ゴーキョ(Gokyo)4790m
今日はのんびり8:00に出発。
少し歩いて後ろを振り返る。
あの山の向こうへは、もう二度と戻らない。
私の進む道は開けた大地。
今日はずっとこの調子だといいな~。
…という希望はもちろん通らず、いつの間にか崖の上に来ていた。
どうやら、ここを下るようだ。
皆、ここで休憩をしている。
一人一人、少しずつ下っていく。
私も、3人ほど見送ってから下ってみる。
滑りやすい、砂の下り道。
中腹まで下ったところで、横道に変わった。
この調子で、ゆ~っくり下っていくようだ。
綺麗な青色と、汚い茶色の湖のアンバランスさ。
時折、土壁が音を立てて崩れていく。だから茶色なんだね。
砂利と岩の世界を進む。
ここは、氷河の通り道。
冬にはこの辺一帯が氷河に覆われるのだろうか。
絶対に来ないけど、見てみたいなと思う。
まさか、あの茶色い山を登るわけではないよね。。。
いや~でも道みたいな筋が見える。
うん、そのまさかだった。
よしっ、もうひと踏ん張りだ。
今日も、道のり自体は決して簡単ではない。
けれど、なんだか気分は爽やかだ。
長い間何重にも着込んでいた鎧を一枚、昨日の日に置いてきたような感じ。
登っていると、綺麗な色の湖が見えてきた。
ゴーキョは湖畔の町。
まさか、この丘を越えたらゴーキョなのかな…?
そのまさかだった!
広大な氷河湖。
写真には収まりきらない。
そして、町の向こう側の茶色い山がゴーキョピークだ。
町へ入ると、さっそくクマルに出会った。
クマルたちの宿に行ってみるも、ツインルームを2人でシェアとのこと。
シェアか~。できればプライベートルームがいいな~。
一旦保留にして2件目を訪ねるも、こちらもシェアとのこと。
この町のスタイルなのかな?
3件目を探そうと思ったら、クマルが手招きをしているのが見えたので行ってみる。
なんとクマルが交渉してくれて、1人で1部屋使ってよいことになっていた。
クマルさまっ!!!!
「オーシャンフロント」ならぬ「レイクフロント」がいいな~と思っていたのだけど、1人で贅沢は言えないね。
これは、「パーシャルレイクビュー」とでも言うのだろうか。
実はまだ午前中。
本日のトレッキング時間は3時間半ほど。
ランチを食べて、レイクサイドを一周してみる事にした。
太陽の光に照らされて、水面がキラキラと輝いている。
私がゴーキョに来た一番の理由は、ゴーキョピークから山脈を眺めるためではない。
とても美しい氷河湖畔の町だと聞いていたから。
私は水場の中で、湖が一番好き。(二番は海)
滝や川などの流れのあるものよりも、しっとりと佇む水面を眺めるのがたまらなく好き。
標高4790mの高地に、こんなに美しい湖があるなんてね。
こんな岩場の道だって、荷物がなければ楽しめる。
みんなゴーキョピークにしか興味がないのか、誰にも出会わない。
町の対岸で、思わず歌いだしてしまう。
こんな異国の大地の中で、人目を憚らずに。
気持ちよすぎっ…!(どうか誰も来ませんように)
ずっと湖沿いというわけにはいかず、山道に入ったりもする。
山を下った先は、ビーチの様になっている。
今まで誰にも出会わなかったのに、ここでオランダ人親子に出会う。
彼らはゴーキョピークに行ったはずなのだけど…曇ってたからやめたって。
それにしてもね、誰にも出会わないこんなところで唯一出会ったのが彼等だなんて。
つくづく縁があるな~と思う。
私が去った後も、彼らはビーチ沿いでのんびりと過ごしていた。
男女だったら恋人同士にも見えるんじゃないかな。
食事の時も、いつも一口交換したりしている。
本当に、仲睦まじい親子。微笑ましすぎる。
このヒマラヤの大地で、素晴らしい思い出を作ってほしいな。
今日は、本当に心穏やかな日。
この町には2泊する予定。
明日はゴーキョピークに行ってみよう。
タンナ(Thangnak)4700m
↓(3時間半)
ゴーキョ(Gokyo)4790m