ー世界はきっと、美しいー
プロローグ -世界周遊編-

プロローグ|はじまりはベランダから

あれは、少し肌寒い、秋のはじまりの季節。

私たちがまだ、5.5畳のワンルームに2人で暮らしていた頃。

ベランダでタバコを吸うP氏に付き合って、外を眺めていた時のこと。

ふっと、P氏が言った。

「世界一周航空券って、いくらくらいするのかな」

「世界一周」という言葉は、よく居酒屋に張ってある船旅の広告くらいでしか見たことがなく、ましてや「世界一周航空券」なるものの存在など知らなかった。

バックパッカーレベル0だった、あの頃の私。

翌日、「世界一周航空券」という航空券について調べてみた。

世界一周なんて、ものすんごい大金がかかる旅行だと思っていたのだけど、想像よりは安いことを知った。

そして、実際に世界一周をしている人たちのブログを、初めて読んでみて、そして知った。

陸路で国境を越えていくスタイルもあるんだ…!

世界一周、2人旅の始まり

数日後、出発地点を東南アジアの端っこ「ベトナム」に定め、P氏と一緒に陸路ルートを作ってみた。

検索ワード「ベトナムからカンボジア」

行ける。

検索ワード「カンボジアからラオス」

行ける。

検索ワード「ラオスからタイ」

行ける。

検索ワード「タイからミャンマー」

つい最近、国境が2ヵ所開通したみたい!
今は行ける!

検索ワード「ミャンマーからインド」

…行けない。

インドは、隣国の中国から回り込んでも行けない。
陸の孤島なのか。

一旦タイに戻って、ここで飛行機を使おう。

インドからは、またまた飛行機を使ってイランへ飛ぼう。

(現在は、ミャンマーとインド間の国境も開かれたとかなんとか…)

こうして、陸路で国境を越えてゆく世界一周旅行計画が始まった。

旅の期間は、なんと3年間。

3年間かけて、2人で世界をゆっくり見て回ろうね!

出発は、今から3年後。

それまでに、お金を貯めようね。

P氏の裏切り

計画を始めて数年が経った。

忙しいP氏に代わり、私がほとんどの情報収集と旅行計画を進めていた。

国や都市ごとの細かい工程表や見積もり表も完成していた。

ある日、私より先に30代になったP氏が言った。

「世界一周旅行、俺は行けないわ」

なんですとっ!?

どうやら、30代になると、人生の捉え方が変わるみたいだ。

仕事を辞めて世界一周の旅に出るなどという選択は、もう彼にはできないみたい。

そっかー。じゃあ仕方がないね。

世界一周旅行は諦めよう。

・・・。

とはならないのが、私の厄介な所。

「そうなの?じゃあ仕方がないね。1人で行ってくるね」

そして始まる、ひとり旅

特に揉める事もなく、私の1人旅が決まった。

だけど、流石に1人で3年はあり得ない。

2年も…P氏は待ってくれないと言う。

という事で、妥協に妥協を重ね…そしてインド・ネパール旅行は別の機会に済ませる事により、1年間の旅行計画がまとまった。

出発は、2020年の3月。

そこから1年間の1人旅。

…のはずだったのだけど。

2019年9月上旬。

状況が変わった。

2か月後の11月上旬、私は8か月間の旅に出る事になった。

人生、何があるかわからない。

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