2020年、秋。
ネパールでの帰国難民生活を終えて帰国した私は、旅立つ直前まで暮らしていた関東へは戻らず、北海道への移住を決めた。
北海道に移住してきた当初は無職だった為、マンスリーマンションを6ヵ月契約。
そして2021年、春。
契約が満了したので、通常の賃貸マンションへお引越し。
関東とは異なる北海道独自のルール&特徴が、なかなかに面白い!
私が北海道以外にお部屋探しをしたことがあるのは、東京・神奈川・大阪のみです。
比較対象は上記3都府県なので悪しからず。
北海道の賃貸|ローカルルール
まずは、北海道のローカルルール!
なんと、法律まで覆してしまうほど癖の強いルールも存在するのだ。
礼金はほぼなし!
東京だと、敷金・礼金がそれぞれ1ヵ月ずつの場合が多い。
大阪だと、2ヵ月ずつの物件も少なくない。(大阪は初期費用が異常に高い!)
北海道の場合は、礼金なしがほとんど。
礼金が発生するのは、新築物件くらいなんだって。
ストーブ清掃費など、独特の初期費用が発生!
ストーブ清掃費…なんていう独特な初期費用が存在するのだ。
私が見た物件だと、だいたい2~3万円。
他にも、水回り消毒料なんていうのもあったり。
聞いたことないんだけど、これも北海道独自なのか…?
水回り消毒料も、だいたい2~3万円。
これら、なんとハウスクリーニング代とは別なのだ!(←ちょっと不満)
ハウスクリーニング代が設定されている
スートーブ清掃費、水回り消毒料とは別途で、ハウスクリーニング代が設定されている。
どんだけ清掃するんだ。。
私が見た物件だと、だいたい2万円くらい。
物件によって、入居時の場合と、退去時の場合とがある。
敷金は全額返ってくる
敷金は、退去時に清掃費に充てられる!
…と思い込んでいた私は、ハウスクリーニング代も払って敷金も払ったら二重取りじゃないか!?なんて不安になったのだけれど。
敷金は、家賃の滞納時や、よほど酷い部屋の使い方をした場合の保証金なのだとか。
よほど酷い使い方とは…例えば昨今であれば「タバコのヤニ汚れ」なんかも当てはまる。
あとは著しく清掃を怠ったために出来た汚れとか、破壊とか。
普通の使い方をしていれば、敷金は全額返金されるものらしい。
北海道の物件は、審査が厳しい!?
不動産会社の担当Iさんによると、北海道は家賃の滞納や夜逃げの件数が全国と比較しても格段に高いのだとか。
その為、入居時の審査が厳しいらしい。
保障会社を使わずに入居できる物件でも、厳しい審査の結果「保証会社を使うならOK」となる可能性も全国と比較して高い。
(そもそも、関東だと「保証会社必須」が多かったけど。)
全物件で、契約期間2年縛りルール!
そう、不動産会社の担当I氏によると、これは全物件例外なくという事らしい。
契約期間の2年間を満了せずに退去した場合、なんと違約金が取られるのだ!
その額、家賃の1ヵ月分。
しかも、これは違法らしい。
本来、契約期間を設けて違約金を取るという事は、入居者を縛り付けるという事になる。
そんな事は、日本の法律は許していない。
(それなら、通信会社の違約金制度も許さないで欲しい…。)
だけど、北海道には昔から存在し、根付いているルール。
道民たちは、慣習として何の疑問も持たずに受け入れている。
…という状況なので、「本当は違法だけど、北海道だけ特別にOK」と、法律が例外として認めてしまっているのだとか。
なんと…!
ちなみに、2年以上経過した場合は、いつ解約してもOK。
2年毎ではない所が、通信会社よりは良心的??
その代わり?更新料はナシか低額
2年間の契約期間が定められている代わりなのか(?)、更新料はナシ!
あっても、1~2万円程度の低額なのだとか。(←だけど、ほとんどの物件で不要)
2年毎に家賃1ヵ月分の更新料がかかる東京より素晴らしい!
