ー世界はきっと、美しいー
富士登山

日本一高い山|標高3,710m「富士山」山頂【須走ルート本7合目→山頂】

朝6:00。
本7合目から、先の道を眺める。

前回はここから上には行けなかった。
大げさではなく、命の危険を感じたから。
これ以上先に進むことに、身体が赤信号を出した。

この先は、未知の世界。

あの時はあんなに危険に見えたこの道が、
なんでもない様に見えるから不思議。

岩だらけの世界。

雲が白い。
空が青い。

次の山小屋も、その次の山小屋も見える。
山頂も見える。
道の線も見える。

 

8合目(3,350m)|江戸屋 6:30

一息ついたら、また次を目指す。

次の山小屋がすぐそこに見えるけれど、
標高が高すぎて、一歩一歩どころか半歩半歩ゆっくり進むのが精一杯。

 

本8合目(3,400m)|吉田ルート合流地点  7:00

ここから吉田ルートと合流。
山小屋が複数ある。

風が強い。

次のお客さんが来る前に、
毎日こうやって屋根に布団を干しているんだね。

 

8合5勺(3,450m)|御来光館 7:35

もう、朝出発した山小屋は見えない。

雲が厚い。

植物は一切育たない環境。
赤茶けた世界。

あと少しなのか、まだまだなのか。

この標高に対して、この距離表示は無意味。

一歩の重さが、下界とはまるで違うから。

広がる雲が美しいけれど、
雲が一切ない景色はどんな感じなんだろう。

もうそろそろかなと思う頃、鳥居にたどり着く。

だけどこれはトラップで、まだまだ先はあんなに長い。

富士登山者のほとんどが選ぶ「吉田ルート」と合流しているから、登山者数は圧倒的に増えているはずなんだけど。

人々は意外にもまばら。

あちこちで、ダウンして座り込んでいる人がいる。

行き倒れているのか、寝ているのか。
所々で人が横たわっている。

その脇を通り抜け、亀の様にのろのろと進む。

あと少しなんだと思う。
そう思いたい。

ようやく!
ここを抜けるとゴール!

だけどテンションを上げる元気はない。

気持ちとは裏腹に、のろのろと鳥居を抜ける。

9:25。
富士山山頂、到着っ!!!

 

富士山山頂(標高3,710m)

ようやくたどり着いた、富士山山頂。

そこは、不思議な世界だった。

日本一高い山、富士山。
さぞかし神秘的で、幻想的な世界なんだろう。
そこから見える景色は、その達成感とも相まって、息を飲むほど美しいんだろう。
そんな風に思っていたのだけれど。

鳥居をくぐって目に入ったのは、お土産屋さんのワゴンの数々。
「ここでしか買えないよ~♪」と、呼び込みのお兄さん。

食堂では、人々が賑やかに食事を楽しんでいる。

須走ルートでは決して見る事のなかった観光色。

力尽きて横になっている人々をみると、
あぁ、そうは言ってもここは富士山山頂なんだなと、実感できる。

そんな少し不思議な、異色の世界。

私はというと、達成感を感じたのは鳥居をくぐった瞬間だけ。

あとはもう、疲労と息苦しさで、早く下山したい気持ちばかり顔を見せる。

一応、温かい食事など取ってみたりしたけどね。

本当は、日本一高い山富士山の、さらに最高峰「剣ヶ峰」に行きたかったんだけど。
火口付近まで歩いて行ったところで、急に具合が悪くなる。

富士山の火口をぐるりと一周するお鉢巡りは、1時間半~2時間ほど。
吉田ルート、須走ルートの終点から剣ヶ峰までは、ちょうど1周の半分くらいの距離。
しかも剣ヶ峰の直前には、馬の背といわれる急斜面がある。

これは、1周まわっている途中で耐え切れなくなったらどうしようもないな。
富士山の火口は見れたしな。

…という事で、あっさり下山を決意。

到着時の達成感はあるけど、やっぱりご来光の感動が一番のピークだったかな。
毎年、本7合目まで行ってご来光を見て帰るというプランもいいかもしれない。

なーんて。

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