行きは送迎車が出ていたけれど、帰りは各自。
だから、数人で行ってタクシーを使うのが、経済的。
私は1人でタクシーかな~と思っていたのだけど、何と今の私には「仲間」がいるのだ。
1台120クワチャ(約900円)のタクシーを4人でシェアして、1人30クワチャ(約225円)。
日本の幼稚園バスが出ていたので乗りたかったのだけど、満席という事で断念。
人生初「シェア飯」に参加
宿に帰って、無料のパンケーキと紅茶を頂く。
そして夕方には近くのスーパーにみんなで買い物に行って、なんと「自炊」をするという。
私、海外で自炊なんて1度もした事ないよ。
みんな、こうやって節約しているんだね。
宿の皆で材料を買って自炊をする事を、「シェア飯(シェアめし)」と言うらしい。
いつも一人でいる私にとっては、仲間とシェア飯をするというのは初体験。
一匹オオカミも楽ちんでいいんだけど…こういうのも、楽しいもんだね。
ヒロシさんとワタルさんがルサカで買った「中華の素」があるみたいなので、ホイコーロー(回鍋肉)を作る事になった。
私は、お味噌汁の素をおすそ分け。
東京では飲食店を経営しているヒロシさんがメインで作ってくれる。
自炊慣れしているワタルさんも、色々してくれる。
私は野菜を切ったくらいしかしていない。
唯一の女性なのに…これでいいのか。
お米を鍋で焚くなんて、今までの人生で一度もないよ。
だけど日本に帰ったら、挑戦してみようかな。
▼次回のお話し▼
ザンビアから南アフリカ共和国までのルートを考える&初めて、旅仲間ができた話