2年以上暮らせば、何もかからないものね。
ちなみに、大阪は初期費用が高い(敷金・礼金2ヵ月ずつが多い)代わりに、更新料が低額(2万円ほど)だった。
東京が異常なのだ。
北海道でのお部屋探しのポイント・コツ
お部屋探しのポイント…例えば「エアコン付き」とか「2階以上」とか、人それぞれ「条件」があるはず。
その条件とすべき「項目」が、北海道ならではだったりする。
2階以上でも油断禁物!下が車庫の2階は避けるべし
防犯面から、「2階以上」を選びたいのは全国共通。
だけど、2階だからOK!…ではない。
車庫のすぐ上の2階は、底冷えして寒い!
それなら、1階の方が条件としてはマシなのだ。
北海道では、とにかく「いかに寒さに備えるか」が重要。
それに、寒いと冬の光熱費もかさんでしまう。
選択肢が激減しても、「都市ガス」を選ぶべし!
光熱費を抑えるならば、「都市ガス」一択!
東京や大阪などの大都市であれば、わざわざ注目しない「ガスの供給先」…だってほとんどの物件で都市ガスだから。
だけど地方では、まだまだプロパンガスが一般的。
プロパンガスは各社が自由に料金を設定している為、ほとんどの場合で都市ガスよりも高額。
「都市ガスの方がちょっと節約になってお得♪」とかそういうレベルではないほどに大きく違うのだとか。
家賃が上がる事になっても、都市ガスの物件にした方がいい!というレベル。
冬にガスの使用量が増える北海道の場合、それは特に深刻な問題。
暖房がガスストーブの場合なんて、特に。
それなのに、「都市ガス」を選ばず物件検索をしたら100件以上あったものが、「都市ガス」を条件に加えた途端に10件程度に減ってしまう。
北海道では「都市ガス物件」というのは特に好条件に値するのに数が少なく奪い合いなので、すぐに契約が決まってしまう。(…という不動産屋の売り文句かもしれないけど。)
そんなに素晴らしいなら、みんな都市ガスにすればいいのに!
…と思うのだけど、都市ガスを設置するのには何百万円もかかるのだとか。
プロパンガスだと、ガス会社が設置費用を安くしてくれたり特典をつけてくれたりするので、大家さん目線だと、プロパンガスの方が断然お得なのだ。
それに、これだけ世間が「都市ガス都市ガス」と言いだしたもの、ここ最近の事らしい。
今ある都市ガス物件は、大家さんに先見の明があった物件か、都市ガスに価値が出てきてから建てられた築浅物件。
もしくは、むかし都市ガスの設置に助成金が出た事があって、その時期に建てられた物件。
なので、競争率の高い築浅の物件か、助成金時代の古めの物件の極端な2択になるのだとか。
そんな感じで、都市ガスを条件に入れると物件数が激減。
「エアコンがない」とか「インターホンがない」とか「ちょっと古い」とか…なにかしらの妥協をしなければならなくなるのだけど、だとしても都市ガス物件の中から探した方がいいと。
冬の北海道のガス代金、なめんなよ!…という事かな。(しらんけど)
ガスストーブより灯油ストーブの方がベター
絶対条件ではないけれど、「ガスストーブ」より「灯油ストーブ」の方がいい。
ガスは消えたらそのまま寒くなるけれど、灯油はしばらく暖かい。
ガスは空気を乾燥させ、灯油は空気を潤わせるからだって!
エアコンは、あったらいいな程度で考えるべし
「エアコンなし」の物件が、結構多い。
先ほどの都市ガスと一緒で「エアコンあり」で検索すると物件数は激減するのだけど、先程の都市ガスとは逆で、他の条件を妥協してまでエアコンを付ける必要はないと。
エアコン抜きで考えて住みたい物件を探した上で、更にエアコンが付いていたらラッキー程度で考えてOK。
本州だと、あり得ないけど。
北海道でエアコンが必要なほど猛暑になるのは、年に3週間程度。
年に3週間の為にエアコンを選んで、その他もろもろ…特に冬の防寒に関する部分を妥協するのはナンセンス。
我が家もエアコンがないけれど、夏は扇風機で乗り切ろう。
本当にエアコンなしでも乗り切れたかどうかは、またレビューします。
ガスコンロはないので、別途購入
ガスコンロのない物件なんて、見た事がない!
あって当然、そして引っ越しの際は置いて行く。
…ではなく、ガスコンロも冷蔵庫や電子レンジが備え付けられていないのと同じで、借主が持ち込むのが当然らしい。
駐車場は、供給に対して需要が多すぎる
北海道は車社会のはずなのに、札幌の物件付属の駐車場は不足しているらしい。
いいなと思った物件の前の借主が、車ごと出ていってくれる(駐車場を1台分あけてくれる)というのは、ラッキーなお話し。
そうでない場合は、駐車場付き(空きあり)物件の中から探すか、一般の月極駐車場を契約する事になる。
最寄り駅はJRよりも地下鉄!
