女一人でインド旅。
3年前にインドを訪れたときは、彼らを「インド人」として色眼鏡で見ていたような気がする。
私とは違う人びと。
何かのショーでも見に行くような…そんな感じ。
今思えば、とっても失礼。
「ツアー旅行」だったのもあるし、何より思考がまだ幼かったんだと思う。
若い子より活発ではないけれど、歳を重ねるごとに落ち着いた視点で世界が見れるのだから、「旅は若ければ若いほどいい」説には異論。
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誰が言い出したのか、「世界三大ウザい国」と言われているインド。
インターネットには、インド旅行でのトラブルや、インド人がいかにウザくて嘘つきなのかが面白可笑しく書かれている。
私もそんな印象でインドへ行ったし、そんな彼らとのバトルが楽しみの一つでもあった。
だけど、私が思う「インドの魅力」って、そこじゃない。
インド人は優しい。
困っていれば、いつだって助けてくれる。
困っていなくても、手伝おうとしてくれる。
それがとても有難く、助けになった事もあった。
見返り欲しさが丸見えで、鬱陶しいとしか思えない事もあった。
だけどそれでも、そんな交流が楽しいなと思う事の方が多かったかな。
朝は、ローカルに混ざって一杯10ルピー(18円)のチャイを飲む。
ローカルバス乗り場に行けば、私の乗るべきバスを教えてくれる。
バスが満席で立っていたら、おばあさんが自分の席を半分譲ってくれた。
バスが目的地に近づけば、「ここだよ!」とみんなで教えてくれる。
観光地では、あれこれ説明してくれる親切な人もいた。
そのあとでガイド料を要求するという手口もあるみたいだけど、私はそんな目には合わなかった。
良く聞くリクシャーワーラーとのトラブルも、大した事はなかった。
目的地より少し手前で降ろされたり(そんな時は少なめに払って問題なかった)、
遠回りしたから10ルピー(18円)多めに払えと言われたり(もちろん払わない)、そんな程度。
嫌いな町が3つほどあるけど、好きな町の方が断然多い。
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う〇こを踏まずして歩くことができない町もあった。
朝10時発の長距離列車に乗ろうとしたら、13時間の大遅延に遭って、夜の11時にようやく出発した事もあった。
夜寝ていたら、私の寝台にインド人男性が2人も勝手に腰を掛けていた。
詐欺に遭って困っている大学生にも会ったし、少額の誤魔化し程度なら私も何度も体験した。
トイレで浴びるバケツシャワーには、もう驚かない。
だけど、それが「インドの全て」ではない。
インドは助け合いの国。
インド人の多くは、優しい人たち。
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インドは広い。
たった5日間じゃあ「インドの全て」なんてわからないと思った3年前。
西の砂漠、南のオアシス、東のガンジス川…まだまだ行かなければならない所は沢山あると思った。
だから長期で来てみたインド。
だけど、やっぱり「インドの全て」なんてわからない。
インドは広い。
途方もなく広い。
大気汚染の激しい街中、広大なデカン高原、見渡す限り何もない砂漠、何百何千もの歴史が詰まる遺跡。
優しい人も意地悪な人もいるし、裕福な人も貧しい人もいる。
ヒンドゥー教徒、イスラム教徒、仏教徒、キリスト教徒…いろんな宗教の人と出会った。
何度行っても、「インドの全て」なんて永遠にわからないんだろうな。
また、ふっと「呼ばれる」かもしれない。
そんな気まぐれな、「インド」という国。
※大きなトラブルもなく帰国できたのは、自分なりの危機管理は終始怠らなかったからでもあります。
「日本の常識」のまま渡航すれば、当然トラブルが伴いますので、将来行く予定の方はご留意下さい。
インド亜大陸周遊記・完