常に車移動をする場合は関係ないけれど、公共交通機関をメインで使う場合は、その交通機関にも注目しなければいけない。
駅から近いのはもちろんだけど、その駅はJRよりも地下鉄の方がベター。
JRは、冬の寒いなか外のホームで待たなければならないけど、地下鉄ならホームが地下だから。
あと、JRの方が、雪の影響で遅延しやすい。
そういう視点では、バスは論外。
北海道ならではの便利なサービス
雪国・北海道ならではの、便利なサービスもあるんだって!
冬の間、札幌市が自転車を預かってくれる
屋外に駐輪場がある場合、自転車はどうするんだろう??
そう思って不動産屋I氏に聞いてみたら、なんと札幌市が預かってくれるのだと教えてくれた。
自転車は2,000円、原動機付自転車は4,000円だって!
冬の間、夏タイヤを預かってくれる業者がある
夏冬でタイヤ交換が必須の北海道。
外したタイヤを置く場所がない場合はどうすれば…??
と思うけど、夏タイヤを預かってくれる業者があるので大丈夫なんだって。
入居時のびっくり
入居時に、関東では遭遇しなかった違いに直面して驚いたこと。
灯油ストーブは、申し込まないと使えない!
入居して、灯油ストーブを付けてみてびっくり。
なんとエラー表示がでて使えないではないか!
すぐに管理会社に電話して業者さんに来てもらった。
すると、訪ねて来たのは北ガスの人。(何故ガス屋!?)
なんと、申し込んでないから、給油されずにエラーしたと。
いや、言われてみれば、その通り。
だけど、光熱関係は「電気・水道・ガス」に申し込めば完璧という頭だったので、意表を突かれた気分。
灯油も申し込まないとなんだね。
(だけど、灯油も北ガスの管轄なら、ガスの開栓で来た時に一緒にやってくれればよかったのに…。)
ニトリが強すぎてIKEAはないよ
お安くて品揃えの豊富な家具屋さんといえば、ニトリかIKEA★
だけど、ニトリの本社は北海道。
ニトリが強すぎて(?)IKEAは未だ北海道に進出していないのだ。
北海道、
「ドラッグストアといえばツルハ!」
「ホームセンターといえばホーマック!」
みたいに、土着の企業が強すぎるのだ…。
まとめ
ちょっとお部屋を探しただけで、これだけの違いがある北海道。
これからも、本州にはなかった慣習や風土に遭遇するのかな。
まだまだ私には、未知の大地だ。
初歩的な質問ですが、灯油ストーブって自分で灯油を入れるんじゃないのですか?
地方によりずいぶん様々な点で違うものですね。
北海道、東京、神奈川、大阪、どこが暮らしやすいですか。
土日さま
北海道の記事まで読んで頂いて…ありがとうございます!
私も灯油は自分で入れると思っていたのですが、(物件によるのかもしれませんが、)開栓すると自動で給油されるみたいです。
暮らしやすい場所ですか…難しい質問ですね。笑
住み慣れているのは東京、まるでバラエティ番組に出演しているみたいに毎日楽しく過ごしたのは大阪、都市環境・自然環境的にバランスが良く過ごしやすいのは北海道という感じです。
横からですが、持ち運びできるタイプのストーブやファンヒーターは自分で給油することになります(こちらのほうが安い)が、固定式でちょっと高いものだと、外部にある石油タンクから自動で給油してくれるのもあると思います。
自分が住んでるような田舎だと、多くの家庭に大きめの石油タンクがあり、冬場でも使い方によりますが、一か月に一回ぐらい、石油業者が見回りに来て給油してくれます。
NKさま
物件によるのではなく、ストーブによるんですね!
自動で給油されるストーブだったのはラッキーでした。
業者さんが手動で給油してくれているんですか…使い過ぎて無くなったら恐怖ですね。。苦笑
教えて頂きありがとうございます☆
お二人様、ありがとうございました。
よく分かりました。何しろ小っこいストーブしか頭になかったので大変参考になりました。
土日さま
ご質問頂いたおかげで、私も勉強になりました!
ありがとうございました★